【Road to UFC S05 OP#02】Fight&Life#114より。万智「チャンピオンだし。戦いたい相手も日本にいない」
【写真】取材の日、UFCに送るためにパスポートをコンビニでスキャンし――そのまま忘れて、コピー機に置いてきてしまった万智。日本が平和で良かった…… (C)MMAPLANET
4月23日(木)から発売中のFight&Life#114に、Road to UFC Season05女子ストロー級にエントリーした万智のインタビューが掲載されている。
Text by Manabu Takashima
28日(木・現地時間)と29日(金・同)にマカオはコタイのギャラクシー・アリーナで開催されるRoad to UFC S05 Opening Round。2日間で4階級の準々決勝が実施され、DAY2女子ストロー級で万智はキルギスのアニリヤ・トクドゴノワと対戦する。
大成しなかった柔道女子は、RIZINを見てMMAに開眼。RIZINで戦うことがMMAファイター人生とイコールだった。一方、国内では層の薄い女子ストロー級にあって、デビュー1年でタイトルを争うようになり、パク・シウという強敵と2度拳を交えた。
そのパク・シウとの激闘を経て、それ以外の対戦相手に物足りなさを感じるようになった万智は、ぼんやりとした海外という選択肢からUFCを意識するようになる。好きだから、そして強くなりたいからMMAを戦う万智にとって、Road to UFC挑戦の意味とは何かを問うた。
UFCは眼中になかったです
――ROAD TO UFC出場が決まりました。ただ本音を言えば万智選手から、人生を賭けてUFCで戦いたいという熱さを感じたことは、それほど無かったかと思います。
「ハイ、そうです。その通りです。マインド的には藤野(恵実)さんみたいな人が出るべきだと思っています。何て言ったら良いだろう? そもそも柔道をやっていて、県で優勝をしたことはあっても、関東大会とか全国大会で1位になったこともないのに、UFCとか世界ということに実感が湧いたことがなかったです。そもそもMMAはRIZINから入ったので、UFCを見てもいなかったので。海外旅行にも行ったことがなくて、本当に知らない未知の領域でした。そうですね、UFCは眼中になかったです」
――謎の上から目線ですね。
「アハハハハ。選手のことも知らないし、まるで興味がなかったです。UFCファイトパスも入っていなかったし、入っても難しくて視たい試合がチェックできなくて(笑)。それでも最近、カムザット・チマエフはヤバいなとか思うようになってきました。マラブ(デヴァリシビリ)も。マラブ、チマエフ。あとは万智の体形と似ているので、ケルヴィン・ガステラムを見ています。
――似ていますかね……(笑)。
「あっ、あと以前から(中村)倫也さんとか日本人選手の試合はチェックしていました。でも、他の試合は視ていないし、女子選手は誰も知らないような感じでした」
――逆になぜ、そこまで興味がなかったのか。とても不思議です。
「身近でなかったから。外国だし、英語で。だからUFCを目指している選手からすると、『なんで。アイツが』って思われてもしょうがないです。MMAが、そこそこできるようになるまで、本当にUFCはチェックすることがなかったです」
――MMAが、そこそこできるようになったと自認しているのは、いつ頃になりますか。
「パク(シウ)ちゃんと、戦った時ぐらいからですかね。パクちゃんと戦ってから、他の試合は奮い立たされるモノがなかったです。2月のキム・ダンビとの試合でも、『勝てる相手とできて良いな』って思う人がいるんですよ。『戦績が綺麗になって良いな』って。でも自分が好きで格闘技をやっているのに、やっている感がなかったです。挑戦するから成長ができるのに、そんな風に感じることがなくなっていました」
――日本国内の女子ストロー級の層の薄さが、要因ではありますね。
「ソルト選手とか強かったです。でも結局のところ、パクちゃんと戦った時のワクワクドキドキがなくて。2月の時も、もう試合にもならなかったし。それでも試合がしたいから、佐伯(繁DEEP代表)が組んでくれたので、そこは感謝しないといけないんですけどね。でも、レベルアップができない試合で……。私、究極は上久保(周哉)さんみたいなのかもしれないです」
――?
「MMAが好きで。自分が強くなるのが好き。だから、自分の成長につながらない相手とは戦いたくない。いつも強い相手と戦っていたい」
――なるほど、まさに上久保選手的かと。スーパーアトム級に落として、伊澤星花選手を超えていくというのは、目標にならなかったですか。
「このままパクちゃんとの試合以上のことがないなら、スーパーアトム級に転向しようかとは、考えました。佐伯さんにも階級を下げて『ネトフリの恋愛リアリティーショーにでも、出ようかな』なんて話したこともありました」
――下げようかと葛藤があったのは分かります。でも、恋愛リアリティーTVショーというのは?
「もう、バラエティの方に行っちゃおうかと」
――えぇ、何ですか。それは? スーパーアトム級に落としても、その先はバラエティだったと?
