【PFC41】捲土重来、北のMMAでキャリア再構築の一歩。クリス・キルシュ「僕のムエタイを見せたい」
【写真】木曜日に札幌入りしたキルシュは、猛暑の東京と違い20度を下回る札幌で「寒い」を連呼していた (C)MMAPLANET
本日2日(日)、札幌市北区のPODアリーナで開催されるPound 4 Pound Fighting Championship=PFC41にクリス・キルシュが出場し、鈴木淳斗と対戦する。
Text by Takumi Nakamura
タイ在住のドイツ人ファイター=クリス・キルシュは、昨年12月にパンクラスで天弥と戦い、敗れた。キャリア3戦目で日本のライト級トップの一角との試合は、荷が重いことは本人も自覚していた。それでも試合の機会を欲していたキルシュは、日本でMMAファイターとしてキャリアを積もうと自費で来日&トレーニングを行い――今回、札幌で試合をするチャンスを手にした。
ここにもいたファイト・ジャンキー、クリス・キルシュの心境を尋ねた。
なお、この1戦は鈴木の体重オーバーで、ノーコンテストルールで実施されることが決まっている。
――昨年12月にパンクラスで天弥選手と戦い、今回は札幌でPFCに出場、鈴木淳斗選手と戦います。PFCで戦うことになったのは、どのような経緯があったのでしょうか。
「以前から日本に1カ月ほど滞在し、MMAの練習をする予定を立てていたんだ。過去8年、タイに住んでいて1週間以上離れたことがなかった。だから、もっと長く他の国に滞在しようと。その間に練習だけでなく、試合にも出たいと思っていた。知り合いが日本にいる期間中なら、PFCで試合ができるんじゃないかって、コンタクトしたんだよ。そうしたら試合を組んでもらえて、とても良かったよ」
――日本には、いつやってきたのですか。
「7月1日だよ。千駄ヶ谷に滞在して、ノーティーハウスに合流した。だから練習はクロスポイント吉祥寺でやっていて、水曜日と土曜日はクロスポイント渋谷に行っている。
最初はテンヤと練習するつもりだったんだけど、彼はRIZINで試合が決まっていたから、このタイミングじゃないと思った。ただ日本に着いてから1週間ほど体調を崩してしまって、ファイトキャンプができる状況じゃなくなってしまったんだ。体重も4キロ落ちて。でも、そのおかげで減量は凄く楽になったよ(笑)」
――笑いごとではないかと……(苦笑)。PFCは北海道の選手の強化と札幌でMMAを根付かせようと奮闘しているプロモーションです。
「そうなんだ。実はeメールでやり取りをしているだけで、PFCのことは分かっていないんだ。だから、土曜日の計量で彼らと会うのが楽しみだよ。もちろん、大きなプロモーションでないことは知っている。僕自身はキックやムエタイでは多くの経験を積んでいるけど、MMAはそうじゃない。だから頻繁に試合に出たいと思っていて、身の丈に合っていると思う。
パンクラスではテンヤというトップといきなり戦うことになったからね。僕はまだ3試合目で、レスリングもできない状態だったのに(苦笑)。柔術は紫帯で、それほど悪くないと思っているけど、ちょっとやり合える相手ではなかった。あの敗北から、水曜日以外はずっとグラップリングのトレーニングをやってきた。今回は良い結果になると思っている」
――そもそもドイツ人のクリスが、なぜタイに拠点を置くようになったのですか。
「僕はフランクフルトに住んでいて、13歳の時に空手と柔道を始めた。それからボクシング、キックボクシングをやるようになり、19歳になって柔術の練習を始めたんだ。キッズの時からアマチュアのボクシングの試合に出て、ずっとコンバットスポーツと共に生きてきた。
タイに移ったのは、ミリタリーサービスを終えてからで。ドイツでは試合機会がほとんどないから、フルタイム・ファイターになることは不可能だった。タイに移ると、それが可能になる。だからタイに住むようになったんだ。まずはチェンマイに行った。タイなら2週間に1回戦うことも可能だからね。
2年間チェンマイにいて、3年間はバンコクに住んでいた。2年前からプーケットに住むようになった。タイを北から南に下った感じだね(笑)。僕の試合はほとんどタイで戦ったものだよ」
――立ち技でのプロレコードを教えてもらえますか。
「ムエタイでは35勝6敗2分、キックは6試合戦って5勝1敗だ」
――トータル40勝もしているのですね。なぜ、MMAに転向しようと思ったのですか。
「ムエタイやキックは、打撃だけで痛みがひどい。MMAはボディに少し優しい。ただタイではMMAの試合機会が少なくて、MMAの試合に出ようとするファイターはほとんど知り合いなんだ。だからMMAの大会が多い日本で戦っていけないかと考えたんだよ」
