この星の格闘技を追いかける

【DEEP JEWELS38】村上彩と再戦、須田萌里─02─「勝ったら、また大島選手に挑戦できますか?」

【写真】須田の右に立つ金髪の男性がスダコンガこと父・智行、取材当日が41歳の誕生日だった。左は中学1年生の弟、雄律(ゆうり)で、JBJJF全日本キッズ選手権やアマ修斗ジュニア選手権で優勝している。すでに将来のプロデビューについてお声が掛かっているという話も……(C)SHOJIRO KAMEIKE

11日(日)、東京都港区のニューピアホールで開催されるDEEP JEWELS38のメインで、村上彩と対戦する須田萌里のインタビュー後編。
Text by Shojro Kameike

父・智行さんと共に歩む18歳の格闘技人生――目標であったチャンピオンとの対戦、そして敗北を経て、須田萌里はどのように成長してきたのか。デビュー戦で敗れた村上とのリベンジマッチへの意気込みを語る。

<須田萌里インタビューPart.01はコチラから>


スコーピオンジムでは毎週土日に女子練習会が行われているという。この日は、7月にケイト・ロータスを下したARAMIが来ていた。

――こちらのスコーピオンジム千里では、女子ファイターが集まって練習会を行っているそうですね。

「平日は私も学校があって、土日に集まれる人が集まって練習しているという感じです」

智行 それほど人数は多くないです。東京に比べると、やっぱり女子選手は少ないですからね。来てくれているメンバーは、毎週来てくれるのがスモーカージムの栗山葵選手。それからサダエ・マヌーフさんが来てくれたり。今日はARAMI選手が来てくれます(※取材は9月3日の土曜日に行われた)。

「一緒に練習したり、試合に出たりすると、やっぱり気持ちも変わってきます。練習会を始めて2年ぐらいなんですけど、お父さんと練習していても体重差があるので、実際に女子の選手と対戦するイメージが掴めないこともあって。やっぱり組んだ感覚も違いますし」

智行 試合のたびに東京へ行って補うよりは、せっかく関西でも女子選手が増えてきたので一緒にやってみたらどうかと。それで声をかけていったら、皆さん集まってくれるようになったんです。

――それまではずっと、お父さんとの練習だけだったのですか。

「お父さんと弟(雄律、中学1年生)、それと会員さんとの練習ですね。柔術道場なのでプロのMMAファイターを目指している人はいないんですけど、寝技は強い方と練習できていました」

――プロデビューから2連敗して、このままでは無理かな……と思ったりしなかったですか。

「それは思いました。MMAは辞めたほうがいいんかな、とか。でも、いろんな人が応援してくれていて、やっぱり続けようと思ったんです。2連敗したあと、自分から攻めていくことを考えるようになりました」

智行 この子が負けたわけじゃない。セコンドのミスで負けたんやと、僕は思っていました。MMAは自分の得意なところで戦った者が勝てる。この子は柔術をやってきたから、どうやって寝技に持ち込むか、ですよね。3戦目からは打撃のほうが得意な選手との対戦が多かったので、まず相手の打撃を潰す方法を練習してきました。自分がこのポジションにいたら相手は打撃を出せない、とかを徹底的に練習して。それを実践できたから、自分の得意なパターンに持ち込めて連勝に繋がったんやと思います。

「連勝することができて、だんだん自信もついてきました。MMAをやることも楽しくなってきて(笑)。学校の友達も応援してくれて、試合も見に来てくれたりとか」

――結果、「高校生の間にチャンピオンと戦うレベルまで行きたい」という、MMAを始めた頃の目標は達成されました。今年5月、大島沙緒里選手と対戦し、1Rにキムラの形に入ってレフェリーストップとなりましたが……。

「あの試合は緊張が凄くて、体が動きませんでした(苦笑)。東京で一緒に練習させてもらっていた選手が大島選手に負けていて、私が頑張らなアカンって焦りがあったんです。それで試合中、前蹴りを出すタイミングが早すぎて。あれで崩れてしまったかなと思います。試合後には、お父さんから『あの前蹴りで相手はスイッチが入ったな』と言われました。先にもっとコツコツと打撃で削らんとアカンかったよ、って」

智行 展開が早すぎましたね。最初から寝技に行くのは危険で、削ってから寝技に行くなら何とかなるんじゃないかと。でも前蹴りを出したところでテイクダウンされて……やっぱり大島選手は強かったです。

「タップしていないんですけど、自分は動けない状態やったから、止めてくれて良かったです。怪我しなかったことでRIZINにも出られたし、今回も試合をすることができるので。今はもう1回挑戦したいし、自分も大島選手のポジションになりたいと思いました」

――大島選手ともう一度対戦したいという気持ちと同じように、デビュー戦で敗れた村上選手と再戦したいという気持ちはありましたか。

「そういう気持ちはなかったし、再戦があるとは思っていなかったです。村上選手は階級を落としていたので、もう対戦することはないのかなって。ただ、4戦4勝――しかも3試合連続で一本勝ちしている相手に私が勝ったら、また大島さんへの挑戦に近づけるのかな、と思っています。DEEPジュエルスのチャンピオンになることが目標なので」

――DEEPジュエルスのベルトを巻いた先のことは考えているのでしょうか。

「いえ、まだそこまでは考えられないです。チャンピオンが強すぎるから(苦笑)。……次の試合に勝ったら、また大島選手に挑戦できますか?」

――プロモーターサイドの考えは分かりませんが、先ほど須田選手ご自身が仰ったように、再挑戦へ大きく近づくとは思います。

智行 大島選手とは試合をしたばかりなので、年内はないかもしれないですね。ここで勝てば、次はセミ(桐生祐子×HIME)の勝者と対戦するのかな。本野(美樹)さんも49kgに落としてきたから、対戦する可能性はあるとは思っています」

――なるほど。では再戦となる村上彩選手との試合に向けて、ご自身はデビュー戦と比べて最も成長した部分は何でしょうか。

「全部です。その中でも試合の組み立て方とか、いろいろ考えながら、頭を使って戦えるようになったことだと思います」

――一方、村上選手は何が変わってきていますか。

「前よりも寝技主体になってきましたよね。初めて対戦した時は、まだ打撃にも付き合ってくれていたじゃないですか。今は最初から寝技に行きたい、っていう感じで。今回は私が全ての場面で圧倒したいです。私も2年前よりは寝技も成長していますから」

■視聴方法(予定)
9月11日(日)
午前11時50分~SPWN PPV
午前11時50分~ニコニコ生放送

■ 対戦カード

<アトム級/5分3R>
村上彩(日本)
須田萌里(日本)

<49キロ契約/5分2R>
桐生祐子(日本)
HIME(日本)

<ミクロ級/5分2R>
古瀬美月(日本)
山崎桃子(日本)

<50キロ契約/5分2R>
ケイト・ロータス(日本)
サダエ・マヌーフ(日本)

<ミクロ級/5分2R>
古瀬美月(日本)
竹林愛留(日本)

<ストロー級/5分2R>
長野美香(日本)
井上智子(日本)

<59キロ契約/5分2R>
栗山葵(日本)
Te-a(日本)

<ミクロ級/5分2R>
ちびさい KYOKA(日本)
ジャカ季美香(日本)

PR
PR

関連記事

Movie