「皆、星花ちゃんを倒したいとか言っているけど、私はそこに興味がなくて。星花ちゃんだけでなく、誰と戦うとか。人に興味がない。ただ戦って、目立ちたいだけで」
トイレ休憩とか、それは見ている人の自由
――伊澤選手に勝てば、目立ったと思いますが(このインタビュー後に、伊澤星花の妊娠とRIZINスーパーアトム級のベルト返上を発表した)。
「ハイ。決まればやりますよ。でも、そんなぐらいで。『女子格盛り上げたい』とか、そこも興味ないです。それはUFCと同じで、見る人が決めることじゃないですか。万智だって、RIZINでも見たい試合と、別に見なくても良い試合があるし。トイレ休憩とか、それは見ている人の自由で。そういうスタンスだから、今のRIZINの女子の枠に、万智は入っていなかったと思います。
万智があの中に入っても、別に盛り上がるわけでもないし。万智と渡辺彩華の試合を面白いと言ってくれた人もいるし、そうでない人もいて。それも見る人次第なんで。キャラが好きな人もいれば、MMAが好きな人もいる。その人達の見方があるのに、強制してまで試合を見て欲しいとは思わないですね」
――割り切りと信念の2つが、伝わってくる口調でした。
「アハハハハ。でもスーパーアトム級とかバラエティとか言っていながら、いずれはUFCで勝負をしたい。そういうことは少し考えていたんです。ただしUFCのストロー級で戦うには、まだ体もできていない。2年後ぐらいかなと思って。でも考えたら、万智はもうチャンピオンだし。戦いたい相手も、もう日本にいない。じゃあ、ここから2年も何をすんだってなっちゃうから」
――結果的に今、このタイミングでROAD TO UFCで戦うことができて、スッキリした?
「下が育つのを待って、自分の時間を犠牲にしたくないし。なら、行くべきじゃないかと。逆に今しかないと考えるようになりました。そうしたら、凄く楽になったんです」
――どういうことでしょうか。
「ROAD TO UFCに出られると決まると、気持ちが楽になって。今まで以上に格闘技が楽しくなりました。これまでは『見せないといけない』、『つまんない試合はできない』とか色々と考えていたので。
ここで勝たないとまた日本に戻ってきて、ドキドキワクワクのない試合をしないといけなくなる
――ROAD TO UFCの間は、そこはなくなりますね。
「ハイ。好きな格闘技をして、勝てば良い。優勝すれば良いだけなので。だからこそ楽しんでいるけど、それだけでなく本当に真面目に練習をしないと。そういう覚悟ができたような気がします。まだUFCで戦うイメージは、できていないですけど。ただ、とにかく試合がしたい。MMAが大好きっていうのは、絶対で。自分がやるのが好きで。だからROAD TO UFCが決まって、1年間で3試合戦えるのは『よっしゃぁ!』ですよ(笑)」
――つまりは、決勝進出はデフォルトだということですね。
「万智、結構いけると思います。初戦の相手は、2Rぐらいでチョークを取れるような気がして。
――UFCと契約できないと、また同じ境遇に戻る。そういう風に考えて、プレッシャーに感じることは?
「あります。怖いです。ここで勝たないとまた日本に戻ってきて、ドキドキワクワクのない試合をしないといけなくなるのかって考えちゃって。なんか冷や冷やしてきました」
――色々な考えがまた巡るトーナメント期間になるかと思います。現状、どのようなルーティンで練習をしているのでしょうか。
「月曜日は昼がファイトベースで、夜がKクラン。火曜日は体のケアと(中村)剛士さんのレスリング・クラス。水曜日はKクランとファイトベース。木曜日が津田(勝憲)さんの打撃のパーソナル、レスリングとトイカツ東中野。金曜日はまたファイトベースとKクラン。日曜の朝練は女子のスパーリングっていう感じです。ファイトベースは(佐藤)将光さんのMMA学習塾です。Kクランは横田(一則)さんに監督をしてもらって、スパーリングですね」
――話を聞いている限り、全てを把握しているヘッドコーチ的な人物がいないのですね。
「そこに関しては、やっぱり梅田(恒介)さんが性格から技術面から、本当に万智のことを分かってくれていたと思います。だから梅田さんの教えを軸に、色々と身につけて行こうと思っています。家のホワイトボードには梅田さんに教わったことを忘れないように、全て書いているんですよ」
――対策や技術に関して、アドバイスを受けることは?
「スパーリングを将光さんに見てもらって、技術を教わっています。その技術を持ち帰って、試す。あと将光さんは相手のことも見て、色々とアドバイスしてくれます。それとSARAMIさんとよく話していますね。一緒にスパーリングもしているし。『今日、ピョンピョンと跳んでいるけど、打撃がやりたいのか?』とか言ってくれて。凄く、万智のことを見てくれているんです。SARAMIさんとはプライベートでも食事をしたり、よく会っています」
――対策練習としては、170センチあって、サウスポー。フン・シャオカン(※インタビュー後に対戦相手がアニリヤ・トクドゴノワに変更された)のような女子選手を見つけるのは、ほぼ無理ではないでしょうか。
「ハイ。でも、思い切りやるためにスパーリングは男の選手を欲しています。170センチでサウスポーの男子選手をこれから探して」
――警戒すべきは立ち技ですか。
「寝技も上手いですよ。手が長いので小手とか取られると、面倒くさい。でも腰は軽いです。ただマカオなので判定までいかないで勝たないといけないと思っています」
――ROAD TO UFCのジャッジは欧州勢ですし、あまりそういう心配はなくても……。
「声援が凄いので、それで向うの方が攻撃しているように思われるのは怖いです。でも、日本人魂で乗り越えます!!」
万智ならできるんで。そう言い続けていると、できる
――現時点で1名は未定ですが、トーナメント全体を見て、準決勝以降に向けて自信のほどは?
