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【PFL2023#05】「まずは確実にPFLで一勝を挙げること」。オレナ・コレスニク戦へ、東よう子─02─

【写真】山﨑剛氏とジュカォンと。アトランタ、そしてコレスニク戦ということを考えると、ジュカの援軍は大きい (C)TAKESHI YAMAZAKI

16日(金・現地時間)、ジョージア州アトランタのオーバータイム・エリート・アリーナで開催されるPFL2023#05で、ウクライナのオレナ・コレスニクと対戦する東よう子のインタビュー後編。
Text by Shojiro Kameike

現在の女子フェザー級ランキングは以下のとおりだ。コレスニクは前戦で判定勝ちを収め3pを獲得するはずが、計量失敗でマイナス1p。結果、2pを得ている。

【女子フェザー級ランキング】
1位 6p アンバー・レイブロック
2位 5p マリーナ・モフナトキナ
3位 3p ラリッサ・パチェコ
4位 3p エヴェリン・マルチンス
──────────────────────────────────
5位 2p オレナ・コレスニク
6位 0p アスペン・ラッド
7位 0p カロリーナ・ソベック
8位 0p ジュリア・バッド
9位 0p 東よう子
10位 0p マルティナ・インドロヴァ

コレスニクは初戦で体重オーバーだったが、元UFCファイターのアスペン・ラッドに判定勝ち。結果、ペナルティで獲得ポイントは2Pという状態だ。2p、されど2p。この差によってコレスニクが心理的に優位に立つことは想像に難くない。だからこそ、東はまず勝利にこだわることを決意した。

<東よう子インタビューPart.01はコチラから>


——会場の雰囲気に飲まれてしまった?

「PFLって米国でもメジャーな舞台じゃないですか。単純に相手のサイズが計量時と違っていたこともあるけど、やっぱり場の雰囲気に飲まれて相手が大きく見えてしまったかもしれないです。相手が強く見えた、ということじゃなくて。そうなると試合が始まる前から『自分はここで何するんやったっけ?』という状態になっていたと思います」

——もちろん会場の雰囲気に飲まれていなければ勝利していたか、それは分かりません。ただ、日本で試合をしていた時ほど思いきりがなかったように感じました。KINGレイナ戦やダイヤモンドローズ戦は、もっと東選手のほうから試合を創ろうとしていたと思います。

「あぁ……はい、そうなんですよ。ずっと私の試合を見てくれている人たちからも、『日本でやっている試合と全然違った』と試合後に言われていて。自分から試合を創っていくことができていませんでした」

——なるほど。結果、東選手のほうからテイクダウンを奪うことはできず、モフナトキナに倒されてしまいました。そのテイクダウンについては、いかがでしたか。

「本当は自分がモフナトキナの戦い方をしなきゃいけなかったんです。なのに『打撃を出さないといけない、出さないといけない』という気持ちになって。そう思えば思うほど、手を出すことができず――気づいたらドーンとテイクダウンに入られていました。自分たちも作戦を立てていたけど、それを実行できずに相手がやってきたわけですね」

——経験の差もあったとは思います。モフナトキナも2021年からPFLで戦っていたファイターですので。その意味では次の相手、コレスニクも2021年からPFLに参戦しており、経験値の高い選手といえます。

「海外の選手はPFLっていう舞台で、本当に堂々と戦っていますよね。コレスニクも本当にそういうファイターで。ストライキングがメインの選手で、そんなにテイクダウンに来る選手ではないです。でもずっとPFLに残っているということは、それだけテイクダウンにも強いと思います」

——当然ではありますが、コレスニクもケージレスリングとテイクダウンディフェンスの力はありますよね。

「自分としては、まず相手のストライキングに対処できるように練習してきました。今度はその作戦が飛ばないように……。前回のアスペン・ラッド戦は、コレニスクも組まれないための打撃の出し方でポイントを稼ぐようなスタイルだったと思うんです。その戦い方に付き合わない。私はスピードで対抗して、自分のほうが先に当てていきたいです」

——ATTアトランタでは、何かコレスニク対策を教えてもらっていますか。コレスニクは過去、パチェコに2度KOされており、いずれもジュカオンがセコンドに就いていました。

「はい。ジュカオンさんが『コレスニク相手にはコレが良いぞ』と、ミットを持ってくれています。パチェコは1試合目が下がりながらのフックでKOしていて、2試合目も打ち合いから左フックでKO勝ちしました。インサイドから打ったりとか、その2試合のことを凄く教えてくれていますね」

——東選手がプレーオフに進出するためには、1Rでフィニッシュしてクイックシックスを実現するほかありません。そのポイントは意識していますか。

「1位のレイブロックが6pで、パチェコも3pですからね……。もちろん一番良いのは1Rのフィニッシュです。でも、クイックシックスを意識しないようにしています」

——えっ!? それはどういうことですか。

「まずはPFLで確実に1勝を得ること。何よりも勝ちを取りに行きたいです。やっぱりプレーオフには出たいし、フィニッシュすることも頭の中に入っていますよ。でもクイックシックスのことばかり考えていると、自分のほうが足元をすくわれるような気がして」

——……。

「私が次の試合で6pを獲得したとしても、上位陣が勝ってポイントを得たら同位になって。すると2勝している他の選手のほうがプレーオフに進むんじゃないですかね」

——確かに3位で並ぶパチェコとマルチンスは、判定勝ちでも3pを得て合計6pになりますからね。

「そんな状況で私が勝つことよりも倒すことばかり考えていたら、結局は前回と同じことだと思います。コレスニクは現在2pで、私に判定勝ちでも3pを得て合計5pになる。そこで私のほうが倒しに行くと……。私としては、まずは何としてでもPFLで1勝をもぎとることに集中する。そこで6pを得られるようだったら狙います」

■視聴方法(予定)
6月17日(土・日本時間)
午前7時30分~DAZN

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