【KNOCK OUT67】サネーガームとREDルール王座決定戦、小林愛理奈「試合がない間に左ボディジャブを」
【写真】KNOCK OUT2戦目でベルトを賭けて戦う小林。取材はFELLOW GYM尼崎店にて(C)SHOJIRO KAMEIKE
8日(土)、大阪府羽曳野市のタケダハムはびきのコロセアムで開催される「KNOCK OUT67 ~KNOCK OUT SUMMER JAM in OSAKA~」で、小林愛理奈がタイのサネーガーム・サックチャムニと、空位のREDルール女子ライト級フライ級王座を争う。
Text Shojiro Kmeike
元RISE QUEENミニフライ級王者の小林が今年5月、KNOCK OUT初参戦。MMAグローブを使用したREDルールでプードゥアン・コマンドジムと対戦して僅か23秒、左ボディジャブのみでマットに沈めた。1年振りの試合で見せたこの左ボディジャブは、試合がない期間に鍛えた技であったという。KOが少ないと言われる女子の試合において、鮮やかなノックアウトを見せた左ボディジャブには、小林が歩んできたキャリアの全てが詰まっていた。
1年試合がなかった間に、何か必殺技を生み出そうと思って
――今年5月にKNOCKOUT初参戦、MMAグローブ着用のREDルールでプードゥアン・コマンドジムをKOしました。まずはKNOCKOUT初戦の感想から教えてください。
「自分の中では1年間も試合が空くのは珍しくて、とりあえずホッとしました」
――プードゥアンをKOしたボディジャブは、打つ際に頭を下げたり体を下げることが一切なかったです。顔面に打つ時と同じ体勢でボディにジャブを入れるのが印象的でした。
「そうですね。ボクシングだとボディジャブって、頭を外しながら下を見て打つイメージじゃないですか。でもムエタイだと首相撲でキャッチされたり、ヒザを合わせられたりして危ないですよね。かといって手打ちになると効かない。
1年試合がなかった間に、何か必殺技を生み出そうと思って。左ボディジャブは前から使っていましたけど、効かせるために打っている攻撃ではなかったんです。下も打って上に当てよう、というフェイトのために使っていました。でも練習仲間から、私のボディジャブが効くと言われて。自分はそんなつもりで打っていなかったけど、そう言ってくれるなら、もっとボディジャブを極めてみようかなと思ったんですよね。
空手でいったら手首を巻き込むように当てて効かせるんですけど、それを相手の攻撃を受けない姿勢で打つ。それとボクシングの踏み込み――打つ瞬間だけ沈むとか、いろいろ組み合わせて、1年間で創り上げてきた技でした。
今は自分にとって一番の武器です。今まで左フックとか派手なパンチで倒したりしているんですけど、一番強いのはボディジャブちゃうかなって。試合映像ではそんなに伝わりにくいかもしれないけど、それはそれで相手も警戒せぇへんかな、と(笑)」
――前回の試合でも、プードゥアンは全く反応できずに全弾ヒットしていましたね。目線すら動いていなくて。
「そこに気づいてもらえて嬉しいです。皆から『あれって効く?』みたいな感じで訊かれるんですよ。『だったら受けてみる?』って気持ちになりますね(笑)。もちろん力を入れていたら効かないと思うけど、やっぱりタイミングが重要で。絶対に打たれないと思っているタイミングだったら、チョンって入っただけで効くんですよ。そのタイミングで、あの威力のパンチをもらったら絶対に3発ぐらいで倒れます。そういうタイミングは狙っていますね」
――ボディブローに関しては「息を吸ったあとは効かない。息を吐いた後が効く」という指導もあります。そういった呼吸のタイミングなども見ているのでしょうか。
「そこまで細かく見ているわけではないですね。たとえば人ってバンッと打ったあとは呼吸するじゃないですか。そういう『今打ったら効くやろうな』というタイミングを狙うのは、感覚的な部分が大きいと思います」
――ボディジャブを入れる箇所は考えますか。それとも感覚的なものですか。
「練習ではメッチャ考えます。どこに入れたら一番効くのか試した結果、ミゾオチやったんですね。でも自分の場合は、完全にミゾオチを狙っているわけではなくて」
――というと?