――ムエタイだけでなくMMAのジムがいくらでもあるプーケットで、どのジムに所属しているのですか。
「今はサウスサイドMMAで練習している。そういえば、少し前にカリベク・アルジクル・ウールと一緒に練習したよ。キルギスやウズベキスタンからやってくる選手も多い」
――良いレスリングの練習になるのではないでしょうか。
「いや、彼らは打撃ばかり使って、レスリングの展開にならないんだよ(笑)」
――なるほどです(笑)。では立ち技が本業だったクリスからして、キルギス勢の打撃をどのように感じていますか。
「綺麗なストレートを使って、しっかりとした打撃を使う。ウズベキスタンの選手の方が、振り回す感じだよ。対してキルギスのファイターは、重心の取り方も考えてスマートな打撃を使うね」
――凄く興味深いです。では今回戦う鈴木淳斗選手の印象を教えてください。
「柔術家だね。引き込んでいる。だから、その準備をしてきた。僕が立ち技で勝負すると、テイクダウンを狙ってくるに違いない」
――寝技に応じるだけ、グラップリング力が上がったと思いますか。
「柔術は大丈夫だ。でも、レスリングはまだ不十分で。下になって十字や三角絞めを狙うのは、MMAとしては良くない。柔術家を相手に戦うことは問題なくても、打撃はそれ以上に戦いやすい。それに紫帯といっても、柔術の試合に出ている選手の力は同じ紫帯でも、僕とは違うことも認識している。
だからグラウンドになったら、僕がやるべきことはまずは立つこと。彼が引き込んでくれば、ローを蹴る。僕のスネは凄く固いからね」
――ではファンにどのような試合を見せたいと考えていますか。
「そうだね。ムエタイを見せたい。そして破壊力のある蹴りを使いたい。昨日が最後のトレーニングセッションだったけど、ミドルの感触が凄く良かった。キャッチされないよう、工夫をしてミドルを蹴りたい。ムエタイで試合を組み立てようと思う」
――ここから日本の市場に自らを売り込むファイトでもあります。
「そうだね。さっきも言ったけど日本なら友達と戦う必要はない。実は最初は、修斗で戦えないかと考えていたんだ。修斗は2週間に1度イベントがあると聞いて……」
――修斗は地域プロモーターもいて、今年上半期で16度公式戦が実施されているので、2週間に1度以上かもしれないです。ただ、そこはバジェットの問題があって国際戦が多く組まれているわけでは決していないです。地方大会も多いですし。
「そうなんだ……でも、それだけイベントがあるなら修斗で戦うチャンスがあるかもしれないね。来年、またお金を貯めて日本に来る。だから3、4、5回ぐらい戦えるといいね。可能な限り、多く日本で戦いたい。だからこそ、PFCでは力を証明し、僕の試合を組みたいと思ってもらえるようなファイトをしないといけない。
パンクラスで戦った時、必死に売り込んだけど……あのザマだった。今回は、もっと良い試合をして僕が日本のMMAでやっていけることを証明する。そして、いずれはテンヤのような強いファイターを倒して、RIZINに辿り着きたいと思う。実はルキヤ・アンポとMMAで戦わないかというオファーがあって、僕はやる気満々だった。でも『誰も知らない相手と戦いたくない』って、断られてしまったんだ(笑)。もちろん、マニー・パッキャオとマッチアップされたら、そっちを選ぶよね。でも、いつかアンポのようなファイターと戦うことができればと思っている。
とにかく日曜日は僕の実力、僕のムエタイ、ボクシングを見せて、去年の12月とは違うことを証明したい」
■視聴方法(予定)
8月2日(日)
午前11時00分~PFC公式YouTubeチャンネル
■PFC41対戦カード
<PFCウェルター級選手権試合/5分5R>
[王者] 成田佑希(日本)
[挑戦者] 能登崇(日本)
<PFCバンタム級選手権試合/5分5R>
[王者] 森永ユキト(日本)
[挑戦者]ジミー西将希(日本)
<PFCフェザー級王座決定戦/5分5R>
ジェイク・ウィルキンス(米国)
吹田琢(日本)
<ストロー級/5分2R+1ex>
早坂優瑠(日本)
木村旬志(日本)
<71.9キロ契約/5分2R+1ex>
鈴木淳斗(日本)
クリス・キルシュ(ドイツ)
<バンタム級/5分2R+1ex>
佐藤陽向(日本)
Koki(日本)
<82キロ契約/5分2R+1ex>
カタナマン(日本)
椎名マン(日本)
<フェザー級/5分2R+1ex>
河永重春(日本)
綾哉(日本)
<バンタム級/5分2R+1ex>
養老颯也(日本)
小黒英一(日本)
<ストロー級/5分2R+1ex>
佐藤千太(日本)
坂野嶺稀(日本)
<フライ級/5分2R+1ex>
チャーン(日本)
能村久遠(日本)
<グラップリング・フェザー級/5分2R+1ex>
渡部修斗(日本)
レッドドラゴン(日本)



















