【DEEP Tokyo Impact2026#03】現在21歳の空手バカ一代、三井俊希「何でもありのなかで倒す浪漫」
【写真】面白いトークと、鋭い眼光。そして強い一撃——興味深い新世代だ(C)SHOJIRO KAMEIKE
24日(日)、東京都港区のニューピア・ホールで開催されるDEEP Tokyo Impact2026#03のメインで、三井俊希が高橋遼伍と対戦する。
Text by Shojiro Kameike
三井はフルコンタクト空手をベースにMMAを始め、2024年6月にプロデビュー。3戦目で黒星を喫するも、以降はここまで4連続KO勝ちを収めている。さらなるランクアップを賭けて、次はベテランの高橋と対戦する三井に初インタビュー。2004年生まれで現在21歳の三井は、世代を考えても意外なほどの「空手バカ一代」だった。
柔道をやっていた兄に勝ちたいという純粋な気持ちで、空手を始めました
――三井選手は現役の大学生なのですね。
「はい。関西大学の人間健康学部といって、スポーツに特化した学部に通っています」
――ベースはフルコンタクト空手であると聞きました。
「空手は新極真会で、6歳の頃に始めました。よく喧嘩していた、7歳上で柔道をやっていた兄に勝ちたいという純粋な気持ちで」
――純粋とは(笑)。柔道をやっているお兄さんに勝ちたいのであれば、自身も柔道をやろうとは考えなかったのですか。
「兄からは『柔道をやれ』と言われていたのですが、自分は『兄ちゃんがやっていない空手で倒すから』と言いました」
――空手で柔道家を倒す。まさに空手バカ一代ではないですか。
「アハハハ!! 確かにそうですね。空手の道場に入門した頃、父が『こんな漫画があるぞ』と空手バカ一代のことを教えてくれて、自分も読みました」
――その後、空手を始めた目的である柔道……ではなく、お兄さんを倒すことはできたのでしょうか。
「いえ。僕が強くなり『これはやり返せるぞ!』という頃になったら、兄とすごく仲良くなってしまって。結局やり返せないままで、今は兄も僕を応援してくれています(笑)」
――まさかのオチですね! 少年時代の空手の実績を教えてください。
「小学校の時は全関西大会とかブロック大会は優勝できていました。でも全日本に行くとベスト8止まりで。ただ最後に出た大会は初日が型、2日目が組手やったんですよ。組み手のために緊張をほぐす目的で型にも出てみたら、2年連続で全日本3位になりました」
――おぉっ! しかしそれだけの実績がありながら、中学校に入って野球も始めたそうですね。
「もともとキャッチボールとかは好きで、ずっと野球はやってみたかったんです。僕は『やりたいことは絶対にやる』という性格で、特に小学校高学年から野球熱が高くなっていました。それで野球部に入ったら、空手よりも楽しくなって。
中学校の時は野球と空手を並行してやっていました。2週間に1回ぐらい、どちらかの試合に出ていましたね(笑)。野球部の先生も優しい人で、『空手の試合がある? 行ってこい! 勝ってこいよ!!』と、野球と空手を両立しやすい環境でした。野球部はあまり強くなかったですけど、個人では大阪府の選抜に選ばれたことがあります」
――当時、野球のポジションは?
「キャッチャーと外野をやっていましたね」
――キャッチャーと外野であれば、肩には自信があるのですか。
「いやいや、そんな(苦笑)」
――空手の型には自信があるけど、野球の肩には自信がない、と。……すみません。
「アハハハ、僕はそういうの好きです」
――ありがとうございます(笑)。
「野球はどちらかといえばバッティングがメインで、クリーンナップで打っていました。そでどうしても高校野球をやりたいという熱が高まって、推薦をもらって高校に入ったあとは空手から離れたんです。道場を辞めたわけではなく、3年間だけ休会させてもらいました。
でもやはり高校野球はレベルが高く、自分はプロを目指すレベルではないと気づいて。それで野球を引退したあとに一時期、空手に復帰していたんです。同じ時期に、獅庵さんに連絡してanneにも通っていました」
――えっ。一度、空手に復帰していたのですか。
「ちょっとだけ空手に心残りがあって――全日本大会で優勝したい、その心残りがあって。最後に一度だけ出場し、優勝はできなかったけどベスト4に入って空手は引退しました」
相手の情報を得てから、ある程度『ここで行けば当たるだろう』という確信を持てた時に打つ
――そんななかMMAを始めようと思ったのは、何がキッカケだったのでしょうか。
「高校時代にRIZINを見て、朝倉未来選手のファンになり、MMAを始めたいと思いました。やっぱり空手の浪漫って、何でもありのなかでデカいヤツを倒すことじゃないですか。だから自分もMMAをやりたい。そう空手の先生に相談したら『頑張れ!』と言ってくださって」
――年齢を考えると意外すぎるほど、空手バカ一代の度合いが強いですね。
「そうですね(笑)。それでまず僕の中学時代の後輩が獅庵(anne代表)さんの弟子だったんです。それと母が通っているネイリストさんが獅庵さんの大ファンで『俊希君、MMAをやるなら絶対にこのジムに行ってみて』と。それがちょうどanneが出来た頃で。他もいろいろと見て回ろうと思っていましたけど、まずこのジムを見学して即決しました」
――それだけ長くフルコン空手をやっていると、その動きが身体に染みついているかと思います。改めてMMAにシフトチェンジしようとすると……。
