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【CJJW2023#02】高橋Sub。オーバータイムまで頭にいれた戦略で、予想以上の強敵カントを下し準々決勝へ

<バンタム級T1回戦/10分1R>
高橋Submission雄己(日本)
Def.OT 1st term 11秒by RNC
ルカス・カント(アルゼンチン)

昨年のノーギワールド茶帯ライトフェザー級3位のカントに対し、高橋はニーシールド気味にスネを当て自ら判定して足を取りに行く。後方回転し既にカントの左足を取った高橋だが、起き上ったカントが前転して解除にかかる。高橋は右足に狙いを変え、ストレートフットロックからサドルのセットアップ狙いか。ロールしつつ正対したカントがここで掌底を打ち下ろす。カントは立ち上がって掌底を落とすと、高橋は顔を守るために足を解除する──と見せかけ、右足を取る。カントも高橋の左足首をコントロールして、足を抜き捌いてパスを仕掛ける。

ヒザを入れて掌底を落とすカントに対し、高橋はその左足を抱える。カントは正座して防ぎダースを狙う。高橋は横回転で取らせず、ガードを取り直す。飛び込むように掌底を落とすカントは、ここでもヒザを入れ掌底を打っていく。高橋は立ち上がり、試合は仕切り直しに。立ちレスが続き、押し込むカントは内股からカニバサミに移行させず高橋の右足を左手で刈りにいく。引き込むように下になった高橋はここでも掌底を受けながら、右足を取るがカントは高橋の仕掛けに対し、しっかりとヒザを抜いて対処を続ける。

カウンターのバック狙いに、高橋が掌底を繰り出す。ならばとカントはトラックポジションへの移行を測るが、高橋も左足を取って防ぐ。正対しつつ右の掌を落としたカントが足を抜くと、高橋が起き上ってリバーサル──ではなく、足を取ろうとする。その刹那、起き上ってヒザ立ちになったカントが掌底を打つ。カントは高橋の足関節のエントリーにも対応し、体に軸のある状態で右の掌打を炸裂させる。

アゴを殴られた高橋、パウンドを受けた経験で掌底にアレルギーはないという言葉があったが、トーナメント初戦で頭が揺れるような打撃をアゴに受けないに限る。高橋はこれを嫌がって立ち上がり、試合は3度目のスタンドに。ここで5分が過ぎ、カントは座ってリバースデラヒーから回転して高橋の左足を取る。右足をヒザ裏について伸ばした高橋がディフェンスしたが、ここでカントが掌底を繰り出す。

立ち上がった高橋は、ヒザを一気の外ヒールへ。ロールしてヒザを抜いたカントはバック狙い、背中をつけなおした高橋にダースを仕掛ける。高橋のニーシールドに構わず右のオープンハンドを見舞ったカント、足関節を防ぐだけでなく要所で掌底を打ちながらバックを狙う。ここからカントはスタンドに戻ると跳びつきで何かを仕掛けるも、空振りして落下。ガードを取ったカントの足首を掴んだ高橋だが、左足を取られる。

互いに横周り、ダブルガードの形になった刹那、カントが右のパームハンドパンチを入れる。ここでカントが背中をつけ、立ち上がった高橋が掌底へ。とカントは足関を仕掛けるという序盤とは逆の流れに。さらにカントは殴って、足をより深く入れるという打と足関節のコンビネーションも見せる。取られることはない高橋だが、コンバット柔術としての攻防ではカントが優勢だ。

残り2分を切り、上を選択したカントがパスを仕掛けながら掌底へ。高橋の足のきかせ方は取るよりも、防ぐ方に重点が置かれてきたか。リバースデラヒーバから回転し右足を取る高橋だが、極めるという空気はもうマット上では感じられない。互いにOTが頭に入ってくるだろうという時間帯で、高橋は力の入った掌底を入れる。さらに足関狙いに左右の掌底を振り落とす高橋がダメージと精神的プレッシャーを与えてOTに持ち込んだ。

第1ターム、シートベルトを選択した高橋はアゴの上から左足を滑り込ませ11秒でタップを奪う。後攻のカントもバックを選んだが、11秒で極め切ることはできず高橋が初戦突破。予想以上の強豪相手に、結果体にはOT込みのストラテジーで高橋が上回った。


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