【PFL2026#04】マッキー戦へ、セルジオ・ペティス「心の中のコーナーに、いつもデュークはいる」
【写真】話を聞いているコチラが感傷的になってしまうほど、静かにデュークの死は語ったセルジオだった (C)MMAPLANET
11日(土・現地時間)、イリノイ州シカゴのウィントラスト・アリーナでPFL 2026#04「Chicago」が開催され、メインでセルジオ・ペティスが新鋭ミッチ・マッキーと対戦する。
Text by Manabu Takashima
昨年10月、マゴメド・マゴメドフをスピニングバックエルボーでKOした2週間後、13歳の時から19年に渡りセルジオを指導してきたジェフ・デューク・ルーファスを突然亡くした。父と慕う師を失ってから半年、隣の州シカゴ大会で組まれたマッキー戦はデュークの追悼試合でもある。そんな大切な試合を前に、セルジオがデュークの死について――そして、これからを話してくれた。
分かっているんだ……。ファイトウィークになると、デュークが恋しくなるって
――約3週間後にシカゴで、ミッチ・マッキーとメインで戦います。今の気分は?(※取材は3月25日に行われた)
「良い感じだね。段階的に減量も進めているし、順調にきている。この試合は僕にとって、とても意味の大きなファイトになるよ」
――それはやはり……。
「そうだね。初めてデューク・ルーファスのコーチを受けず、コーナーにもいない試合になる。だからこそ、しっかりと戦わないといけない」
――昨年10月17日に亡くなったデュークの追悼試合になりますね。本当に大きな喪失感があったかと思います。もし問題なければ、師を失った気持ちを教えて話してもらえますか。
「これ以上、辛いことはなかった。僕は子供の頃に父親を亡くしているんだけど(※10歳の時に友人宅で強盗に刺殺された)、デュークの死はあの時と同じような喪失感があった。デュークは13歳の時から、僕にとっては父親のような存在だったから。彼を失った時は、感傷的になってこんな感じに言葉に出して振り返ることもできなかった。
でもデュークの死を受け入れて前に進むしかない。それに心の中のコーナーに、いつもデュークはいるんだ。今も心が痛いけど試合が近づいてくるにしたがって、特にジムで練習をしている時には、近くにデュークがいるように感じられるんだ。デュークはきっと試合の時には、コーナーにいるよ」
――自分が何かを言える立場でないですが、デュークは私のような日本の専門メディアの記者にもいつもフレンドリーに接してくれました。そんな人格者でもあったヘッドコーチを失ったことで、ルーファスポーツの練習環境が変わるようなことはなかったでしょうか。
「デュークを失っても、僕らにはデュークの右腕だったスコット・クッシュマンがいる。他のコーチたちも今回の試合に関して、僕らの旅は続いていることを証明しようと凄く気合が入っている。この名が忘れ去られることがないように、僕らはルーファスポートのレガシーを引き継いでいく。
そういう意味でも、今回のキャンプはキャリアで一番ハードだった。そしてチームメイトたちが……、自分のためでなく自分たちのホームのために懸命になって、僕のサポートをしてくれた。アンソニーも含めてね。何と言っても、こういう状況になっても、僕らはやっていけるだけのことをデュークから教わってきた。
何事もハードに取り組むから、感じられる楽しさ……僕らの一生は、短い。その間にどれだけ汗をかいて、楽しく生きることができるのか。彼を失っても、その教えは僕のDNAに刻み込まれている。デュークから教わってきたことを忘れるなんてことは、ありえないからね。
分かっているんだ……。ファイトウィークになると、デュークが恋しくなるって」
――……。
「今回がプロになって33試合目になる。凄く嬉しかったこと。最悪だったこと、全てデュークと一緒に経験してきた。だからこそ、試合の時こそ、彼がいないことを実感するだろう。同時にね、『今、何をやるべきか。そこに集中しろ』といつも言っていたデュークの言葉が、僕を救ってくれる。最高のKO勝ちをしてから、思い切り感傷的になろうと思う」
――今大会がデンバーやロサンゼルスでなく、シカゴで行われることも大きいですね。
「そうなんだ。ミルウォーキーからシカゴまで、どれだけデュークと一緒に移動したか。7回か8回は、一緒にシカゴに行って戦ったからね。とにかくファイトウィークに入って、やるべきことをやる。取材を受けて、体重を落とす。そして、ミッチ・マッキーに勝つ」
何も珍しいことじゃない。新たなカレッジ・レスリングの使い手が、また僕の前に表れるだけ
――押忍。では、そのマッキーの印象を教えてください。