「最初はボッコボコにされて、面喰いました。でも意外と1年経たんぐらいで、徐々にアジャストしていって。獅庵さんが伝統派空手出身で、そのスタイルを教えてもらったらハマり、新極真空手の癖もマッチしましたね」
――ここ最近の試合では右で倒すか、右を起点した次のパンチで倒す。あのスタイルは、いつ頃から磨き上げたものなのでしょうか。
「おおまかに言ったら、デビュー当初からあまり変わっていないと思うんですよ。でも一回負けた(※2024年12月、大搗汰晟にKO負け)あとにガラッと変わった気はします。特に直樹戦で覚醒したような感覚がありました。
細かいことは言えないですけど――イメージで言えば、序盤に自分の武器は見せず一発目で当てる。ここ3試合ぐらいは自分の感覚に全任せして……考えてはいるんですけど、あとで『なぜこの時にワンツーを出したの?』とか訊かれても説明できないというか」
――フィニッシュとなっているパンチは、最初で最後のパンチのつもりで打っているのか。あるいはたまたま最初の一発が当たっているのか。
「後者のほうが近いですね。しっかりと5分3Rキツイ展開を戦うつもりで試合に臨み、最初は自分の武器を見せずに進めて、最初の一発が当たるというイメージです」
――ただ、右のオーバーハンドを打つ時に大きく頭を下げています。その状態では相手も何かを合わせてくるでしょう。その体勢で打っていくことは怖くないですか。
「……ないですね。まず序盤である程度、相手の情報を得てから、ある程度『ここで行けば当たるだろう』という確信を持てた時に打つんですよ。だから怖さはないです」
――その確信を持つことができるのは、試合が始まってからいつ頃のタイミングで?
「だいたい1分から1分半ぐらいですかね。感覚の部分なので、言語化は難しいです。ただ自分の場合は手を出していないように見えて、他の箇所はいろいろ動かしています。それに対する相手の反応を見て分析するので」
――では、もしその一撃を外した時は?
「そこからまた分析を始めます。分析のために『ここで一発出しておくか』とパンチを出しておくこともありますし。瀧口戦(※2025年6月、瀧口脩生にKO勝ち)は、最初は距離感が合っていなくて、そこから修正して倒すことができました」
――その距離を分析のためにも、強いローやカーフは武器になるかと思います。そのローやカーフが強烈なのもフルコン空手の良さを残しているといいますか。
「そうですね。ベースは新極真、スタイルは伝統派空手という感じになっていますね。どちらも良いところ、自分に合うものを吸収していっています」
高橋選手にしてみれば、やられて嫌なのはグラウンドじゃなくて立ち技やと思う
――次の試合で対戦する高橋選手は、これまで三井選手が戦ってきた相手とはタイプが違います。どのような印象を持っていますか。
「ここ4戦ぐらいは相手がサウスポーですよね。高橋選手はあまりサウスポーが得意じゃないイメージがあります。それで僕はオーソドックスということもあって……ONEでバリバリやっていた頃の高橋選手が来るんじゃないかと思っています。きっとどんどんカーフも飛んでくるでしょうし」
――もう一つ、グラウンドに対する自信はいかがですか。最近の試合はスタンドで倒すことが多いので、あまりグラウンドの展開を見せていません。
「見せていないだけで、自信はあります。直樹戦も黒井海成戦も、寝技の必殺技も用意していたんですよ(笑)。でも立ち技で倒したほうがカッコいいので」
――必殺技! それはいつか見ることができる日が楽しみです。
「ただ次の試合は――高橋選手にしてみれば、やられて嫌なのはグラウンドじゃなくて立ち技やと思うので。僕は相手が嫌がることを選択します」
――高橋に勝てば一気にベルト挑戦も見えてくるでしょう。
「先日のフェザー級暫定王座決定戦は、やっぱり水野選手が強かったですね。いつか戦うと思って、分析はしています。できれば今年中にDEEPのベルトを巻きたいです。大学生のうちにDEEPのチャンピオンになるのは新しいことだと思うので、大学生活の成果の一つとしてベルトが欲しいですね」
■視聴方法(予定)
5月24日(日)
午後12時05分~U-NEXT、DEEP/DEEP JEWELS YouTubeチャンネル メンバーシップ
■DEEP Tokyo Impact2026#03 対戦カード
<フェザー級/5分3R>
高橋遼伍(日本)
三井俊希(日本)
<バンタム級/5分3R>
中島太一(日本)
日比野”エビ中”純也(日本)
<メガトン級/5分3R>
長谷川賢(日本)
ブラックタイガー(日本)
<フェザー級/5分2R>
カンジ(日本)
KINNO(日本)
<フェザー級/5分2R>
鬼山斑猫(日本)
菊川イサム(日本)
<バンタム級/5分2R>
黒岡裕真(日本)
笹崎健司(日本)
<バンタム級/5分2R>
坂本岳(日本)
ハム・ギワン(韓国)
<フライ級/5分2R>
仁井田右楽(日本)
廣瀬裕斗(日本)
<60キロ契約/5分2R>
渡邉龍太郎(日本)
キンジ(日本)
<フェザー級/5分2R>
ガブリエル(ブラジル)
尚太郎(日本)
<アマチュア ウェルター級/3分2R>
TAKUMA(日本)
猿丸凛太朗(日本)
<アマチュア フライ級 3分2R>
菊間瑛太(日本)
小嵐翔真(日本)



















