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【RIZIN55】舌戦繰り広げる太田忍の真の評価。鹿志村仁之介「一選手として真面目に答えるのであれば……」

【写真】良い表情です。ただし、この試合はバンタム級上位と下位を分けるシビアな一戦(C)TAKUMI NAKAMURA

8日(日)に千葉県船橋市のLaLa arena TOKYO-BAYで開催されるRIZIN55で鹿志村仁之介が太田忍と対戦する。
Text by Takumi Nakamura

鹿志村は7月にダニー・サバテロの持つRIZINバンタム級王座に挑戦。果敢に得意のサブミッションを仕掛けたものの、最後はサバテロの右フックに沈んだ。鹿志村にとってはキャリア初のKO負けとなったが、あの負けによって鹿志村のメンタルはいい意味で吹っ切れたという。

対戦相手の太田とはSNSや記者会見で舌戦を繰り広げているが、それも一人の格闘家として実力を認めているからこそ。会見や公開練習とは違う単独インタビューだからこそ語ってくれた鹿志村の太田戦への想いとは?


――今回の太田忍戦は鹿志村選手にとって7月のダニー・サバテロ戦以来、約4カ月振りの試合となります。サバテロ戦以降、どのようなことを意識して練習してきましたか。

「一番明確にやっているのはボクシングかなと思います。練習そのものをそんなにガラッと変えたというよりも、足りないところをプラスしていく感じですね。サバテロ戦が初めてのKO負けで、それまで自分がKOされる・失神してしまうことにすごく恐怖感があったんですよ。で、いい意味なのか悪い意味なのか分からないですけど(サバテロ戦でKO負けして)その恐怖心が消えたというか、KO負けってこんなもんなんだな、みたいなことを思いました。

KOされる時は痛いとかそういう感じはなく(意識が飛んで)倒れてしまうということが分かって。それが一番、僕の中では大きかったのかなと思います」

――練習で強度の高い打撃のスパーリングをすることもあると思うのですが、それとも違う感覚でしたか。

「そうですね。本当に今まで倒れされたことや意識を失ったことがなくて、意識を失った状態で倒れる時は全然痛くないんだなと思って。ある意味それで負ける勇気を持てたというか。そういう捉え方をしていましたね」

――逆に今まで以上に思い切りアタック出来る、と。

「そういう気持ちの面でも変わってきたのかなと思います。やられてもいいということではなく、打たれてもいいから組みに行こうという気持ちが芽生えて『(打撃をもらっても)こんなもんならやってやるわ!』という気持ちにもなれたので、結果としては負けたけど、すごく収穫があって得られたものはデカかったのかなと思いますね」

――サバテロ相手に通用した部分や手応えを感じた部分はありますか。

「意外と自分がずっと練習しているレスリングは出たかなと。あのレスリング強者にテイクダウンを自分からいけたというのは、自分の練習が少しずつ身になってきているなと感じました」

――そのレスリング面も含め、今回対戦する太田選手の印象は?

分かってやっている。虚実の境目を見失ってない良さが、この2人のやりとりからは感じられる(C)TAKUMI NAKAMURA

「一選手として真面目に答えるのであれば、レスリングはRIZINの中でもトップクラスに強いと思っていて、その中で思い切った打撃を振ることも出来る。打撃でもレスリングでもどちらにしても圧をかけてくるだろうと思います。またああいう寝ても立ってもいいよという選手は寝技も出来ると思いますし、彼のMMAファイターとしての総合力はしっかり評価している部分もあるので、僕が自分のMMAを成長させるにあたっていい相手なのかなと思います」

――鹿志村選手のサバテロ戦の振り返りの話を聞いていて、太田選手は鹿志村選手がサバテロ戦以降に取り組んできたことが試される相手でもあるなと思いました。

「そうですよね。僕もそれは感じています」

――太田選手とは会見やSNSでの舌戦はありますが、彼のキャラクターについてはどう感じていますか。

「僕はぶっちゃけ凄くいいなと思いますね。プロのファイターらしくて。ちゃんと興行のことを考えているというか、言わなくてもいいことは言わないし、ここでこれを言ったらこう転がるだろうなという先が見えている人だなと思います。そういう面でもオリンピックのメダリストなんだろうなと思いますし、その辺が他の選手とは違ってずば抜けていますよね。逆に僕がメディアでの発信が得意なタイプではなかったので、逆にちょっと学ばせてもらっているというか。そういう面でも成長できますよね、今回の試合は」

――舌戦はこういうものなんだと感じられているようですね。

「僕は今日みたいなインタビューで別に相手を煽ったりする必要はないと思うんですよ。そういうことは直接本人に言えばいいし、会見だったり公の場で言えばいいわけで。逆にこういうインタビューのときは、僕が彼のことをどう思っているかを伝えればいいかなと思います。

そこも分かってもらったうえで、試合を見てもらえるのが格闘技だと思うんで。太田選手は真面目にレスリングをやってきて、地力をつけてきた人だと思いますし、そういう面でも戦うのがとても楽しみですね」

