【UFC313】「鶴屋怜は退屈な試合をしたがる。俺がエキサイティングな試合にする」ジョシュア・ヴァン
【写真】気の強い者同士の対戦、どうなる?!(C)MMAPLANET
8日(土・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのTモバイルアリーナで開催されるUFC 313「Pereira vs. Ankalaev」でジョシュア・ヴァンが鶴屋怜と対戦する。
Text by Manabu Takashima
打撃で真っ向勝負するブルーノ・シウバと対戦予定だったヴァンだが、シウバの欠場を受け鶴屋との試合が決まった。ミャンマーのキリスト教徒として厳しい状況下にあったヴァンの両親は彼を連れて国を離れ、マレーシアの難民キャプで数年の時を過ごし2013年から米国テキサス州に移り住んだ。タフな幼少期がファイトに目覚めたヴァンの骨幹をなしている。
好戦的かつ気持ちの強さは、ヴァンの最大の武器だ。鶴屋戦を前に、余裕のある表情を見せた彼からは「グラウンドゲームになることはない」という言葉が聞かれた。
レイを相手にして、ファンが楽しめる試合ができるのか。凄く楽しみだよ
――昨年、アジアの新鋭という感じでジョシュアのインタビューをさせてもったのですが、今回は同じアジアのヤング・プロスペクトである鶴屋選手との対戦となりました。
「レイとの試合は、持っているものを出し合える最高のマッチアップだ。自分を試すことになるので、凄く楽しみだよ」
──もともとはブルーノ・シウバと対戦予定でした。かなりファイトスタイルは違いますが、その辺り調整面で戸惑いはなかったでしょうか。
「ブルーノ・シウバ戦が流れたことは、気にしなかった。だって、去年の7月にインタビューしてもらった時は4試合連続で試合がキャンセルされたあとだったんだよ。もう、こういうことには慣れっこになった(笑)。何も驚かないし、残念にも感じない。焦ることもないよ。逆に試合が流れるのではなくて、対戦相手が見つかったことがハッピーだと感じている。
レイはまだUFCで2戦目だけど、そこを気にすることもなかった。ファイトはファイトだ。確かにブルーノとレイの戦い方は違う。ただ前回戦ったコディ・ダーデンもグラウンドファイターだったしね。レイと戦うのに特別な準備は必要ない。これまでやったきたことを生かせれば、問題なく戦うことができる」
──ブルーノ・シウバは立ち技で真っ向から打ち合うファイターでした。対して鶴屋選手はなるべく殴り合いをせずに組みに行くスタイルで戦ってきました。
「ブルーノとレイは全く違うファイターだよ。ただ、レイと戦う方がエキサイティングだ。ブルーノ・シウバと戦うより、楽しみなんだ。僕はいつだってエキサイティングな試合がしたいと思っているからね」
──えっ、そうなのですか。組んでくるのを切って、殴る。殴り合い上等のファイターより、ジョシュアにとってはストレスのたまる戦いづらい相手かと思っていました。
「レイの戦い方に付き合わされると、エキサイティングな試合にはならない。だから、俺がエキサイティングな戦いにするんだ。それが楽しみでならないんだよ。分かるだろ? 彼は退屈な試合をしたがる。レイを相手にして、ファンが楽しめる試合ができるのか。凄く楽しみだよ」
テイクダウンとグラウンドワークは、凄く良いよ。まぁ、それだけかな
──つまりは鶴屋選手に彼のゲームをさせないということですね。
「その通りだ。彼の狙いであるグラウンドゲームに持ち込ませない。まず、そこができるかだよ。レイが自分のやりたいように試合を進めることは無理だろう。あのテイクダウンとグラウンドワークは、凄く良いよ。まぁ、それだけかな。彼が良いファイターであることは間違いないけど(笑)」
──鶴屋選手のようにUFCとサインした選手で、ここまで打撃を見せないでやってきた選手も今では珍しいと思います。
「過去2試合しかチェックしていないけど、そうなんだね(笑)。ただ、その2試合は試合を終わらせていない。良いレスラーで、何とかフィニッシュさせようとしていたけどきなかった。ただ寝技では打撃を使っていたよ。とにかく自分の強い面で戦おうとするファイターだ。僕は相手をハメこむんじゃなくて、どんな局面になっても戦えるように準備をしている。パンチャーだろうが、レスラーだろうが。どの局面でも戦える」
──テイクダウンを奪われたとして、そこからの選択はスクランブルでしょうか。それとも寝技で対抗しますか。
「試合になってからだね。いや、その局面になってから最善の手を打つ。ただ、グラウンドゲームになることはないんじゃないかな(笑)。まずはソコからだ。ファイキャンプもしっかりと終えているし、準備はできている」
──俄かにフライ級が盛り上がっていて、ジョシュアがここから上に行くのに大切な試合になるかと思います。
「メ~ン、フライ級は変わったよ。それはライト級、フェザー級、バンタム級と同じ。まずスタートし、階級が充実してくると戦いも激しくなる。今、フライ級でソレが起こっているんだ。才能豊かなファイターが集まり、若い選手が増えている。そんなフライ級で戦えるんだから、楽しくてしょうがない。
打撃だろうが、寝技であろうが自分のやるべきことをやる。僕のゲームをするだけだ。インタビューの最初にあったように僕らはアジアの若い選手を代表して戦っている。今回は日本のファンにとって大切なファイターと試合をすることになったけど、引き続き皆にはアジア人ファイターを応援してほしい。皆が満足いく、試合を僕らは戦うから」
■視聴方法(予定)
3月9日(日・日本時間)
午前8時30分~UFC FIGHT PASS
午後12時~PPV
午前7時30分~U-NEXT
■UFC313対戦カード
<UFC世界ライトヘビー級選手権試合/5分5R>
[王者]アレックス・ペレイラ(ブラジル)
[挑戦者] マゴメド・アンカラエフ(ロシア)
<ライト級/5分3R>
ジャスティン・ゲイジー(米国)
ラファエル・フジエフ(アゼルバイジャン)
<ライト級/5分3R>
ジャスティン・ターナー(米国)
イグナシオ・ナシメント(チリ)
<女子ストロー級/5分3R>
アマンダ・レモス(ブラジル)
イアズミン・ルシンド(ブラジル)
<ライト級/5分3R>
キング・グリーン(米国)
マウリシオ・ルフィー(ブラジル)
<ヘビー級/5分3R>
カーティス・ブレイズ(米国)
リズワン・クニエフ(ロシア)
<フライ級/5分3R>
鶴屋怜(日本)
ジョシュア・ヴァン(ミャンマー)
<ミドル級/5分3R>
ブルーノ・フェレイラ(ブラジル)
アルメン・ペトロシアン(アルメニア)
<ウェルター級/5分3R>
アレックス・モロノ(米国)
カルロス・レアル(ブラジル)
<フェザー級/5分3R>
マイロン・サントス(ブラジル)
フランシス・マーシャル(米国)
<バンタム級/5分3R>
クリス・グティエレス(米国)
ジョン・カスタネダ(米国)
<ミドル級/5分3R>
オジー・ディアス(米国)
ジジョルデン・サントス(ブラジル)