「ウフフ、どこを狙っているのかは秘密です。ただ、いろいろ試しながら練習で染みつかせて、試合では自動的にそこを打つようになっていますね」
ボディジャブはMMAグローブのほうがもっと効かせられます
――どの部分を狙っているかは、試合を見てのお楽しみということで(笑)。先ほど「空手でいったら……」というお話がありましたが、ベースはフルコンタクト空手ですよね。プードゥアン戦をはじめ、過去の試合を見てもフルコンらしさがないといいますか。
「アハハハ。キックボクシングをやっていくうえで、だいぶ変えてきました。もともと10年ぐらい空手をやっていて、キックを始めたのは20歳と遅かったんですよ。最初は空手と並行してキックをやっていたけど、全然強くならなくて。これは専念しないとキックで強くならへんなと思って空手は辞めました。
もともと空手時代はサウスポーで試合していたのに、キックはオーソドックスで戦っていたんですね。兄(※元WBOアジア太平洋王者の小林豪己)がプロボクサーで、オーソドックスやったんですよ。それを見ていたから、オーソで戦うのが普通やと思っていたんです。空手とキックを並行してやっていると、そのへんがゴッチャになってきて。やっぱり距離感とかも全然違うじゃないですか。空手を辞めてからオーソに専念するようになって、ちょっと掴めるようになってきました。
あと、兄から『そんなにパワーがあるのに倒されへんのは、インパクトがなさすぎ』と言われたんですね。兄は軽量級で、自分とそんなに体重も変わらへんのにバンバン倒していて(※小林豪己は8勝中5KO)。大切なのはスピードとインパクトやと言われて、100の力で打つのを止めてから倒せるようになりました。たぶん試合では100の力で打っていると思うけど、それでも練習の時の感覚が残っているからスコーンと打つことができているんちゃうかなって思います」
――なるほど。
「ただ、フルコンでやってきたことも生きていて。空手とキックでは足捌きも違うじゃないですか。でも空手の時からパンチャーで、手首を巻き込む打ち方とかはフルコンの時から変わっていないと思いますね。空手でもボディとインローで倒していたので」
――拳による顔面殴打がないフルコン出身だからこそボディを効かせることが、前回のボディジャブにも繋がっているのでしょうか。
「はい、超得意です。距離感が違うから難しいけど、ムエタイを始めてからは組まれるのが嫌なので、遠い距離からボディに打ち込む練習をしてきました」
――その意味ではフルコン空手でやってきたことが、今のキックボクシングやムエタイにも生きてくるのですね。フルコンを経験しているからこそ、MMAグローブの戦いも自分に合っていると感じているのでは?
「メチャクチャ合っています。もうボクシンググローブを着けたくないぐらいで(笑)。空手は素手で試合するから、キックのデビュー戦はバンテージを巻くだけで手が重く感じていました。MMAグローブはやりやすくて仕方ないですね。ボディジャブはボクシンググローブでも打てますけど、MMAグローブのほうがもっと効かせられます。ハンドスピードも上がるので」
皆が倒していない相手を圧倒してKO勝ちしたらレベルの差も分かる
――小林選手はボクシンググローブの試合でも、KOが少ないと言われる女子選手の中で倒してきたファイターです。その要因は何だと考えていますか。
「何やろう……、……持って生まれた肩の強さもあるとは思いますけど」
――肩が強い、とは?