――鹿志村選手もずっとMMAを見てきて、五輪メダリストから一本を獲ることにロマンを感じていますか。

「僕はもともと柔道をやっていて、その柔道で結果が出なかった人間なんで、どうしてもMMAでしっかり結果を残して納得したいというところはあります。そういう面でも、オリンピックの銀メダリストなんていう人たちとは、柔道で言ったら絶対に戦えなかった人たちなんで。それがMMAになったことで、交わって戦わせてもらえるということはすごくありがたいことだし、自分でも楽しみというか、うれしい出来事だなと思います」

――ちなみに鹿志村選手は柔道から柔術に転向する際、投げて終わりじゃなくて極めるか極められるかの勝負をしたいという気持ちもあったのですか。

「そこまで白黒つけたいみたいな意識はなかったですけど、どちらかというと寝技に特化した方がいいというのを自分でちゃんと気づけて。それを父親と一緒に伸ばしていけたというのが、今のファイトスタイルにつながっていると思います」

――柔道時代から寝技の方が得意だったのですか。

「そうですね。柔道時代から寝技の方を鍛えていました。それもあって父親と2人で柔術をやって、もっと寝技を磨いていこうという方向性になった感じです」

――鹿志村選手は朝倉未来戦の青木真也選手のセコンドにもついて、注目度も上がっていると思います。そのような状況のなかで、今回の太田選手との試合で見せたいものとは何でしょうか。

「今までは自分が勝てばそれでいいやみたいな、勝ち負けだけでいいと思ってやってきたんですけど、最近は格闘技事情とかを見ていて、試合前からしっかり盛り上げて、いろいろ話題も作って、試合を見られないとあんまり意味がないと思っていて。ちゃんと盛り上げて試合して、試合そのものも盛り上げて、誰かの印象に残るような、そういう試合ができないと格闘技者として一流とは言えないと思うようになりました。今回そういうステップアップできるような試合にしていきたいなと思います」

――鹿志村選手はRIZINに参戦して約1年半ですが、格闘技観そのものも大分変わったのではないですか。

「だいぶ変わったと思います。例えばRIZINに出るようになってから街を歩いていても声をかけられるようになって。僕自身、街で『写真を撮ってください』なんて言われることは一生ないだろうなと思っていたんですけど、そんな僕にもそういう珍しい現象が起きていて、改めて自分の試合を見てくれている人は多いんだなと思いました。

そういう自分の実体験を経て、どうせ試合を見られるんだったら面白い・印象に残る試合をする。『この人見たことある!』ぐらいでもいいので、何かインパクトを残して帰りたい。最近はそういうことをずっと思っています。そしてそれを試合で体現できることがかっこいいことだと思っていて、ただ会見が面白いだけじゃなくて、この試合の、この人の、この技がすごかったね、みたいな。会見も面白くて、その前置きもあって『試合で、こんなことしちゃうんだ?』っていう飛び抜けたことをやりたいなと思います。

今回の自分の試合前の発言が伏線になっていて、いざ試合でそれをやったら会場がめちゃくちゃ盛り上がると思うんですよ。今回はそういう種を撒けたこともすごく良かったと思うし、今、いい波が来ているというか。その波にしっかり乗って会場を盛り上げたいなと思います」

■視聴方法(予定)
11月8日(日)
午後1時~ ABEMA、RIZIN LIVE、RIZIN100CLUB、スカパー!

■RIZIN55対戦カード

<RIZINフライ級選手権試合/5分3R>
[王者]神龍誠(日本)
[挑戦者]トニー・ララミー(カナダ)

<バンタム級/5分3R>
井上直樹(日本)
イリスベク・ティレノフ(キルギス)

<バンタム級/5分3R>
福田龍彌(日本)
キム・スーチョル(韓国)

<バンタム級/5分3R>
鹿志村仁之介(日本)
太田忍(日本)

<フェザー級/5分3R>
アバイジャ・カレオ・メヘウラ(米国)
相本宗輝(日本)

<フェザー級/5分3R>
鈴木博昭(日本)
千春(日本)

<フェザー級/5分3R>
牛久絢太郎(日本)
リー・カイウェン(中国)

<ライト級/5分3R>
キム・ギョンピョ(韓国)
ヌルハン・ズマガジー(カザフスタン)

<ライト級/5分3R>
雑賀“ヤン坊”達也(日本)
倉本大悟(日本)

<バンタム級/5分3R>
中島太一(日本)
溝口司(日本)

<フライ級/5分3R>
力也(日本)
木村琉音(日本)

<フライ級/5分3R>
濱田巧(日本)
関原翔(日本)

<フェザー級/5分2R>
松本尚大(日本)
髙橋正親(日本)

<フェザー級/5分2R>
井上舜矢(日本)
マイティ・saw(ミャンマー)

<ライト級/5分2R>
ジェイク・ウィルキンス(日本)
山﨑弥十朗(日本)

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