【KNOCK OUT RS15】マフィア・ペットモンコンディーと対戦、小林愛理奈「次の試合のほうが早く終わる」
【写真】サネーガーム戦でベルトを巻いた小林。KNOCK OUT3戦目も女子ムエタイ戦士を迎え撃つ(C)SHOJIRO KAMEIKE
11月3日(火・祝)に福島県は田村市のKNOCK OUT常葉アリーナでKNOCK OUT REBELS SERIES15が開催される。メインではKNOCK OUT-BLACK女子ライトフライ級王者の小林愛理奈が、タイのマフィア・ペットモンコンディーを迎え撃つこととなった。
Text by Shojiro Kameike
小林は今年5月のKNOCK OUT初参戦から、左ボディによる1R KOで2連勝。前回は8月の大阪大会でサネーガーム・サックチャムニを沈めてベルトを獲得している。3試合連続となるタイ人ファイターとの対戦を控えた小林に、サネーガーム戦の左ボディ解説とともに、タイ人対策を語ってもらった。
サネーガーム選手が組んでこようとした時に左ボディを入れるのは狙っていて
――今年5月からKNOCK OUTに参戦し、2試合連続で文字通りノックアウトしていることについて、感想を教えてください。
「これまでKNOCK OUTで倒す女子選手って、少なかったと思うんですよ。男子だけが大会名通りノックアウトしていても――女子もその大会に出ているんやから、しっかりKOしないといけない。自分がその先頭でしっかり見せられるんじゃないかと思っています」
――8月のタイトルマッチでは、試合前のインタビューで語っていたとおりの左ボディでサネーガームを沈め、ベルトを巻きました。
「あのボディは狙っていたので、綺麗に入って嬉しかったです(笑)」
――フィニッシュの前にも、何度か左ボディを打ち込んでいました。その時点で「これはボディで倒せる」という手応えがあったのでしょうか。
「サネーガーム選手の右ヒジをもらって、そのあとに少し距離が空いた時、サネーガームが右ミドルを蹴った時に自分が遠くから思いっきり左ボディを振ったんです。サネーガーム選手が組んでこようとした時に左ボディを入れるのは狙っていて。そのボディがメッチャ効いたなっていうのは、表情と呼吸とかで分かりました。直後に少し距離を詰めてみたらメッチャ嫌がっていたので、『倒れるな』と思いましたね」
――確かに首相撲からブレイクになった時の、サネーガームの嫌がり方は分かりやすかったです。
「首相撲が強い選手なので、皆は近づきたがらないと思うんです。でも自分は首相撲にビビらず、あえて距離を詰めるという作戦でした」
――あの時の打ち方を見ると、MMAグローブの場合は左ボディも真っ直ぐ当てるか、ヒジを直角にして打ち込むだけで効いてしまうことが効くのですね。
「そうですね。ボクサーやった兄(※元WBOアジア太平洋王者の小林豪己)からは『大きいボクシンググローブの場合やと、少し回しながら打ったほうがいい』と教えられていたんですよ。でもMMAグローブの場合は、その打ち方と空手の『突くようなボディ』の中間みたいな感じのほうが良いと思いました」
――なるほど。試合タイムは1R1分27秒で、自身としてはこれほど早く仕留めることができるとは考えていましたか。
「いえ。1R後半か、1Rは耐えられて2R前半に相手の気持ちが折れるかな、と。遅くても2Rには終わるかなって想定でした。思っていたよりも速くKOできましたね」
――サネーガーム戦後は会場の外で、応援団に囲まれ、喜びを分かち合っていました。
「アハハハ、周りからは『ヤバかったなぁ』みたいに言ってもらえて。自分も興奮してしまうタイプなので、『強すぎっしょ』とか言ったりしていましたね(笑)。でもあの試合は通過点やったので、すぐ落ち着いて試合映像を視返していました」
「痛くなければ無視」タイ人選手が嫌がりそうなことばかり研究して挑んだ
――試合映像を視て何か気づくことはありましたか。
