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【Pancrase329】パラ千葉のフライ級ファイター達=鶴屋怜─02─「UFCは本戦から出たいと思っています」

【写真】インタビューの受け答えもデビュー直後とは違い、しっかりとできるようになってきた!! (C)MMAPLANET

11日(日)、東京都立川市の立川ステージガーデンで開催されるPancrase329。同大会で上田将竜と対戦する鶴屋怜インタビュー後編。

UFCを目指し、UFCに頂点に立つことだけを考える鶴屋。パンクラス王座のも、その前哨戦の今回の試合も、全てはUFCで戦うための通過点でしかない。とはいってもデビューから1年半、キャリア5戦目。大いなる目標に向かい、現実と向き合う20歳はこの夏にラスベガスでの出稽古を経験した。

パラエストラ千葉ネットにフライ級ファイター特集──ひと夏の経験で、何を感じたのか。そして、今やるべきことをどのように考えているのかを鶴屋怜に尋ねた。

<鶴屋怜インタビューPart.01はコチラから>


──逆に「コイツ、ヤバいな」と思った選手はいましたか。

「いました(笑)。一番強かったのは階級が一つ上なんですけど、パッチー・ミックスですね(苦笑)。さすが堀口さんに勝つだけのことはあるなって。バックを取られて、ずっと殴られて続けました。ホント、絞めてくれなくてパンチを入れ続けるんです(苦笑)。それでも向うが油断している時は結構入ることができたんで、通用する部分もあるとは感じています。凄く良い経験になりました。

あとアルジャメイン・ステーリングとスパーリングできなかったのは、残念でした。スパーリングの日じゃない時に、彼がジムに来たのでスパーはできなかったです。ただ、僕が想ったのは名前を知らない選手、日本で知られていない選手が強い。カレッジでレスリングをやっていたような選手で、プロでは1試合しかしてない奴がいて。『まだMMAは1戦しか経験していないんだ』っていう頭で練習すると、メチャクチャ強くて。名前も知らないし、MMAの経験がないのに強いヤツがいる。そこなんじゃないかと。

自分よりレスリングが強いので、なかなかテイクダウンができない。テイクダウン争いで取れることがあっても、取られることが多い。結果、自分の強いところで負けて。レスリングの相性もあったかと思いますけど」

──そういう選手がいることが、米国の真実なのですね。きっとゴロゴロいるから、層がとんでもなく厚くなっている。

「そういう風に名前が無くても強い選手がいるから、皆が何かに特化しているのではなく、バランスの良い選手になっていくのかと思いました。バランスが取れた選手が多いです。僕はレスリングで向うが上回ると、そこを返せないことがありました。だから、自分ももっと打撃を強化しないといけないと思いました」

──帰国してから1カ月少しで、次の試合がある。そういう状況でラスベガスで経験したことを何か千葉の練習に採り入れたということはありますか。

「スパーリングで自分のやることを変えました。以前はテイクダウンをして、コントロールすることを軸にスパーをやっていたのですが、どの選手と戦ってもテイクダウンに頼らないようにしています。

そこまでの打撃を使う時間を増やすというか。テイクダウンからコントロールは、グラップリングのスパーで存分にできるので。MMAのスパーリングの時は、なるべく自分から組まないようにしています。結果、打撃が多くなっていますね」

──そこを経て、上田選手との一戦。どのような試合をしたいと思っていますか。

「相手はウェルラウンダーで全部できる選手です。自分はまだテイクダウン後の戦い方も完成していないけど、それでも全体的にできることを見せたいです。もしかしたら3Rを戦い切ることになるかもしれないので、そこで粘り強さを見せることがデキれば良いなと思っています」