「異常に肩が強いんですよ(笑)。たとえばフィジカルトレーニングをしていても、同じ体格の選手と他の種目は同じ重さを挙げていても、肩の種目だけは私のほうが倍以上の重さを挙げています。空手の頃からパンチで倒していたので、たぶんもともとパンチ力はあったと思うんですね。子供の頃から『体の使い方が巧い』と言われていて、昔は意識していなかったけど、今は体の使い方を意識して練習していることも大きいかもしれないです」
――生まれつきパワーがあり、そこにスピードとタイミング、距離感、体の使い方が加わった。さらにMMAグローブで試合をすることになり……今後もREDルールの試合が楽しみです。次戦もタイ人ファイターと対戦することになったのは、小林選手の希望ですか。
「いえ、自分からは何も言っていません。ただムエタイがやりたいし、強い相手なら誰でも大丈夫ですと伝えていました。やっぱり『小林が勝つだろう』とか、自分が倒しても凄くないという相手よりは、皆が倒していない相手を圧倒してKO勝ちしたらレベルの差も分かるじゃないですか。サネーガーム選手は、ぱんちゃん璃奈選手にも勝っているし、そういう相手を呼んでくれたのは嬉しいです」
――プードゥアン戦は23秒で終わり、首相撲の展開にはなりませんでした。しかしREDルールでサネーガームが相手であれば、首相撲の展開になるのは避けられないかと思います。
「サネーガーム選手は中間距離だとミドルが多くて、ヒザを打ちながら組んでくるか、こちらがパンチを打った時に組んでくるか。とにかく組んでくるスピードが速い。もちろん組みの展開になれば、自分が組み返すところも見せたいです。でも倒すためには組みの展開を少なくすることも必要で――相手に首相撲の展開を起こさせない首相撲を見せたいですね。組み際が一番倒すチャンスがあると思うので」
■放送予定
8月8日(土)
午後2時45分~U-NEXT
■KNOCK OUT67 対戦カード
<KNOCK OUT-RED スーパーライト級/3分3R>
久井大夢(日本)
モー・アブドゥラマン(英国)
<KNOCK OUT-RED フェザー級王座決定戦/3分3R+ExR>
スラサック・クルーダームジム(タイ)
“狂拳”迅(日本)
<KNOCK OUT-RED 女子ライトフライ級王座決定戦/3分3R+ExR>
小林愛理奈(日本)
サネーガーム・サックチャムニ(タイ)
<KNOCK OUT-BLACK 66キロ契約/3分3R>
中島玲(日本)
櫻井博(日本)
<KNOCK OUT-BLACK フェザー級/3分3R>
玖村修平(日本)
内藤凌太(日本)
<KNOCK OUT-BLACK バンタム級/3分3R>
一輝(日本)
小島慎太(日本)
<KNOCK OUT-BLACK フェザー級/3分3R>
戦闘員1号(日本)
啓斗(日本)
<KNOCK OUT-BLACK スーパーバンタム級/3分3R>
繁那(日本)
渡口耀(日本)
<KNOCK OUT-RED フェザー級/3分3R>
祐輝(日本)
翔磨(日本)
<KNOCK OUT-BLACK 女子ライトフライ級/3分3R>
堀田優月(日本)
パク・ユイ(韓国)
<KNOCK OUT-BLACK スーパーバンタム級/3分3R>
辻岡怜恩(日本)
保井広輝(日本)
<KNOCK OUT-UNLIMITED 61キロ契約/3分3R>
平川蓮斗(日本)
辻村秀綱(日本)
<KNOCK OUT-UNLIMITED 66キロ契約/3分3R>
河坂修斗(日本)
米川たすく(日本)
<KNOCK OUT-RED 62キロ契約/3分3R>
プンルアン・バーンランバー(タイ)
麻太郎(日本)
<KNOCK OUT-UNLIMITED 女子バンタム級/3分3R>
タイソンRINA(日本)
コ・ユナ(韓国)
<KNOCK OUT-BLACK 女子アトム級/3分3R>
風羽(日本)
坂田実優(日本)
<KNOCK OUT-BLACK スーパーウェルター級/3分3R>
川内参星(日本)
KING弥百希(日本)
<KNOCK OUT-BLACK 52.5キロ契約/3分3R>
竜雅(日本)
松田大将(日本)



















