【UAEW32】ルサンド・ビコの第2次世界進出計画スタート。その地は中東=UAE Warriorsから
【写真】ボカン追いつき、追い越せ。ビコの世界挑戦第2章が始まる (C)KEISUKE TAKAZAWA
16日(金・現地時間)、UAEはアブダビのエティハド・アリーナで開催されるUAE Warrios32「Africa」にパンクラスに来日経験のあるルサンド・ビコが出場し、ムヒディン・アブバカーと対戦する。
2019年12月、南アフリカから世界進出を目指しパンクラスに来日を果たしたビコ。秋葉太樹を完全ドミネイトし、2020年4月に2度目の来日&小川徹が決まっていたもののコロナが世界を襲い、来日が途絶えていた。そのビコの第二次世界進出は中東経由となった。
英連邦柔道選手権優勝、アフリカンカップは5位、アフリカ選手権で7位の戦績を残しているビコは、WFC Worldwideから世界を目指しパンクラスをその足掛かりの場に定めた。
南アフリカの軽量級といえばボカン・マスンヤネの印象が強いが、ビコは公称でボカンより3センチ低く上背は152センチしかない。その背の低さで担ぎ技ばかりか、相手に深く飛び込んだダブルレッグからのコントロール&パウンドが主武器となっている。
ボカンは早々にONEという舞台を選択したが、ビコはコロナで海外進出を阻まれるとEFCに戻り、フライ級戦線で活躍するように。昨年9月に、かつて扇久保博正とTUFで戦ったンカジムロ・ズルとベルトを争うも、体重オーバーの相手にギロチンで敗れ王座預かりに。
3カ月後にビコはズルを右オーバーハンドからパウンドアウトし因縁に終止符を打つと、この8月にはマンゴ・アウベスを相手に初防衛に成功。再び喜望峰回りで世界を目指すことに。
そして選んだ地は残念ながらパンクラスではなく、中東のUAEWだった。UAEWは現在、国際的な舞台としてのUAEWのベルト、そしてアラビア王座とアフリカ王座を認定しているがフライ級は全て空位だ。
ビコにとって大切な初陣で戦うアブバカーはプロでは3勝0敗だが、アマMMAで12勝2敗のレコードを持つグラップラーだ。テイクダウンからコントロール、バック奪取でRNCという戦いもできるか、強味は下からの仕掛けにある。
腰を切っての腕十字、三角、オモプラッタの連携にスクランブルを合わせたスタイルは、ビコのテイクダウン後にハマれば秒殺も有り得る。だからこそ中東経由で世界に跳び立ちたいビコにとっては負けられない相手。潰して削って、フィニッシュすることが、ビコの将来に繋がる勝ち方といえよう。