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【KNOCK OUT65】大雅とUNLIMITED戦。福永輝「KIDさんから『君は気持ちが良いね。強くなるよ』と」

【写真】強い拳と気持ちを持つファイター、福永輝(C)SHOJIRO KAMEIKE

21日(日)、東京都渋谷区の国立代々木競技場第二体育館で開催されるKNOCK OUT65「THE KNOCK OUT 2026」で、福永輝が大雅とUNLIMITEDルールで対戦する。
Text by Shojiro Kameike

今年4月、KNOCK OUT沖縄大会で中村悠磨をKOした福永に対し、「最もUNLIMITEDルール向きのファイターの一人」という声が上がった。福永のベースはボクシング。2018年2月に地元沖縄からプロデビューし、西部日本のフェザー級新人王を獲得している。プロボクシングでは10勝(7KO)4敗の成績を残したが2023年に引退。その後、プロMMAファイターを目指すなかで、UNLIMITEDルールに挑戦しているという。なぜボクシングを離れMMAを目指すのか――そこには憧れていた故・山本KID徳郁さんとの縁があった。


今はUNLIMITEDルールに特化するために、ボクシングとレスリングを重点的に練習しています

――MMAPLANET初登場の福永選手です。現在は沖縄在住なのですか。

「はい、沖縄です」

――キャリアを拝見すると、ボクサー時代に沖縄から静岡のジムに移籍しています。そこでボクシングから離れ、沖縄に戻ったということでしょうか。

「ボクシングを辞めたあとに一度、仕事をしに東京へ行きました。そこで格闘技も――と思ったんですけど、時間がなかったのと、仕事のトラブルもあって沖縄に戻ってきました」

――なるほど。現在の練習環境を教えてください。

「もともとお世話になっていたボクシングジムで週2回ほど練習させてもらっているのと、家の近くにあるレスリングの強い高校で練習に参加しています。あとは自分で山を登ったり、海を泳いだりという感じですね」

――MMAのジムには通っていないのですか。

「MMAに関しては、たまに仲間と集まってスパーリングするぐらいで、ガッツリとやっているわけではないですね。今後やっていかないといけないとは思っていますけど、UNLIMITEDルールは寝技がないので、今はそこに特化するためにボクシングとレスリングを重点的に練習しています」

――最初にボクシングを始めようと思ったキッカケは何だったのでしょうか。

「もともとは山本KID徳郁さんが好きで、MMAをやろうと思っていたんです。最初は17~18歳の頃に地元の先輩から誘われて、地下格闘技に出ていました。本当はMMAをやりたかったけど、家の近くにMMAのジムがなかったんですよね。それで調べてみたら近くにボクシングジムがあったので、ボクシングを始めたという感じです」

――1998年生まれの福永選手が17~18歳の時というのは、2015年ごろですね。そのあと沖縄県でも那覇市だけでなく、他の地域でもジムが出来ていったかと思います。そこでMMAに転向しようとは考えなかったですか。

「考えました。でも『今はボクシングで中途半端な状態だな』と思ったんですよね。

当時、自分はランカーでもないのに、アマチュア出身選手をバンバン倒していました。すると他のジムから警戒されて。A級ライセンスだけどランカーではない。地方ジムでお金や力はない。さらに23の時にコロナ禍があって、8カ月ぐらい試合が組まれなかったり……。試合が決まったかと思ったら、次の試合で日本チャンピオンや東洋太平洋チャンピオンになるような選手と組まれたりとか。

それで『このまま沖縄にいたら、噛ませ犬としてしか試合は組まれないな』と思って、人の紹介で静岡のジムに行くことになったんです。当時はとりあえずボクシングで何かしらのタイトルを獲りたいと思っていました。でも移籍2戦目で体重超過してしまって」

――体重超過は良くないことです。ただ、その頃にはどんどんモチベーションも落ちていたのではないですか。

「完全に落ちていましたね」

僕はKIDさんに憧れて格闘技を始めました。だけど『もういいかな』と思っていた時に……美憂さんからメッセージが来たんですよね

――そこから東京へ?

