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【PFL2026#15】後藤丈治と対戦、師と死別から1年―セルジオ・ペティス「僕も前に進まないといけない」

【写真】20年に及ぶ師との別れに踏ん切りがついたセルジオ・ペティス (C)MMAPLANET

14日(土・現地時間)、UAEはドバイのコカ・コーラ・アリーナでPFL2026#15「Dubai」が開催され、セルジオ・ペティスが日本&RIZINからの刺客、後藤丈治と戦う。
Text by Manabu Takashima

今年の4月にミッチ・マッキーに敗れ、PFL世界バンタム級タイトル戦線で一歩後退を強いられたセルジオは、師デューク・ルーファスを失った喪失感から抜け出すために、練習環境を変えた。

今は亡き志との思い出を胸に、一歩踏み出したセルジオは後藤の強さ、ファイトスタイルを認めたうえでタイトル挑戦権を手に入れるために必勝いや、必倒の構えで後藤戦に臨む。


僕の戦いの道は続く。この拳で、キャリアを持続させていくわけだからね

――後藤丈治選手と2週間後に対戦するセルジオです(※取材は10月30日に行われた)。今の調子はいかがですか。

「最高だよ。前回の試合から、大きく変わった。それを皆に見てもらえることに、凄くワクワクしている。新しいトレーニングパートナー、ジム、練習環境を変えたんだ。ルーファスポートMMAには、本当に長く在籍した。だからこそ、前回の試合のキャンプでは……ジムを訪れてロッカールームに座ると、デューク(ルーファス)がもういないことを実感し、寂しい、悲しいという気持ちが大きく膨れ上がってしまった。

デュークは亡くなってしまったけど、僕も前に進まないといけない。だから練習環境を変えた。そしてドバイでのタフファイターと戦うんだ」

――ドバイはデュークと最後に戦った場所ですが、再びエモーショナルにならないでしょうか。

「きっと、もう大丈夫だと思う。前回の試合は、全くその通りだった。13歳から試合に出始めて、初めてデュークがいないなかで戦った。デューク・ルーファスの名前を背負い、代表として戦うという気持ちが大きすぎた。当然、感傷的にもなっていた。あれから自分のなかでも色々と考え、試合の時はデュークを失ったことを頭と心から除外できるように練習してきた。だから、今回はただケージの中に入って戦う。そういう風になれるはずだ」

――デュークへの想いは持ち続けつつ、セルジオのMMAキャリアは続くわけですし。

「その通りだ。僕の戦いの道は続く。この拳で、キャリアを持続させていくわけだからね」

――では今の練習環境、キャンプを行ったジムはどこだったのでしょうか。

「同じミルウォーキーにあるプーラ・ヴィダBJJ&MMAで、UFCファイターのモンテル・ジャクソン達と練習してきた。モンテルは9月にリッキー・シモンをビックKOした。それとベラル・モハメッドも練習している、シカゴのバイル・フロー・ストライキングでもやってきた」

――名将マイク・バイルのジムですね。ヤイール・ロドリゲス、イグナシオ・バハモンデスらも所属している。

「そうだね。彼らUFCファイターだけでなく、キルギスやロシアの若いファイターもいて凄く活気のあるジムだ。バイル・フロー・ストライキングの練習で思い切りプッシュしてもらうだけでなく、一つ一つのディティールに拘った指導も受けている。ミッチ・マッキー戦のキャンプは、凄く感傷的になっていたけど、今回は違う。この試合に勝つことに集中できた」

――デュークへ想いが強すぎたマッキー戦ですが、彼のテイクダウン攻勢に押し切られた形でした。

「ミッチは素晴らしい試合をしたよ。トップを取って削ってきた。僕としてはこれまでのようにシリアスにストレングス・コンディショニングトレをせず、心肺トレは全くやっていなかった。ジムでミット打ちを繰り返すような感じで。

ここまでやってきても、学ぶことは多い。再確認させられるというのか。このままトップレベルで戦い続けるなら、AではなくてA+の努力が必要だ。だから、タイトル挑戦を目標にもう少し謙虚になって取り組まないといけないと思っている」