──タイトル戦のことは意識していますか。

「タイトルマッチは……勝てば12月にやらせてもらいたいです」

──ラスベガスというUFCのホームに滞在したことで、よりUFCを意識するようになったということはありませんか。

「自分、向うでコンテンダーシリーズを観に行ったんですよ。フライ級の試合も見て。その時に感じたのは、『こいつらに俺、絶対に勝てるな』ってことでした」

──アハハハハ。やはり、そうなりますか。

「あれでUFCと契約できるなら……UFCに出たいという気持ちはより強くなりました」

──以前は今、UFCに行っても勝ち続けることができない。だから、力をつけてから進みたいということも言っていました。その辺りの心境に変化がありますか。

「UFCに行くとしても最低でも半年はあると思います。まだ時間はあるので、パンクラスのタイトルを取ってからも、しっかりと自分の足りないところを磨いてUFCで通じるようにしていきます」

──何か日本で経験しておきたいということはないですか。向うに行く前に国際戦とか。

「そうですね、できればコンテンダーシリーズとかRoad to UFC経由でなく、いきなり本戦で戦いたいので、その前に外国人選手と日本で試合をするのも良いですね。パンクラスでできれば良いですけど、それが難しいなら海外で試合をするのもありだと思います。

正直、今はパンクラスのチャンピオンになることまでしか考えていなくて。それがあと2試合なのか。今のところ、全試合でフィニッシュしているので、次の試合とタイトル戦もフィニッシュ勝利を続けて──それから先は、まだ考え中です。パンクラスで外国人選手とやっても良いし、海外で試合をしても良い。とにかくUFCの本戦で戦えるよう仕上げていきたいです」

(C)MATSUNAO KOKUBO

──ところでお兄さんの健人選手が8月にNEXUSでプロMMAデビューを飾りました。刺激になっていますか。

「お兄ちゃんは打撃に特化していて、自分に足りないところを持っています。そこは兄弟で足りない部分を補いあって、トレーニングしていきたいです。ただ単にボクシングを採り入れるのではなくて、MMAの打撃として補っていきたいです」

──負けるかって言うライバル心は?

「もちろん良い刺激になっているけど、ライバル心は今のところはないです(笑)。階級も違うし、そこは僕の方がプロMMAを1年半以上やってきたので。お兄ちゃんがどこを目指しているのか、僕は分からないけど──2人でチャンピオンになれれば良いなぁという感じです。兄弟でチャンピオンって、余りないのでそういうのも良いかなって(笑)」

──では改めて、上田選手との試合に向けて意気込みのほどをお願いします。

「上田選手はベテランで何でもできます。強い選手なので、その上田選手を相手に自分も全部ができること。そして何度も言っていますけど、3Rになっても粘り強さで負けないというところを見せていければと思います」

■視聴方法(予定)
2022年9月11日(日)
午後2時45分~ PANCRASE YouTube メンバーシップ
午後3時00分~ ABEMA PPV ONLINE LIVE
午後3時00分~ U-NEXT

■ 対戦カード

<暫定ライト級王座決定戦/5分5R>
松本光史(日本)
アキラ(日本)

<フライ級/5分3R>
上田将竜(日本)
鶴屋怜(日本)

<女子ストロー級/5分3R>
KAREN(日本)
宝珠山桃花(日本)

<ライト級/5分3R>
雑賀ヤン坊達也(日本)
松岡嵩志(日本)

<女子ストロー級/5分3R>
藤野恵実(日本)
ソン・ヘユン(韓国)

<バンタム級/5分3R>
井村塁(日本)
平田丈二(日本)

<バンタム級/5分3R>
TSUNE(日本)
平岡将英(日本)

<ウェルター級/5分3R>
中村勇太(日本)
林源平(日本)

<ストロー級/5分3R>
宮澤雄大(日本)
若林耕平(韓国)

<ウェルター級/5分3R>
髙橋攻誠(日本)
押忍マン洸太(日本)

<フライ級/5分3R>
荻窪祐輔(日本)
萩原幸太郎(日本)

<女子アトム級/5分3R>
沙弥子(日本)
原田よき(日本)

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