「10勝0敗の若くて、思い切りの良いファイターだ。無敗だから、凄く自信を持っている。何より今回の試合で僕をぶっ飛ばして、一気にトップに躍り出ようと精神的にも凄く充実しているだろう。まぁ、こういう試合はリスキーだよ。ただし、僕は彼がこれまで戦ってきた相手とは全く違う。相手が誰だろうが、僕を踏み台にしようとする相手と全力で戦う。それが自分を試すことになるからね」
――前回の勝利からPFLもトーナメント制を廃止し、ノーマルな興行形態になりました。ランキングが制定され、セルジオはバンタム級の1位です。次の試合はタイトルショットになるという気持ちではなかったですか。
ラフェオン・スタッツ戦の勝利に続き、マゴメド・マゴメドフから派手なKO勝ちを収めた。次は当然、タイトルショットだと思っていたよ。でもPFLの考えは違ったようだ。まぁ僕としては与えられた相手と戦い、自分の仕事をやり抜いて家にマネーを持ち帰るだけだ。
『若くて、僕のポジションを奪いに来るようなヤツなんてリスクが高すぎるから戦わない』なんて、僕は言わないよ(笑)。ただし、僕の力を見せる場にしたい。KO勝ちという結果もそうだし、『やっぱり、コイツは他とは違う』とファンに思ってもらえる試合にする」
――ところでマッキーはレスラーとして頑強なフィジカルを持っており、その力を打撃に使うファイターです。
「彼が僕と向き合ったら、絶対にレスリング勝負をしてくるに違いない。僕の距離、タイミング、仕掛けを理解すればするほど、打撃で戦いたいとは思わなくなる。でも僕はBellator時代に、ずっとレスラーと戦ってきた。テイクダウン、ホールディングダウンを狙うファイターと、ずっと戦ってきたんだ。何も珍しいことじゃない。新たなカレッジ・レスリングの使い手が、また僕の前に表れるだけだよ。
絶対に打撃は僕の方が上だ。ただ、僕らが戦うのはMMAだ。そしてミックスト・マーシャルアーティストとして、僕の方が彼を上回っている。立ち技、レスリング、柔術を融合して戦うと、僕の方が少し上回っているかと思う」
何より、RIZINでの勝利が必要だ
――この試合後は、どのような青写真を描いていますか。
「まずはこの試合で、圧倒的なKO勝ちをすること。そうすれば100パーセント、タイトルショットを戦うことになるはずだ。その相手はワールドトーナメント・ウィナーのマルシルリー・アウベスにならないかと思っている。彼は立ち技勝負にこだわる面があるからね(※インタビュー後、5月23日のベルギー大会で井上直樹と対戦することが発表された)」
――RIZINの榊原CEOはこのところ、新体制のPFLとスコット・コーカー時代のBELLATORのような付き合いができればということを口にしています。
「日本でまた戦うことができれば……それは、夢が実現することを意味する。前回も最高のファンの前で試合をすることができた。あのウォークアウトは夢に見るほどだし、これから残された時間で再びあの経験ができれば本当に嬉しい。何より、RIZINでの勝利が必要だ。ここは僕も拘っていることで、ぜひとも実現させたい」
――セルジオ、今日はありがとうございました。デュークに「僕は大丈夫だ」とケージの上から伝えることができれば良いですね。
「それこそが、僕の願いだよ。そして、一緒に培ってきたことを見せつけて、素晴らしい勝利をデュークに捧げたい」
■視聴方法(予定)
4月12日(日・日本時間)
午前6時45分~U-NEXT
■PFL2026#04対戦カード
<バンタム級/5分3R>
セルジオ・ペティス(米国)
ミッチ・マッキー(米国)
<ミドル級/5分3R>
ジョーダン・ニューマン(米国)
ジョシュ・シルヴェイラ(米国)
<バンタム級/5分3R>
ラフェオン・スタッツ(米国)
リナット・カヴァロフ(ロシア)
<フェザー級/5分3R>
ガブリエル・ブラガ(ブラジル)
シャイデン・レイアロハ(米国)
<女子フライ級/5分3R>
ヴィヴィ・アロージョ(ブラジル)
シェナ・ヤング(米国)
<女子フライ級/5分3R>
ジェナ・ビショップ(米国)
ボレナ・ツェルツヴァゼ(ジョージア)
<ウェルター級/5分3R>
オマール・エル・ダフラウイ(エジプト)
ジェームス・ベイク(ニュージーランド)
<女子フライ級/5分3R>
渡辺華奈(日本)
パウリナ・ヴィシニエフスカ(ポーランド)
<ヘビー級/5分3R>
アレクサンドル・ロマノフ(モルドバ)
ホドリゴ・ナシメント(ブラジル)
<ライト級/5分3R>
バッジオ・アリ・ウォルシュ(米国)
ダッシュ・ハリス(米国)
<ウェルター級/5分3R>
バラディ・アツァス(ギリシャ)
ネイト・ジャニャーマン(米国)