「今まで自分が練習してきた技で倒せたことがなかったんですよ。『これで倒す』とイメージしているものとは違う技でダウンを取ったりすることが多くて。でもここ2試合は映像を視ながら『練習してきた動きを試合で出せている、集中して戦うことができている』と思いましたね。ただ、サネーガーム戦は自分が思っていたよりも、ヒジとか危ない攻撃も受けていて……。その時は『今のヒジ、危なかったなぁ』ぐらいの気持ちで試合を続けていたんです。映像を視たら『えっ!? こんなに当たっていたんや』とビックリしました(笑)」
――そうだったのですか。サネーガームの右縦ヒジが思いっきり小林選手の左アゴに直撃していて、『やはりヒジのタイミングは凄いなっ!!』と思っていました。
「あとで試合映像を視ると、ヤバかったですね。『バチーン!!』って音が響いていましたし(笑)。でも試合中は集中しているから、あまり貰っているのも気づかないんですよ」
――それはサネーガームの右ミドルに対しても同じでしたか。
「タイ人選手は基本、ミドルはキャッチして何か返すか、スウェーでかわしますよね。これまでサネーガーム選手と対戦していた日本人選手も、だいたいミドルをバックステップでかわしていることが多かったです。でも採点基準として、ミドルを一発蹴られたからといってポイントになるとか、それほどガチガチなものではないじゃないですか。だから自分は『痛くなければ無視』というか」
――おぉっ。
「こちらがミドルを蹴られることを気にしているほうが、タイ人選手はやりやすくなる。そう思って、ミドルはガン無視します(笑)。もちろんミドルが相当強くて、このまま受けていたらヤバいと思うほどやったら、変えますけどね。ただ、チームメイトの坂田実優は足の骨がメッチャ堅くて。彼女のミドルを受けて、腕が腫れ上がったことは何度もあって。『これ以上強いミドルはあるんか!?』と思うぐらいなので――だから試合でもミドルを蹴ったほうがいいよ、と言うんですけど、なかなか蹴ってくれない(苦笑)。まぁ、私としては坂田の蹴りを受けていると、他は『痛くない。軽っ』と思っちゃうぐらいで。サネーガーム選手のミドルも、一発目を受けて『こんなに軽いんや』と思って次から無視しました。
それはサネーガーム選手も嫌やったと思います。特に前回は、タイ人選手が嫌がりそうなことばかり研究して挑んだので、それも正解やったかなと感じています」
「どれだけ強い左ボディを打って、どれだけ速く引くか」という点を突き詰めてきた
――それとまた左ボディのお話ですが……、以前ボクシングのトレーナーさんの取材で、オーソドックス同士で左ボディを打つ際に必要なこと聞いた時があって。トレーナーさんの回答は「勇気」でした。
「あぁ~、分かる気がします」
――凄く接近された状態で「この距離でないと当たらないし、効かない。この距離に入る勇気が必要なんです」と言われ、納得しました。
「そうですよね。前回の試合でも、ヒジを貰った時は左ボディジャブに切り替えて、一度様子を見ました。やはり左ボディはリスクが高い攻撃でもあるので。昔、兄と練習していた時に、私が左ボディを出したところにパンチを合わされて、ダウンしたことがあるんです。その時は『男子やと勇気がいる攻撃なんや』とは思いましたけど、……女子やから、と言ったらアレですけどね。女子だと自分よりパンチが強い選手はいないから、貰いながらでも行けちゃうというか。女子やと当たっても倒れないという気持ちがあるから、試合でも思いっきり左ボディを打てるんかなとは思います」
――今お話に出た左ボディジャブですが、見た目の身長やリーチよりも、長く伸びる印象を受けます。
「私は身長よりもリーチのほうが長いし、そんなに腕は短くないんですよ。ジャブの差し合いも得意で。ただ『長く伸びる』というのは、飛び込んですぐ引くことを意識していたので、そう見えていたんかなって思いますね」
――腕が長く伸びているように見えるほど、ステップインとステップアウトを速くするよう意識している、と。
「そうなんです。距離が遠いからと相手が気を抜いている時に跳び込んで、でも入りすぎずに、すぐ引く。それは結構考えているところです」
