【RIZIN44】横山武司戦へ、摩嶋一整―02―「リングは足元に空間があるので戦いやすい」
【写真】半年前になるが立川での金原、平田直樹との出稽古。これは良い練習になっただろう(C)KAZUMASA MAJIMA
24日(日)、さいたまスーパーアリーナで開催されるRIZIN44で、横山武司と対戦する摩嶋一整インタビュー後編。
Text by Shojiro Kameike
摩嶋は同業者、つまり選手からの評価が高いファイターだ。昨年対戦した金原正徳も試合後に「摩嶋君は強い」とベタ褒めしていた。一方の摩嶋も金原の強さを体感し、なんと対戦後に金原のジムへ出稽古に行ったという。さらに、これまでは「ケージのほうが得意」と言っていた摩嶋だが、リングMMAへの意識も変わってきたという。2023年、摩嶋一整が大きく変わる。
<摩嶋一整インタビューPart.01はコチラから>
――これは都市圏以外のジムあるあるですが、摩嶋選手レベルとなると練習で追い込まれることはないですよね。練習相手との実力差があるために、スパーリングでも摩嶋選手が不利な状況に陥ることが少なかったのではないですか。
「試合の時のように追い込まれることはないです。でも、やり方次第で変わります。練習仲間にガンガン来てもらって、自分は休まずにスパーリングしていたら追い込まれてきますし。あるいは森戸さんのようなトップ柔術家とスパーしていると、本当に疲れますから」
――これから新しく取り組みたいことはありますか。
「もっとトップ選手と肌を合わせたいですね。そのためには出稽古も必要じゃないかなと思っています。今年に入って金原さんのジムに行かせてもらったんですよ」
――昨年対戦した金原選手の立川ALPHAで練習したのですか!?
「はい(笑)。スパーリングもさせてもらって、すごく刺激になって助かりました」
――立川ALPHAへ行ったのは、いつ頃のことなのでしょうか。
「2月ぐらいですね。毛利道場の選手が東京で試合をするので、僕もセコンドに就くことになったんです。東京に行くなら練習したいと思って、金原さんに連絡したんですよ。やっぱり金原さんはフェザー級のトップ選手で、実際に試合すると本当に強かったので。それに1度対戦して、もう2度と試合することはないだろうと(笑)」
――摩嶋選手が勝ち上がっていけば、再び対戦することもあるでしょう。それでも金原選手としてはウェルカムだったのでしょうか。
「快く受け入れてくれました。自分が立川ALPHAに行った時は、金原さんと平田直樹選手がいて。3人でグルグルとスパーを回すことができて、本当に良かったです。金原選手は強いし、巧いし。平田選手も強かったですよ。腰が重くてグラップリング力も高いし、もっと上の舞台で戦う選手になるだろうなって感じました」
――その東京出稽古で何を感じましたか。
「金原さんと試合をして1年近く経っていました。負けてから体力をつけたり、柔術の練習に取り組んできました。だから試合をした時よりは成長した自分を見せることができたと思います。実際に試合をした相手ともう一度組むからこそ、自分自身もそういうことが分かりますし。今回は同じ大会で金原さんがクレベル選手と試合をしますよね。自分としても楽しみです」
――今回はご自身の試合もあるので難しいとは思いますが、金原選手が摩嶋選手のセコンドに就くことはあるのでしょうか。
「セコンドはないと思います。でも前回の試合では勝ったあとに、リングサイドにいた金原さんが抱きしめてくれました。すごく嬉しかったです(笑)」
――本当に嬉しそうですね。ただ、お互いに勝ち続けていれば再戦もあるかもしれません。
「もちろんです。その時はその時で、金原さんを超えたいですね」
――なるほど。金原選手との試合はケージで行われ、芦田戦も次の横山戦もリングで戦います。摩嶋選手はケージのほうが得意だと仰っていましたが、RIZINではどうしてもリングの試合のほうが多くなります。1週間後に行われるLANDMARK、つまりケージのほうに出たいという気持ちはなかったですか。
「確かにケージの試合は魅力的ですけど、さいたまスーパーアリーナで試合ができるのは嬉しいです。最近はリングとケージ、どっちでも良いかなと思うようになりました。実はリングでも試合をするために、壁を使わないことを意識して練習しているんですよ。だから今は、壁があってもなくても関係ないです。リングは足元に空間があるので戦いやすい面はあって」
――というと?
「マットとロープの間にスペースがあるので、ロープやコーナーに押し込んでからも足をかけやすいですよね。ケージだと、そのスペースはなくて。前回の試合もコーナーに押し込んでから大外刈りでケージ中央に投げることができたのは、そういう理由もあるんです」
――そうだったのですか! 次の横山選手は柔術ベースのMMAファイターである一方、これまでキャリアのほとんどをケージで戦ってきました。摩嶋選手にとってリングで戦うことにアドバンテージはありますか。
「僕も柔術を習い始めて、リングでの試合にも慣れてきました。ここで今までの経験が生きるんじゃないかと思っています」
――では対戦相手の横山選手について印象を教えてください。
「本当に柔術家らしく、下からでも上からでも極めることができる。しかも一発で極められる力を持っているので、そこは脅威だと思います。あとは結構、蹴ってきますよね。MMAの試合なので、打撃戦になっても寝技になっても、どちらでも戦うつもりで準備しています。スタンドとグラウンド、どちらで来てくれても構わないです」
――森戸選手と練習することで、横山選手の対策も考えやすいですか。
「森戸さんはトップ柔術家なので、上からでも下からでも強いです。だから横山選手対策とかは関係なく、森戸選手と練習していたら勉強になることは多くて」
――その森戸選手は9月30日に、グラジエーターで世羅智茂選手と対戦します。摩嶋選手とノーギの練習をし始めたことで、森戸選手にも変化は見られますか。
「最初は引き込んで下から攻めるイメージが強かったです。でもプログレスの試合に出始めてからはスタンドレスリングやテイクダウンの力をつけてきて、今はケージレスリングもすごく巧いです。もちろん下からも強いし、いずれMMAでも戦えるんじゃないかと思っていますよ。次の試合も森戸さんに完封勝利してもらいたいですね」
――では最後に、ご自身の試合への意気込みをお願いします。
「自分はまだまだ成長過程です。どんどん成長していって、いずれはRIZINのベルトを山口に持ち帰りたいです。これからも見守ってください。応援よろしくお願いします」
■視聴方法(予定)
9月24日(日)
午後2時00分~ABEMA, U-NEXT, RIZIN100CLUB,RIZIN LIVE,スカパー!
■ RIZIN44対戦カード
<フェザー級/5分3R>
クレベル・コイケ(ブラジル)
金原正徳(日本)
<フェザー級/5分3R>
牛久絢太郎(日本)
萩原京平(日本)
<ライト級/5分3R>
スパイク・カーライル(米国)
堀江圭功(日本)
<ヘビー級/5分3R>
スダリオ剛(日本)
トッド・ダフィー(米国)
<キック70キロ契約/3分3R>
安保瑠輝也(日本)
宇佐美正パトリック(日本)
<フェザー級/5分3R>
中原由貴(日本)
白川陸斗(日本)
<フェザー級/5分3R>
摩嶋一整(日本)
横山武司(日本)
<フライ級/5分3R>
福田龍彌(日本)
山本アーセン(日本)
<バンタム級/5分3R>
中島太一(日本)
岡田遼(日本)
<ヘビー級/5分3R>
シビサイ頌真(日本)
ヤノス・チューカス(ハンガリーム)
<フライ級/5分3R>
征矢貴(日本)
ラマザン・テミロフ(ウズベキスタン)