「そうです。実はトラブルで仕事を続けられなくなったあと、寮のある某ジムに入ったんですよ。でもまた仕事でトラブルがあって、寮費も払えない状態になって。他の寮生にも相談しながら、沖縄に帰ることにしました。だからジムの代表さんには、あまり良く思われていないかもしれないですけど……。沖縄に帰ってきてから1カ月ぐらいは漁師とかしながら、まずは東京時代にできた借金とかを返していきました。そこからまた格闘技をやりたいと思ったんです」

――紆余曲折がありながらも格闘技を続けたい、MMAを続けたいと思ったのは、やはりKIDさんの存在が大きかったのでしょうか。

「大きかったです。実は――KIDさんが亡くなる前、最後にスパーリングしたのが僕なんですよ」

――えっ、どういうことですか。

「KIDさんが亡くなったのが2018年9月で、その年の5月ぐらいにKIDさんが美憂さんと一緒に沖縄のジムへ来たんです。美憂さんが試合を控えていて、そのためのトレーニングということでした。その時、KIDさんは座って美憂さんに指示を出していて。

それで美憂さんが練習している期間に、僕がスパーリングしているのを見てKIDさんが『あぁ、俺もやりたい』と、僕が指名されてスパーリングしたんですよね。その時はもう体調が悪かったらしくて、体も細くなっていたし……1Rやって、1R休んで、また1Rやってという感じでした。そのスパーリングが終わったあと、KIDさんから『君は気持ちが良いね。強くなるよ』と言われたんです。

あの時、KIDさんにそう言ってもらえたから、自分は今も格闘技を続けることができているんだと思っています」

――……。

「今まで格闘技を辞めるタイミングは何度もあったんですよ。『もういいかな』と考えることもありました。でもKIDさんに『強くなる』と言われたので、それだけで戦う気持ちが出て来るというか、『戦わないとダメだ』って思うんです。

僕はKIDさんに憧れて格闘技を始めました。だけど『もういいかな』と思っていた時に……美憂さんからメッセージが来たんですよね。『(KIDが)リングの上で戦ったのは輝が最後だよ』って。そのメッセージを見て、『ここで辞めたら絶対に後悔する。MMAをやろう』という気持ちになりました」

――聞いていて、こちらもグッと胸が熱くなるお話です……。そんななか今年4月、MMAではなくUNLIMITEDルールで戦うこととなりました。

「MMAをやっても、自分はテイクダウンしたら殴りに行くと思うんです。もちろん後々はサブミッションもやっていかないといけないけど、今はその段階ではないというか。まずはこのルールに適応しないとMMAも無理だなと考えていて。自分の中では、今はそういう段階だと思っています」

大雅選手強いです。確かに強いけど……早熟だなと思ったんですよね

――中村戦の印象としては、まずナックルをしっかりと正確に当てる巧さを感じました。ボクシンググローブからMMAグローブに変わると、感覚も違うでしょうし、最近はボクシングでもナックルを正確に当てない選手も多く見られるようになりました。

「多いです、多いです。掌の部分を当てたりしますよね。僕はMMAをやりたかったので、ボクシングを始めて3年間ぐらいは薄いパンチンググローブで練習していました。まず、ほぼすでに近い状態で自分のナックルが当たる感覚を確かめたくて。おかげで『倒すためには、しっかりとナックルを当てないといけない』という感覚が身についたし、今はその経験が生きてきたかなって思います」

――なるほど。もう一つは距離の取り方です。絶妙な前後の出入りから、しっかりと当てる。ボクシングとも異なるUNLIMITEDルールの距離については、どのように考えていますか。

「距離というより、『どういう展開になっても一発当てればいい』と思って戦っていますね」

――というと?

