【RIZIN55】”しくじり&やらかし”からのRIZIN初陣=関原翔戦へ、濱田巧「今回は地元枠という理解でいます」
【写真】パンクラスのTシャツを着て、インタビューに応じた濱田 (C)MMAPLANET
8日(日)に千葉県船橋市のLaLa arena TOKYO-BAYで開催されるRIZIN55で濱田巧が関原翔と対戦する。
Text by Manabu Takashima
キックからMMAに転向後、着実に結果を残し昨年11月にフライ級KOPの座に就く。しかし、今年の3月に――「主催者への事前の連絡および承認を得ることなく他団体への出場に関する交渉を行い、参戦を承諾した行為は、契約違反に該当すると判断」され王座剥奪に。
チャンピオンになればRIZINで戦える――純粋な想いが空回りして“やらかした”濱田だが、「相談されれば止めた」とパンクラス・サイド、所属ジムTBJ関係者も明言していた。なぜ、あの行動に出たのか――ここでは、その発端となった可能性のある実現しなかった試合から、濱田の心理状態を尋ねた。
起こったことは起こったこと。経済的に、そして肉体的に第三者を傷つけたわけではない。余りにも純粋過ぎ、近視眼的な行動をしてしまったのも、7試合でここまでMMAの完成度が高めることができたのも――彼の一心な想いゆえ。
それでも過去を悔い、RIZINデビューの流れを肯定できない信条を吐露しながら、濱田は今回の試合に懸ける気持ちを話した。
『あぁ、チェ・スングクと戦っておけば良かった』とは思いました
――今日は駒沢大学駅にあるPERSONALIZE GYM LIBERTADでの取材となりましたが、濱田選手のお住まいの方は?
「僕は松戸です。ただ職場が恵比寿にあるので、その繋がりで都内で練習することも多いです。ここと飯田橋のTRI.Hスタジオ、あとラントレも都内でやっています」
――松戸からだと、移動もなかなか大変ですね。
「でも1時間ぐらいですかね。電車で移動なので、風邪やインフルエンザに感染するのは本当に怖いです」
――待望のRIZIN出場が決まりました。
「ハイ、色々とお騒がせしてスミマセンでした」
――何も、自分に謝罪する必要など一切ないです(笑)。まぁ、あの事よりも一つ、お伺いしたいことがあります。
「ハイ」
――一昨年のいつ頃かに濱田選手が長谷川賢選手に会った時に、彼が当時プロモートしていたBreakthrough Combatに出場したいという流れになり、Road to UFCシーズン01フライ級で準優勝のチェ・スングクと対戦が決まりかけたことがあったかと。
「ハイ。あの時はラファエル・リベイロに勝って5戦5勝になり、次の年のRoad to UFCに出たくて……。チームにチェ・スングクと戦うという話がありますと伝えたのですが、『このままで出場できるんじゃないか。無理して戦わなくても』という方針になりました。ただ今からするとあの時、戦っていればという気持ちはあります」
――全ては仮定の話で。戦って勝っていればRoad to UFCがあったというのも仮定の話でしかなく。また勝負なので絶対に勝てるモノでもない。チェ・スングクとはチームの方針として戦わず、そこと関連があるか分からないですが、Road to UFC出場の話もなかった。それが結果であり、唯一の事実です。
「あの時も『出られないかもしれない』という話はありました。で、リスクをおかさないという選択をしました。結局、Road to UFCには山内渉選手と吉田海威選手が選ばれて、『あぁ、チェ・スングクと戦っておけば良かった』とは思いました。彼はそれこそRoad to UFCで準優勝者だったので。そこでリスクを取れなかった自分が悪かった」
――でもチェ・スングクも当初はリスクが高いから戦いたくないと言っていたそうですよ。なかなか対戦相手が見つからないとみると、「このタイミングで試合をしたいから、濱田とも戦う」と言うようになったみたいで。
「そうだったのですね……。結果、Road to UFCに出られなくて、凄くショックで……。あの時の選択で、その後が変わっていたかもしれないので……」
知名度不足だからRIZINに出られないと思い込みすぎるように
――「なぜ、出よう。やろう」と言ってくれなかったのか、周囲に対して思うことはなかったですか。