ジョージ・ゴトーの左は最高だよ

――今回、このタイミングでPFLランカーでなくRIZINからの刺客と戦うことになりました。

「最高だよ。僕は彼のファイトスタイルが大好きだ。ジョージ・ゴトーの左は最高だよ。日本のファンはキョージ・ホリグチと戦った時のような試合を期待しているかもしれないけど、あの時以上の打撃戦になるだろう。打撃勝負を挑んでくる相手との試合を待ち望んでいた。スタンディング・ウォーを楽しみにしている」

――後藤選手の左について既に言及されましたが、彼は最後は左を当てて勝つという組み立てを常にしてきているかと思います。

「だろうね。でも角度とペースをコントロールして、そんな彼の組み立てを崩す。ジョージはプレッシャーの強い相手には、若干苦労しているように感じる。それでも上手く左を打てる距離を創っているんだ。僕としては、彼の望むような展開になってもアドバンテージを握れるように動く。その動きが自然と出るようにトレーニングしてきた。

ジョージ・ゴトーは危険なファイターだけど、僕も同じようにデンジャラスだからね。思い切りやりあうことになるだろうし、そうなったら彼のディフェンスが役に立たないぐらいのファイトをする。本当に彼と戦うことが楽しみでならないよ」

――セルジオと戦う相手は後藤選手に限らず、スピニングバック系の攻撃を警戒してくるかと思います。

「スピニングバックフィスト、スピニングバックエルボー、そしてスピニングバックキックは、使える位置関係になると思い切り狙う。と同時に、そこを警戒してくるから別の角度から攻めることができるんだ」

――互いに試合を組み立て、フィニッシュへのパターンを磨いているかと思います。その一方で後藤選手は左を当てるために組み、あるいは当てた後の組みとグラップリング勝負もできるファイターです。

「もちろん彼はレスリングもグラップリングもできる。だからテイクダウンの攻防もあるだろうし、これぞミックストマーシャルアーツという試合になるだろう」

――その後藤選手の左を封じ込み、それこそ削り続けたのがダニー・サバテロでした。

「ダニーはビーストだよ。以前、一緒に練習をしたことがあるけど、あのレスリング力と体力は凄まじい。今や打撃も身につけつつあるし、どんどんシャープになっているよ。ただゴトーは削られてしまったけど、しっかりとテイクダウンディフェンスも見せていたし、能力の高さを見せた試合だった。

ああいう敗北は、僕もそうだったように、このスポーツをしていると誰にでも起こることだしね。彼も僕もパーフェクトレコードではないけど、最高のファイターの部類にはいるはずだ。ジョージ・ゴトーは、相手を傷めつけて勝てるファイターだ。僕とは手が合うだろう」

ジョージがレスリングからグラップリングという勝負をしてくるなら、僕は受けて立つ

――セルジオのMMAキャリアは15年になります。この間にMMAの主流というべき攻防も変化が見られますが、最近の打撃の距離についてどのような印象を持っていますか。

「MMAは常に変化している。マーシャルアーツは、その場に立ち止まることはない。皆が技術を共有し、成長する。新しい技術が生まれると、すぐに世界に広まる。日本でカーフキックが流行すると、世界中のファイターが使うようになったようにね。それがMMAの進化であって、ファイターがそこに対応するためにトレーニングを積んでいる。特に今のMMAでは、15分間動き続けることができるスタミナが欠かせない。

そのうえで攻撃力も防御力もついてきている。それがエンターテインメント・ファイトを生むんだ。ただ僕は今でもペースとレンジのコントロールを重視しているよ。それでも、真っ向からの打ち合いで勝たないといけないファイトもある。

それにテイクダウンから抑えられている試合は、僕自身もフラストレーションが溜まるからね。ただ今回の試合でジョージがレスリングからグラップリングという勝負をしてくるなら、僕は受けて立つよ。

実際、ジョージとの試合の2週間後にRAFでコディ・ガーブラントとレスリングマッチを戦うから、十分にレスリングの練習にも時間を割いている。試合が寝技になっても勝てる自信は十分にあるし、僕のグラウンドでの技術力を披露したいという気持ちもある。

そうだね……必要な局面がくれば僕のレスリング力をファンに見てもらうことになるだろうけど、それでも立って戦ってファンに喜んでもらいたい。最終的にはどちらかが相手を倒す戦いをしたい。それが僕であることを願っている。しっかりとゴトーをフィニッシュして、タイトルショットを手にしたいんだ」

――タイトルショットといえば、12月にミッチ・マッキーとテイラー・ラピルースのPFL世界バンタム級王座決定戦が組まれています。

「本来は僕がその場に立ちたかったけどね。PFLがコントロールすることであって、僕が何かできるわけじゃない。あの場に立つために、僕は勝ち続けるしかない。33歳、あと9年間ぐらいは戦っていくつもりだし、今やるべきことをやり続けるだけだ」

日本で戦えるなら1000パーセント戦う

――ミッチにリベンジをしたいという気持ちは?

