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【Shooto2023#04】「K-1ルールの選手とムエタイ選手の違い」。田上こゆる戦へ、ザ・タイガー石井─02─

【写真】インタビューのアップ順の妙。ザ・タイガーは決して田上こゆるのことも修斗も舐めていない(C)SHOJIRO KAMEIKE

18日(日)、大阪府淀川区のメルパルクホール大阪で開催されるShooto2023#04で、田上こゆると対戦するザ・タイガー石井のインタビュー後編。
Text by Shojiro Kameike

12年ぶりの修斗で世界ランカーに勝利し、「修斗ってコレで良いのか」と投げかけた。そんなベテランファイターに、現在の修斗で戦っている選手はどう反応するのか。反応してくれなければ、それで終わり——でもない。田上こゆる戦というマッチメイクを踏まえて語る、ザ・タイガー石井のスタンスに耳を傾けてほしい。そして、噛みつけ。

<ザ・タイガー石井インタビューPart.01はコチラから>


——石井選手は「ワケ分からない選手」ではないでしょう。

「いやいや、今の選手は僕のことなんて知らないですよ。どこの馬の骨とも分からないヤツに世界ランカーが負けて。しかも地元で噛ませ犬に負けているわけじゃないですか」

——噛ませ犬……。

「そこに危機感を持っている選手が、どれだけいるんでしょうね。こうなったら、新しい選手がどんどん僕を倒しに来ないといけないでしょう」

——石井選手にとっては旭那戦の勝利によって、今後は修斗の若い選手との対戦が増えていくでしょうね。

「ネクサスでも若手×僕のようなベテランというマッチメイクが多くて。毎回のように、そういう試合でしたからね。それがネクサスから修斗に変わっただけという感じです(笑)。田上選手は若くて、今後の修斗を担う選手がベテランに挑んでいく構図——僕としては、今までどおりです。同じように、しっかりと自分の仕事をします」

——ただ、石井選手は若い選手の踏み台になるようなマッチメイクが続きます。まさに噛ませ犬のように。

「前回のインタビューでも言いましたけど、自分の年齢になれば必然とそういうマッチメイクになりますよ。仕方ないですね。『そういうもんだな』としか思っていません。ただ、『自分を乗り越えていけ』とは考えていないです。来た選手を倒す。ファイターなので。

旭那戦の前に、僕の立ち位置を新日本プロレスの藤原喜明や木戸修に例えたじゃないですか。誰と対戦しても良い試合をする。若手の壁になる。その立ち位置が、どんどん強くなっていきますね(笑)」

——なるほど。今回の試合も54キロ契約の試合となりましたが、現在もストロー級の世界ランキングやベルトを狙いますか。旭那戦の前は「さすがに修斗のベルトは雲の上の存在ですし、若い選手がたくさんいて、もう自分がどこまで戦えるかは分かりません」と仰っていましたが、キャッチウェイトとはいえ世界ランカーに勝ったので、状況が違います。

「やっはり不思議と、そういう気持ちは薄いんですよね。だから同じです。試合が組まれたら全力でやるスタイルで。別にどの団体であろうと、どの場所でもタイミングが合えば行くでしょうし。そういう形でも自分が格闘技の普及に役立てるならと思っています」

——……。

「今のスタンスは、そういうことなんですよ。いろんな場所で試合をして、格闘技の面白さを伝えていきたい。どこかのチャンピオンになりたいとか、そういう話ではなくて。修斗なら修斗で、全国の大会を回って地元の若手と対戦していくことがあっても良いです」

——前回は沖縄で、今回は大阪です。次は広島、山口あるいは福岡、高松や新潟か。大阪ではサステイン興行だけでなく、BORDERもあります。

「アハハハ、まるでスタンプラリーのように。もうすぐスタンプ制覇かなぁ、みたいな……」

——毎試合ランカーに勝っていって、しかも54キロ契約でランキングには関係ないという。

「それはそれで良いんじゃないですか。自分は組まれた試合で勝つだけです。自分なんかが勝つことを悔しいと感じて、どんどん若手が立ち上がってくれないといけませんよ」

——確かに、そうですね。では次の対戦相手である田上選手の印象を教えてください。

「若くて活きが良い。これからの修斗を背負っていく選手なのだろうと思います。年齢が22歳差って、もう想像できなくてワケが分からないです」

——ファイトスタイルとしては、石井選手と同じくストライキング中心の選手ですが、ご自身にとっては戦いやすいですか。それとも戦いづらいでしょうか。

「両方ですね。そこは、やってみないと分からないです。田上選手は試合を視ると、出入りのスピードが速そうじゃないですか。立ち技でいえばK-1ルールの選手とムエタイ選手の違いみたいなもので。

ムエタイの選手がK-1に出ると、3R制でペースが遅いと自分の力を出し切れずに負けることもありますよね。そういう展開になることは避けないといけない。ブアカーオがK-1で、1Rからハイペースで左ミドルを蹴っていくような感じで。それが旭那戦では、開始早々の右だったと思います」

——一方、組みの展開はいかがですか。石井選手が組みも交えて打撃を繰り出すように、田上選手も打撃中心からスタイルチェンジを図っています。

「まず田上選手はテイクダウンに対する反応も速いので、油断できないですよ。若い選手って成長が速くて恐ろしいです。一般の会員さんでも2~3週間練習したら、結構強くなるぐらいで。田上選手は前の試合が去年の12月で、それから半年——すごいスピードで成長しているでしょう。前の田上選手と同じだと考えていたら、自分が足元をすくわれてしまいます。相手がどう出て来るかを、しっかり見ながら自分も対応していかないといけないですね」

——対する石井選手は、4月の試合から2カ月で変わっている部分はありますか。

「今はどんどん新しいものを取り入れるというよりは、1つか2つ分からないことを教えてもらい、良いと思ったものを試してみるという感じです。深堀りしていくと言いますか。2カ月で何か大きく変わることはありませんが、ちょっとずつ変わってきています。次の試合でも、少しだけ変わったザ・タイガー石井をお見せしますので、よろしくお願いします」

■視聴方法(予定)
6月18日(日)
午前1時00分~ Twit Casting LIVE

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