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【Bellator297】パトリシオ・フレイレ戦へ、セルジオ・ペティス「$100万を手にする機会を逸した代償」

【写真】昨年8月、バリに自分探しの旅に行っていたというセルジオ(C)MMAPLANET

16日(金・現地時間)、イリノイ州シカゴのウィントラスト・アリーナで開催されるBellator297「Nemkov vs Romero」のコメインでBellator世界バンタム級正規王者セルジオ・ペティスが、2021年12月以来の実戦の舞台に立つ。

対戦相手はベラトール史上最高のファイター、3度のフェザー級王者でライト級も制したパトリシオ・フレイレだ。昨年4月にヒザを負傷し、長いリハビリ期間が必要だったセルジオの復帰を前にインタビュー(※取材は2日に行われた)。

試合のない間に再発見したMMAへの想い。後世に語り継がれる試合を前に、セルジオは「マネーより、レガシーを追い求める」と言い切った。


──セルジオ、1年7カ月振りの実戦復帰が迫ってきました。ACLの再建が上手く行って良かったです。

「去年の4月にラフェオン・スタッツと戦う前……3週間半前に、レスリングの練習中に不慮の事故だったんだけど、蹴られてぶつけるような形でヒザをやってしまった。それでGPという最高の舞台で戦う機会を逃すことになり、100万ドルを手にする機会も指を噛んで眺めているしかなかった。

でも1年半のブレイクが、僕をリフレッシュさせてくれたよ。ヒザは全く問題ない。100パーセントの状態で、パトリシオ戦を迎えるよ」

──ACLの手術後、あのGSPでさえパフォーマンスが落ちました。

「ACLのケガからカムバックして、以前と変わりないパフォーマンスを見せることができているアスリートは、他の競技でもいくらでもいるから──そこは全く心配していないよ。逆にこのタイムオフがあったことで、僕はより成長できたしね。ケガで練習ができなくても、ジムに行ってチームメイトのミットを持ったり、練習を眺めていると如何に自分の人生にマーシャルアーツが欠かせないものなのか。MMAを愛しているのかが、再認識できた。失ったモノもあったけど、より大切なモノを手にすることができたよ。

ケージのなかで戦いを繰り返していると、このことを忘れてしまうこともあった。僕にとってマーシャルアーツはビジネスではなくて、ライフスタイルだ。5歳の時から、好きでコレをやり続けてきたのだから。プロファイターとして戦い続けていると、ネガティブなことを経験し自分を見失うこともある。でも、この静養期間で、僕はマーシャルアーツに対してすっかりポジティブになることができた。このケガがあって僕のキャリア、人生は変われたと思う。そのために、僕はヒザをケガしたんだよ。そう信じている」

──100万ドルのトーナメントを戦う機会を逸して、そのような気持ちになれるのも素晴らしいことですね。

「最初は落ち込んだよ。でも行きつくところは、僕はマネーでなくレガシーを追い求めている。試合から離れて、自分の人生を見つめ直した。ケージの外にも幸せはある。でも、やっぱりあそこで戦っていたい。そして、パトリシオという3度のフェザー級チャンピオンで、ライト級も制した男と戦える機会が巡ってきた。これは100万ドル・トーナメントより、僕の求めている戦いだよ」

──ではワールドGPを制したパッチー・ミックスが、暫定王者になったことはどのように思っていますか。

「僕が一歩下がっている間に、多くの悲喜こもごもが見られた。ラフェオンは最初に暫定王者になり、MMA界のスターになった。そして、最後に持っていったのがパッチーだ。パッチーもGPでホリグチに勝った、それも一方的にね。そして、マゴメド・マゴメドフをRNCで破り、最後はラフェオンをヒザ蹴りで下した。僕とパッチーは同世代、2日だけ彼が年上で(笑)。僕と彼はこれからがピーク。絶対にパッチーと僕の試合は、実現するだろう。パトシリオとの試合を終えてからね」

──ところで試合用の練習を行えるようになったのはいつ頃からですか。

「本格的に練習ができるようになったのは、1月になってからだ。それまではやれる範囲でやるという感じだったけど、今年に入ってファイトゲームを実行するための練習に戻ることができた」

──それにしても、カムバック戦がキャリア最大の戦いといっても過言でない試合となりました。

「これが100万ドルを手にする機会を無くした、代償だと思っている。GPチャンピオンになれなかったし、ミリオンダラーも手にできなかった。でもベラトールで最高のファイターと戦うチャンスが手にできた。素晴しい機会だ。後世に語り継がれる戦いになる」

──ライト級でマイケル・チャンドラーをKOしているファイターが、自分の前に立ち塞がる日が来ると思っていましたか。

(C)BELLATOR/JACK DOMBRO

「クレイジーだよ。

マイケル・チャンドラーだけでなく、ベンソン・ヘンダーソンとも戦っている。彼はこのスポーツのレジェンドだ。パトリシオとケージで向き合えることを光栄に思う。彼はMMAファイターとして、全ての局面において強さを持っている。何よりもスマートだ。パトリシオはレンジを理解し、いつ力を入れるのか──そのタイミングも分かっている。寝技での防御力も秀逸だ。彼こそ、何でもできるファイターだろう。

ワイルドだし、KOパワーもある。でも、しっかりとゲームプランを実行できる。パトリシオと戦うことが決まって、正直、悪夢で目が覚めることがあった。でも、そういう戦いを求めて僕はMMAをやっている。怖いよ──でも、そこを乗り越える。絶対に僕が勝つ」

──この25分間、どのように戦いたいと思っていますか。

「20分以上、戦うことになるだろうね。この試合に向けて、自分の戦い、考え方、動きを見つめなおした。新しいセルジオ・ペティスを見せることができるだろう。フィニッシュできる機会が訪れるなら、当然そうする。でも5Rを戦う準備もしているよ。

何より今回の試合に関しては、パトシリオがバンタム級に落としてくることも勝負の行方に大いに関係してくる。いつもより、余分に10ポンドの減量が必要だ。僕がフライ級で戦っていた時、自分の動きに自信が持てなかった。体重を落とすことに頭が行き過ぎて、戦いにフォーカスできなかったからね。今、まさにパトリシオがそういう状況にあるはずだ。ゲームプランより、135ポンドに体重を落とすことに頭がいっているに違いない

18カ月前と比べて、僕はファイターとして、何より人間として成長した。MMAファイター人生に終わりはない。常に最高のセルジオ・ペティスを求めている。それでいて、人として自分の好きなことにここまでのめり込めるなんて、凄く幸せだと実感している。去年のケガは、僕をファイターだけでなく、世の中を行く抜く上でスマートにしてくれたんだ」

──ところでベラトールはフライ級王座を設けます。さきほど、フライ級での戦いの苦しさを話してくれましたが、セルジオが2階級制覇を目指すことはあり得ますか。

「しっかりと、自分と見つめ合って答えを出さないといけない。ただし、ホリグチがチャンピオンになるようだと、絶対的にペティス✖ホリグチ02は行わるべき戦いだよね」

──セルジオは堀口選手がチャンピオンになってほしい?

「僕は彼のファンだから。いつだって日本最強のファイターを、その技術をリスペクトしているよ」

──では最後に日本のファンに一言お願いします。

「皆、応援ありがとう。今年こそ、大晦日にRIZINとの対抗戦で皆の前で試合をしたいと思っている」

■視聴方法(予定)
6月17日(土)
午前6時30分~ U-NEXT

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