「自信というか、正直『なんで準決勝で、日本人対決なの?』っていうのはあります。当たるなら決勝というイメージでいたので」
――準決勝でシャッフルされるという話も聞かれないこともないですが、現状発表された山でいえば、一度負けた松田亜莉紗選手と、準決勝で当たる可能性も十分にあります。
「松田さんではなくて、セコンドの中蔵(隆志)さんが強いと思っています。そこですね、気になるのは。正直、松田さんに負けたけど、そのあとにやってきた相手が違う。それだけパクちゃんとの2試合が、凄く良い経験になっています。パクちゃんとの2度目の試合は、皆に2Rまで動いてない。3Rしか動かなかったって言われています(笑)。でも、あの試合ができて良かった。2度目のパクちゃんとの試合だけは、自分に百点をあげました。あの時の万智ができることを、全部やって勝てたから」
――パク・シウが出ていると、優勝候補になることは絶対ですし。
「そう。だから私、優勝しちゃうと思うんですよね」
――逆の山の選手は気にならない?
「キルギスの選手は、気になります。あとパク・ホビョンは戦いたいと思ってきた選手です。あの選手は強いです。体も強くて。でも私が優勝します。優勝するけど、まずは次の試合。1試合、1試合をしっかりと戦わないといけないです。シングルマッチを3試合戦うつもり、3勝してUFCと契約します」
――最後に、そこまで言い切れる根拠は?
「強いからです。万智ならできるんで。そう言い続けていると、できる。集中して勝ちにかないといけないけど、本当に優勝できるようになります」
■Road to UFC S05 OP Day2視聴方法(予定)
6月29日(金・日本時間)
午後7時00分~UFC FIGHT PASS
午後6時30分~U-NEXT
■Road to UFC S05 OP Day2対戦カード
<女子ストロー級/5分3R>
シー・ミン(中国)
プジャ・トマール(インド)
<Road to UFCフライ級準々決勝/5分3R>
亮我(日本)
ジョセフ・アルシネーゼ(豪州)
<Road to UFCフライ級準々決勝/5分3R>
鈴木崇矢(日本)
オトゴンバートル・ボルドバートル(モンゴル)
<Road to UFCフライ級準々決勝/5分3R>
エロス・バルヤット(フィリピン)
内田タケル(日本)
<Road to UFCフライ級準々決勝/5分3R>
チーニョーシーユエ(中国)
小田魁斗(日本)
<Road to UFC女子ストロー級準々決勝/5分3R>
万智(日本)
アニリヤ・トクドゴノワ(キルギス)
<Road to UFC女子ストロー級準々決勝/5分3R>
モン・ボー(中国)
松田亜莉紗(日本)
<Road to UFC女子ストロー級準々決勝/5分3R>
フン・シャオカン(中国)
ファリダ・アブドッゥエヴァ(キルギス)
<Road to UFC女子ストロー級準々決勝/5分3R>
ドン・フアシャン(中国)
パク・ボヒョン(韓国)
Road to UFC Season05 Opening Round Day1
■Road to UFC S05 OP Day1 視聴方法(予定)
6月28日(木・日本時間)
午後7時00分~UFC FIGHT PASS
午後6時30分~U-NEXT
■Road to UFC S05 OP Day1対戦カード
<フェザー級/5分3R>
シェ・ビン(中国)
ユディ・チャヒヤディ(インドネシア)
<Road to UFCバンタム級準々決勝/5分3R>
宮口龍鳳(日本)
チュングレン・コレン(インド)
<Road to UFCバンタム級準々決勝/5分3R>
ティ・ハイタオ(中国)
田嶋椋(日本)
<Road to UFCバンタム級準々決勝/5分3R>
ラビンドラ・ダント(ネパール)
キンバート・アリントゾン(フィリピン)
<Road to UFCバンタム級準々決勝/5分3R>
南友之輔(日本)
カシブ・マードック(ニュージーランド)
<Road to UFCフェザー級準々決勝/5分3R>
青井人(日本)
ソン・ヨンジェ(韓国)
<Road to UFCフェザー級準々決勝/5分3R>
ルァーグーチェン(中国)
ダギースレン・チャグナードルジ(モンゴル)
<Road to UFCフェザー級準々決勝/5分3R>
アーフージョン・アーリーヌアール(中国)
イム・クァンウ(韓国)
<Road to UFCフェザー級準々決勝/5分3R>
ジョージ・マンゴス(豪州)
栁川唯人(日本)



