「もちろんしたい。でも、負けた相手と再戦が組まれないケースもある。それも僕がコントロールできることじゃない。でも、ミッチを相手に本来の僕の力を見せてやりたいという気持ちは持ち続けているよ。ただし、彼らのタイトルショットの行方も僕は何もコントロールできない。だから、勝った方に挑戦できるように与えられた機会で結果を残すことを考えている」

――今回、後藤選手と戦うのもPFLとRIZINのクロスオーバー・プロモーションの一環です。我々も再びセルジオがRIZINで戦う姿が見てみたいです。

「そりゃあ、日本で戦えるなら1000パーセント戦う。RIZINとPFL……MVPのコラボが続いてほしい。と同時に、今回のジョージ・ゴトーのように日本人ファイターが海を越えて、日本以外で戦う試合もファンには楽しんでほしい。こういう機会があることが、このスポーツにおいて如何に素晴らしいかを分かってもらいたい。北米のファンだって、日本の優れたファイターを知るべきだしね。とにかく日本で戦える機会が訪れるなら、絶対に僕は戦うよ。

本当に日本という国が大好きで、愛している。まずは日本のファンにはドバイでの僕とジョージ・ゴトーとの試合をチェックしてほしい。彼をぶちのめさないといけないけど、僕らのファイトを楽しみにしていてほしい。何でも日本で僕とゴトーの試合を視るには午前3時まで起きていないといけないって聞いたけど、夜更かしをして良かったと思ってもらえる試合をする。ぜひ、僕らの試合を視て欲しい!!」

■視聴方法(予定)
11月14日(土・日本時間)
午後10時45分~U-NEXT


■PFL2026##15対戦カード

<PFL世界ヘビー級選手権試合/5分5R>
[王者]ワジム・ネムコフ(ロシア)
[挑戦者] セルゲイ・ビロシチェニ(ロシア)

<ウェルター級/5分3R>
パトリッキ・アビホハ(ベルギー)
オマール・エル・ダフラウイ(エジプト)

<ヘビー級/5分3R>
プーヤ・ラフマニ(UAE)
オレッグ・ポポフ(ロシア)

<ウェルター級/5分3R>
アブバカル・ヌルマゴメドフ(ロシア)
デヴィッド・マルチネス(豪州)

<バンタム級/5分3R>
セルジオ・ペティス(米国)
後藤丈治(日本)

<ライト級/5分3R>
シャム・ロック(米国)
コナー・ヒューズ(英国)

<バンタム級/5分3R>
ルイス・マクギレン(英国)
ナウラス・アブザフ(ヨルダン)

<フェザー級/5分3R>
アザエル・アジョウジ(アルジェリア)
モヴィッド・ハイブラエフ(ロシア)

<ライト級/5分3R>
アレクセイ・パーガンデ(米国)
アクメド・マゴメドフ(ロシア)

<フェザー級/5分3R>
ハサン・マゴメドシャリポフ(ロシア)
アダム・ボリッチ(ハンガリー)

<ヘビー級/5分3R>
デニス・ゴルソフ(ロシア)
マクスウェル・ジャントゥ・ナナ(カメルーン)

<ウェルター級/5分3R>
エルネスト・ロドリゲス(キューバ)
リース・マッキー(アイルランド)

<ライトヘビー級/5分3R>
ハビブ・ナビエフ(ロシア)
スティーヴ・ンゴノ(カメルーン)

<ウェルター級/5分3R>
カムザット・アバエフ(ベルギー)
リオン・ヒル(アイルランド)

<女子ストロー級/5分3R>
アレクサンドラ・サヴィチェバ(ロシア)
ジャシンタ・オースティン(豪州)

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