――そう聞いて理解できました。サネーガームは打たれたあと首相撲で捉えようとした時に、距離感を掴めていないように見えたので。
「そうかもしれないです。それとサネーガーム選手が行こうとした時、また自分が距離を詰めていて左ボディが相打ちみたいになったんですよ。でもサネーガーム選手は、ここで相手が打ってくるとは思っていなかったから、余計にカウンターで入ったんじゃないですか。
それも自分は意識していました。最初は相手の攻撃を受けるのが嫌で、ずっと左ボディを打って引く、という練習をしていて。でもそれだと、どうしても左ボディが弱くなってしまう。だから『どれだけ強い左ボディを打って、どれだけ速く引くか』という点を突き詰めてきたし、今も毎日ずっと打ち続けているんです。さらに、どの場所を打ったら効くかというのも探りながら極めていっています」
相手も左ボディを警戒しているでしょうけど、分かっていても当たるパンチなので
――なるほど、です。さてサネーガーム戦から3カ月後、今回のマフィア・ペットモンコンディー戦が決定しました。
「私はすぐ試合をしたくて――山口(元気KNOCK OUT代表)さんが会見でも言ってくれていましたけど、最初はONE SAMURAIに出たいと交渉していたんですよ。でも試合が決まらなくて。すると山口さんから『試合したいよね?』と言われて、『試合したいです』と答えたら『前から声を掛けている選手がいるから聞いてみる』ということで、急きょ今回の試合が決まりました」
――2026年10月の時点で公式ホームページでは、RWS女子ミニマム級ランキングではマフィアが6位で、サネーガームが4位となっています。
「マフィア選手は以前、サネーガーム選手にKO勝ちしているんですよね。ただ、相性的にはマフィア選手のほうがやりやすいと思います。だから次の試合のほうが、早く終わりそうな気がします。マフィア選手は前に出て来るので、やりやすいですね。KNCOK OUT初戦で勝ったプードゥアン選手が同じタイプで、23秒でKOしたじゃないですか。それだけ前に出て来る選手との試合は、すぐ終わらせることができるのかなって感じています」
――2026年に入ってからラジャで戦っている試合を見ると、前に出てきて一度、首相撲で捕まえられると厄介ではないでしょうか。
「プードゥアン選手やサネーガーム選手よりは、体もパワーも強いとは思います。打撃で前に出て来るというよりは、組むための打撃を出して、組んでからヒジとヒザが巧いですよね。ラジャで負けているのも現王者のモンクペット選手やコレット選手(※コレット・ワダ=現ランキング1位)ぐらいなので、強い選手だと想定して練習しています。
自分もムエタイに転向したけど、タイ人選手が好きそうなことはやらせないスタイルでやっていきますから。もちろん相手も左ボディを警戒しているでしょうけど、分かっていても当たるパンチなので。自分の相手ではないというレベルの差を見せつけます」
■視聴方法(予定)
11月3日(火・祝)
12時~ KNOC OUT公式YouTubeチャンネル
■KNOCK OUT REBELS SERIES15 対戦カード
<KNOCK OUT-RED女子48.5キロ契約/3分3R>
小林愛理奈(日本)
マフィア・ペットモンコンディー(タイ)
<KNOCK OUT-BLACKスーパーフェザー級(※60.0キロ)/3分3R>
成尾拓輝(日本)
ペレー・サンライズジム(タイ)
<KNOCK OUT-BLACK女子アトム級(※46.0キロ)/3分3R>
世愛(日本)
白雪ゆき(日本)
<KNOCK OUT-BLACKバンタム級(※53.5キロ)/3分3R>
竜雅(日本)
唯斗(日本)
<KNOCK OUT-RED 59.0キロ契約/3分3R>
岡田彬宏(日本)
大渕翼(日本)
<KNOCK OUT-REDバンタム級(※53.5キロ)/3分3R>
利共(日本)
龍翔(日本)
<KNOCK OUT-BLACKスーパーフェザー級スーパーフェザー級(※60.0キロ)/3分3R>
小路督也(日本)
清水龍一(日本)

