「結局は……自分の判断です。あそこで『チェ・スングクと戦います』という風に言えなかった自分がいけないので。とにかく、もうUFCは無理だと自分のなかで諦めました。そこでパンクラスのチャンピオンになってRIZINに出ようと、目標が完全に変わったんです。同時にパンクラスのベルトを巻けたことは本当に良かったと思っています。Road to UFCに出ていたら、ベルトは巻けなかったかもしれないので」
――Road to UFCに出てUFCを目指す戦いと同様に、国内のベルトの方も大切だったと。
「ベルトは欲しかったです。格闘技をやってきて、ベルトを巻いたことがなかったので。だから、Road to UFCに出なくて良かったぐらいです。ただベルトを取ればRIZINに出ることができると勘違いしてしまって……。キックボクシング時代は下積み続きで、MMAでベルトを巻けた。次の舞台としてRIZINに出られるだろうと」
――百鬼夜行が屯する格闘技界にいて、どこまで純粋なのですか(笑)。ということは、あの件は何もしないでオファーを待つのではなく、とにかく動こうという想いがあったからなのですね。
「Road to UFCの時とは違い、何か自分で動かないといけないと。RIZINで戦うために、色々と動きました。マネージメント、スポンサー関係からも。でも全部上手くいかなくて……結論が、知名度不足だからRIZINに出られないと思い込みすぎるようになっていました。だから、あそこに出れば知名度が上がるという解釈で動いてしまいました。自分の勝手な判断です」
――チェ・スングク戦の相談をして回避する方向、つまりは「NO」という判断がチームからあった。だから、あの件も相談してノーと言われるのを避けたということは?
「それはありました……。言えなかったです。相談すれば『やるな』と言われてしまうだろうなって……」
――思い詰めてしまっていたのですね。結果論として、知名度を得ることになったのか、待望のRIZIN出場です。
「あの行動が繋がったというのは、あると思います。でも、それが正解だとは思っていないです。ソレでRIZINに出ることができるなら、皆、アレを正解だと思ってやってしまいます。注目されてRIZINに出ようとなると……ああいうことをした自分が言えることではないですが、ソレは正解ではない。今でも本当に申し訳ないという気持ちでいます」
――クソ真面目過ぎて心配になってしまいます。人生は尻餅をつくこともあるし。なら立ち上がって、前に進むだけ。周囲に相談できなかった心境を格闘技界の住人に知ってもらいたく、この件を蒸し返してしまい申し訳なかったです。
「いえ、今回インタビューをしてもらって、ここで改めてパンクラスに出ている選手たちに謝罪をしたいという想いが本当にありました。あの件なしで、今回の試合のインタビューもないだろうし。ありのまま話させてほしいと思っていました。
パンクラスで戦っている選手たちは、ベルトを目指してランキングの下から上へと必死に戦っています。皆がそのために一生懸命やっているのに……。自分も同じように頑張ってベルトを巻いて、あんなことをしてベルトを剥奪された。それなのにRIZINで戦う。自分がそれを見たら『なんだ? 』と思うし、パンクラスには自分のことを怒っている選手が凄くいるはずです。だから、このインタビューを通してパンクラスで戦っている選手達に『申し訳ない。ごめんなさい』と伝えさせてください」
――みんな、やらかし、しくじりまくっている人生です。濱田選手の真意は伝わると思います。何と言ってもRIZIN千葉大会が控えていますし、もうあの件を聞くのは打ち止めにしましょう。そして、真摯に答えてくれて感謝しています。とにかく、もうすぐ試合です。ここで逆にシビアに尋ねたいのは、今回メインカードで戦いますが、濱田選手は純粋にメイン枠と捉えているのかということです。
「僕のRIZIN出場を喜んでくれる人がたくさんいるけど、今回は地元枠という理解でいます。同時に、その枠を貰って生かすことで、RIZINで戦い続けることができる。だからここからがスタートだと思っています」
関原選手も打ち合いの肝の強さで勝負してくる
――関原翔×濱田巧戦。他のプロモーションならメインイベント級のマッチアップかと。純粋に関原選手をどのようなファイターだと思っていますか。
「リーチが長いのと、寝技のしつこさ。そこは警戒しています。でも気にすぎることなく、いつも通り戦います」
――関原選手は打撃中心のファイトから、ダメージの蓄積を抜く間にグラップリングが本当に強くなった選手かと思います。
