【ONE FN04】生粋のMMAフィニッシャー=クリスチャン・リーが体力&根性勝負でアバソフ下し二階級制覇
<ONE世界ウェルター級(※83.9キロ)選手権試合/5分5R>
クリスチャン・リー(米国)
Def.4R4分20秒by TKO
キャムラン・アバソフ(キルギス)
計量失敗で、ベルトを剥奪されたアバソフ。クリスチャンが勝った場合のみ、新王者が誕生する変則レギュレーションが用いられる。フレームがライト級の時と明らかに違うクリスチャンに対し、アバソフが左ミドルからワンツーを連続で振るっていく。一旦、間合いを取り直したクリスチャンが右ストレートを伸ばすが、アバソフが右を当ててボディを打ち込む。打撃戦のなかで組んだクリスチャンは、ケージに押し込まれる。首相撲から離れたアバソフだが、直後にクリスチャンがパンチにテイクダウンを合わせる。
マウント狙いにスイープを仕掛け、ヒザを受けそうになりながらアバソフが上をとりにいく。離れて立ったクリスチャンがワンツーを入れ、左ジャブを当てる。動きが落ちたアバソフは、右からハイキックに下がる。ここで踏み込んだクリスチャンが、右を被弾して腰から落ちる。シングルに出て殴られ、ヒザを受けそうになりながら立ち上がったクリスチャンだが、アッパーから右フックを連続で被弾し危ない場面が続く。
頭が下がり左右のフックを受けたクリスチャンは、そのまま右を被弾して腰が落ちる。さらに右アッパーを決めたアバソフはダブルレッグにギロチンを仕掛ける。ケージに押し込み、一旦息を整えたクリスチャンは小外掛けでテイクダウンを決める。すかさずマウントに移行したクリスチャンはダメージこそ受けているが、サバイブしたことことで逆転の目は大いにある。
2R、右ロー蹴ったクリスチャン。左ジャブを伸ばし、アバソフが左ボディを打っていく。右から左ハイ、右を振って連打からボディロックのクリスチャンは、ここでも小外掛けを決めてマウントへ。右のパンチ、左のエルボーから右エルボーを連打したクリスチャンに対し、アバソフがケージキックから足関節を狙う。ここで両者スタンドに戻ると、クリスチャンが右ローを蹴る。
互いに疲弊し、ダメージもあるなかで自分から動くのはクリスチャンだ。右ストレートから左ヒザをボディに入れ、ショートのコンビを見舞って左ボディを決める。アバソフも前に出てシングルレッグでテイクダウンを狙いつつ、際で右を打っていく。すかさす組んだクリスチャンは、エルボーを見せて離れる。腰に手をやったアバソフ、クリスチャンの右ローで体の軸が乱れる。クリスチャンの右オーバーハンド、アバソフがボディフックを入れる。左フックにダブルレッグのアバソフは、テイクダウンは奪えないが動き回復している。
クリスチャンは足払い、倒れなかったアバソフがジャブの相打ちに。ハワイアンゾンビとロシアンゾンビの戦いは既に消耗戦、根性勝負に入った。
インターバル中にONEと契約したKSWウェルター級王者ロベルト・ソディッチの顔が抜かれ、試合は3Rに。互いにワンツーを見せ、左フックを合わせようとする。蹴りを交えたクリスチャンが、スーパーマンパンチからロー、アバソフも左を返す。クリスチャンは左右のミドル。その右ミドルを掴んだアバソフが右フックを振るう。続くクリンチの局面で、両ワキを差されたアバソフが崩しを狙う。離れたクリスチャンは跳びヒザを見せて、ダブルレッグへ。ケージに背にしているアバソフはギロチンも、クリスチャンが頭を抜いて距離を取り直す。
動きが止まった両者、口が開き肩で息をするなかで残り90秒に。クリスチャンがワンツー、アバソフが右を返しボディアッパーへ。さらに右フックを当てそうになったアバソフは左の相打ちを経て、右を打たれる。それでもパンチを返すアバソフがダブルレッグへ。バランスを崩したクリスチャンだが、ケージを背負って耐えて時間に。
4R、左ジャブを伸ばすクリスチャン。アバソフが右を振るう。ワンツーで右をクリスチャンが当てるが、テイクダウンは決まらない。ならばとヒザを入れたクリスチャンだが、組みを続けるスタミナは残っていないようだ。こうなるとタイミング勝負となり、思考のクリアさが必要になってくる。とクリスチャンが右を2発当て、パンチを纏めにいく。ハイをガードしたアバソフはシングルも、クリスチャンが足を取らせない。ここでクリスチャンが腹に前蹴りを入れ、右カーフを効かせる。
体がよれたアバソフに右カーフを連続で蹴り込むクリスチャン。さらにワンツーを入れ、ヒザをボディに突き刺す。動きが完全に止まったアバソフに対し、クリスチャンが右ヒジを連打する。残り70秒、ダブルレッグからテイクダウンを決めたクリスチャンがマウントを取ってエルボーを連打する。下から押し返そうとするアバソフだが、クリスチャンはマウントをキープして左右のパウンドを続ける。
ついにハーブ・ディーンが試合を止め、クリスチャンがウェルター級新チャンピオンの座に就いた。ライト級に続き、ウェルター級王座を手にしたクリスチャンが心身ともに削られるなかで、スッとテイクダウンを決めてマウント奪取&エルボー、まさに生まれながらのMMAフィニッシャーぶりを見せつけた。