「僕、メチャクチャ拳が硬いんですよ。体自体が骨太で、拳の骨も強くて。MMAグローブって、ほぼ拳に近いじゃないですか。だから当てれば倒れる。パンチ力やフィジカルでは同じ階級なら負けないし。当て勘もあるほうだと思っています。であれば距離にこだわるよりも『今、当たるな』という自分の感覚に頼っていいかな、と。どんな展開になっても、一発で沈めればいい。KIDさんの試合を見ても、そうだったと思うんです」

――そこは理屈よりも、戦ううえで培われてきた感覚ということですね。そして今回、大雅選手と対戦します。大雅選手の印象をお願いします。

「強いです。確かに強いけど……いろんな試合を見ましたけど、早熟だなと思ったんですよね。若い時のほうが強かったな、って。

僕の中では、前回対戦した中村選手のほうがやりづらいと思っています。今、UNLIMITEDルールでやったら中村選手が勝つんじゃないか、と。これは大雅選手が弱いってことじゃなく、中村選手はそれだけ凄く強いファイターだと思うんですよね。自分はその相手を圧倒して勝ったからこそ、大雅選手に負ける気がしないんです」

――おぉっ。

「確かに大雅選手が今までやってきたことは凄いです。K-1でチャンピオンになり、RISEでチャンピオンになったことは本当に凄いです。でもこのタイミングで僕と対戦すると――もちろん、やってみないと分からない部分もありますけど、負ける気はしないんですよね。怖さもないです。左ハイには気をつけないといけない、と思っているぐらいで。ここで勝って、年末にタン・フォンと戦いたいです」

■視聴方法(予定)
6月21日(日・日本時間)
午後12:45~U-NEXT

■KNOCK OUT.65「THE KNOCK OUT 2026」対戦カード

<KNOCK OUT-BLACKスーパーフェザー級(60キロ)王座決定戦/3分3R+ExR>
龍聖(日本)
小森玲哉(日本)

<KNOCK OUT-REDスーパーライト級(65キロ)選手権試合/3分3R>
[王者]デンサヤーム・ウィラサクレック(タイ)
[挑戦者]久井大夢(日本)

<KNOCK OUT-BLACKスーパーバンタム級(55キロ)選手権試合/3分3R>
[王者]森岡悠樹(日本)
[挑戦者]晃貴(日本)

<KNOCK OUT-BLACKウェルター級(67.5キロ)/3分3R>
ユリアン・ポズドニアコフ(ウクライナ)
松岡力(日本)

<KNOCK OUT-BLACKライト級(62.5キロ)/3分3R>
大沢文也(日本)
ニカ・パパヴァ(ジョージア)

<KNOCK OUT-BLACK 61キロ契約/3分3R>
レオナ・ぺタス(日本)
成尾拓輝(日本)

<KNOCK OUT-UNLIMITED 59キロ契約/3分3R>
チュームーシーフー(中国)
有川直毅(日本)

<KNOCK OUT-UNLIMITED 73キロ契約/3分3R>
木村“フィリップ”ミノル(ブラジル)
草MAX(日本)

<KNOCK OUT-UNLIMITED 61.5キロ契約/3分3R>
大雅(日本)
福永輝(日本)

<KNOCK OUT-UNLIMITED女子バンタム級(53.5キロ)/3分3R>
鈴木万李弥(日本)
リュウ・ユエアル(中国)

<KNOCK OUT-UNLIMITED 77キロ契約/3分3R>
宮原穣(日本)
神保克哉(日本)

<KNOCK OUT-BLACKフェザー級(57.5キロ)/3分3R>
古木誠也(日本)
河崎鎧輝(日本)

<KNOCK OUT-REDライト級(62.5キロ)/3分3R>
古村匡平(日本)
木村涼仁(日本)

<KNOCK OUT-BLACKスーパーフェザー級(60キロ)/3分3R>
辰次郎(日本)
宇山京介(日本)

<KNOCK OUT-BLACKフェザー級(57.5キロ)/3分3R>
福田拓海(日本)
雅治(日本)

<KNOCK OUT-REDフェザー級(57.5キロ)/3分3R>
竹内賢一(日本)
茂木豪汰(日本)

<KNOCK OUT-BLACKスーパーフェザー級(60キロ)/3分3R>
祐輝(日本)
荒井幸太郎(日本)

<KNOCK OUT-BLACKバンタム級(53.5キロ)/3分3R>
工藤“red”玲央(日本)
知花優太(日本)

<KNOCK OUT-UNLIMITEDスーパーフェザー級(60キロ)/3分3R>
石渡寛崇(日本)
藁谷兼介(日本)

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