「ハイ。打撃も寝技もできるトータルファイターです。打撃がもともとできて、打ち合いに対して恐怖心を持っていない。肝が据わっている。そこに加えて、グラップリングができる。あとはRIZINが舞台なので、関原選手も打ち合いの肝の強さで勝負してくることも十分にあると思います。
そこを警戒しつつ、全てで対応できるように準備をしています。打撃でも、寝技でも僕がどれだけできるか。それを見て欲しいと思っています」
――濱田選手は整理整頓された打撃を繰り出すために、そこを狂わせる組みに対しての処置能力を高めてきたかと。そして大塚智貴選手とのタイトル戦では、組みで勝つところまできた。
「大塚さんとは過去に2度戦っていて、あの打撃のリズムが嫌だったんですよ。打撃だとアドバンテージを握られるかもしれないので、なら寝技で戦おうと」
――その選択ができるだけ、組み技に自信を持てているということですね。
「相手にもよりますけど、大塚選手が相手なら寝技の方がペースを握ることができると思って戦いました。だから、ほぼ寝技でいきました。組みに関しては、前回のジョー・カマチョ戦で一本勝ちできたこともあり、凄く自信を持てています。
TBJのフライ級の層は凄いですから。怜君が強いのは当然で、杉山(廣平)君、バンタム級に上げるけど内田タケルがいて。MMAのグラップリングにおいては日本一で、これ以上の環境はないです」
――次を掴むために、関原選手との試合でどのような濱田巧を見せたいと思っていますか。
「初めてRIZINで戦うので、まずは自分のMMAを見せたいです。自分がどういうMMAファイターなのかを見て欲しい。緊張しなければいつも通りに戦えるので、いつも通りの試合をすればお客さんも僕がどういうファイターか分かってくれるはずで。RIZINからも『また使いたい』と思ってもらえるよう、パンクラスの時と変わらずいつも通りの自分の試合をしっかりと戦いたいです」
引退するまで、パンクラス代表という気持ちはなくならない。パンクラスに生きて、パンクラスで死んでいく……。
――では、改めてこの試合に懸ける想いを最後に貰えますか。
「今回の試合はRIZINが舞台ですけど、DEEP×パンクラスという構図の試合になります。ここで勝って、RIZIN×パンクラスという構図の試合ができるようにしたいです。引退するまで、パンクラス代表という気持ちはなくならない。パンクラスに生きて、パンクラスで死んでいく……。あの時、福井(幸和)社長に手を差し伸べてもらった。あんなことをしたのに復帰戦を組んでくださって、プッシュしてRIZINに出させてくれた。
この感謝の気持ちは絶対的なモノです。偉そうにパンクラスを背負うとかは言えないですが、RIZINという舞台でパンクラスの強さを見せること。それが自分のやるべきことだと思っています。
そして許してもらえるなら、パンクラスを代表して戦うので、パンクラスの選手たちに僕のことを応援してもらえたら嬉しいです」
■視聴方法(予定)
11月8日(日)
午後1時~ ABEMA、RIZIN LIVE、RIZIN100CLUB、スカパー!
■RIZIN55対戦カード
<RIZINフライ級選手権試合/5分3R>
[王者]神龍誠(日本)
[挑戦者]トニー・ララミー(カナダ)
<バンタム級/5分3R>
井上直樹(日本)
イリスベク・ティレノフ(キルギス)
<バンタム級/5分3R>
福田龍彌(日本)
キム・スーチョル(韓国)
<バンタム級/5分3R>
鹿志村仁之介(日本)
太田忍(日本)
<フェザー級/5分3R>
アバイジャ・カレオ・メヘウラ(米国)
相本宗輝(日本)
<フェザー級/5分3R>
鈴木博昭(日本)
千春(日本)
<フェザー級/5分3R>
牛久絢太郎(日本)
リー・カイウェン(中国)
<ライト級/5分3R>
キム・ギョンピョ(韓国)
ヌルハン・ズマガジー(カザフスタン)
<ライト級/5分3R>
雑賀“ヤン坊”達也(日本)
倉本大悟(日本)
<バンタム級/5分3R>
中島太一(日本)
溝口司(日本)
<フライ級/5分3R>
力也(日本)
木村琉音(日本)
<フライ級/5分3R>
濱田巧(日本)
関原翔(日本)
<フェザー級/5分2R>
松本尚大(日本)
髙橋正親(日本)
<フェザー級/5分2R>
井上舜矢(日本)
マイティ・saw(ミャンマー)
<ライト級/5分2R>
ジェイク・ウィルキンス(日本)
山﨑弥十朗(日本)





















