【ONE TIC37】組み技世界一=タイ・ルオトロの挑戦を受けるクリスチャン・リー「殺気を込めたファイトで」
【写真】組み技世界一との対戦にも、絶対の自信を持っている(C)MMAPLANET
6日(金・現地時間)、タイはバンコクのルンピニー・スタジアムで開催されるONE The Inner Circle37。同大会でONE世界ライト級王者クリスチャン・リーが、タイ・ルオトロの挑戦を受ける。
Text by Manabu Takashima
2度目の王座防衛戦。第一期政権時代を含めると、通算4度目のタイトルディフェンスファイトの相手は、世界最強グラップラーながらMMA戦績は2勝0敗だ。
「この試合は弟に勝った相手が、兄の王座に挑戦するというドラマ性が求められている」と言い切ったクリスチャンは、MMAにおけるグラップリングも絶対の自信を持っている。
そして「MMAファイターこそが、ベストファイターだと証明する絶好の機会を得た」と、クリスチャンは絶対の自信を見せていた。
マックス・ホロウェイとレイ・クーパーの2人に感謝している
――今日はクリスチャンの前にブラダボーイのインタビューをしたので、ハワイの2人の猛者の取材をしたことになります(笑)。
「そうなんだ。それは良かったよ。今回のファイトキャンプはレイに凄くサポートしてもらったよ。彼自身も修斗での試合もあるし、今後はライト級で戦うことも視野に入れて、凄くハードトレーニングをしていたよ」
――平良達郎選手がユナイテッドMMAを訪れ、マックス・ホロウェイ、エイドリアンと共にクリスチャンと一緒の写真をどこかのSNSで見ました。
「タツローは凄くナイスガイだったよ。ハードワーカーで。彼は1日だけユナイテッドMMAにやってきて、体重の軽い選手やアマチュアの選手と汗を流していたけど、凄く良い空気をジムに持ってきてくれた。誰が相手でも、本当に手を抜くことなく全てのトレーニングセッションでベストを尽くしていた。タツローにはいつでも良いから、もっと長い期間、僕のジムに来てほしい。
そしてマックス・ホロウェイ。マックスはあの日だけでなくて、レイと共に今回のファイトキャンプで本当に僕を助けてくれた」
――ストライカーのマックスと、ボックス&レスリングのブラダボーイがタイ・ルオトロとの防衛戦を控えたキャンプでスパーリングパートナーだったということですか。
「もちろん、メインパートナーはエイドリアンだよ。弟はタイ・ルオトロとも戦っているし。それに他にも多くの練習仲間はいる。それでもマックスはあれだけのことをUFCでやり遂げたファイターで、キャリアを通してテイクダウンからサブミッションを狙う相手と戦ってきた。そういう面で素晴らしい戦術眼を持っている。
レイは凄くパンチ力のあるレスラーだ。ボクサーレスラーのレイとの練習は、タイ・ルオトロの仕掛けととても似ている。だからテイクダウン対策という面で、最高の練習ができた。この2人に助けてもらった部分は多いよ」
――UFCとONE、PFLの世界チャンピオンが一同に集うなんて夢のようなトレーニングセッションですね。
「凄く実のある練習ができたからマックス・ホロウェイとレイ・クーパーの2人に感謝している」
――エイドリアンからは、戦った者にしか分からないようなアドバイスを貰いましたか。
「イエス。エイドリアンがタイと戦った時に、僕は一緒に対策を考えてコーナーにも就いていた。今回は同じようにエイドリアンがしてくれる。エイドリアンはテイクダウンを試合の序盤に許してしまった。そこからグラップリングマッチになったけど、あのテイクダウンがなければ試合展開は全く違っていただろう」
MMAグラップリングで、タイが僕より上だとは思っていない
――そもそもタイ・ルオトロがキャリア3戦目で、王座挑戦権を得ると予想していましたか。
「たった2試合で世界王座に挑戦できる選手が現れるなんて、思いもしていなかった。今回の世界戦が実現したのは、彼が僕の弟に勝ったからだ。主催者は弟に勝った相手と、僕がベルトを懸けて戦うドラマ性を欲したんだよ。もちろん、タイのグラップリングとサブミッションの技術力は世界のトップというのもあるだろうけどね」
――グラップラーとしてのタイの能力をどのように思っていますか。
「グラップラーとして最高だ。スクランブルも強いし、常にサブミッションで勝とうとしている。既に世界最高のグラップラーだと証明している」
――ではMMAファイターとしては?
「グラップリングとMMAは別モノだからね。グラップリングだけで戦うのと、打撃がある状況は違う。MMAグラップリングで、タイが僕より上だとは思っていない」
――MMAはトータルファイトであり、クリスチャンは究極のウェルラウンダ―だと思います。
「ありがとう」
――だから相手の嫌なことをして、勝つのはMMAとして定石で。つまりタイのテイクダウンを切って打撃で勝負する。と同時に、クリスチャンがタイとMMAのグラップリング・ウォーを繰り広げるような戦いも見たくはなります。そのようなケースになった時、ディフェンスとエスケープに重点を置きますか。
「試合が寝技の展開になっても、自信はあるよ。トップからグラウンドの攻防をして、勝てると思っている。当然のように彼は僕をテイクダウンするチャンスもある。ただトップを取ってもパウンドを有効に使えるとは思わないし、だからこそ僕を極めることはできない。そして、僕が立ちあがる隙を見せるに違いない」
――柔術の世界チャンピオンがMMAに転向しても、もう20年も前から簡単でないというのは常識になっています。ただ。多くの柔術家が柔術マッチでポイントゲームや下になって勝ってきたというなかで、ルオトロ兄弟は下だけでなく、テイクダウンからトップゲームでも組み技のトップに立ったという点において、彼らのMMAが楽しみでした。
「柔術は守って勝てる競技だ。だから、下からの仕掛けからポイントゲームをしてきた柔術家はMMAには適していない。ルオトロ兄弟は、そういう柔術家と比較してレスリングが上手くてテイクダウン能力が高い。MMAに適しているという意見も正しいだろう。
彼らのトップを取ってからのグラップリングは、MMAにおいても絶対的にアドバンテージになる。だから最初からMMAでも結果を残せている。ただし、あんな風にアグレッシブに戦っていると、隙もできる。僕はずっとMMAを戦ってきたから、アグレッシブな攻めと過度にアグレッシブな攻撃の違いはすぐに判断がつく。そこに対しての準備もしっかりしてきたよ」
柔術家が僕とやり合っても、チャンスはない。それを証明するためには、タイ・ルオトロは格好の相手だ
――MMAのサブミッションというのは、本来は安全なポジションから仕掛けるものですよね。RNCのように。
「そうでないと下になるリスクが生じる。タイ・ルオトロのようにMMAでキャリアが少ないと、思い通りの試合ができなくなった場合は。一か八か的なリスクの高いサブミッションを仕掛けてくるようになるだろう。
だからテイクダウンを切られると、タイ・ルオトロがどうなるのか。きっと引き込んで足関節や、跳びついてサブミッションを狙ってくる。そうやって、大きな動きが必要になるように仕向けようと思う」
――MMAのチャンピオンだからこそ、ワールド・ベスト・グラップラーに負けられないというクリスチャンのプライドが言葉を通して伝わってきます。
「他のスポーツと比較して、MMAファイターが、究極のファイターだと常に言ってきた。だからこそ僕はMMAを戦い、ベストを目指してきた。キックボクサー、ボクサー、柔術家が僕とやり合っても、チャンスはない。それを証明するためには、タイ・ルオトロは格好の相手だ。だからこそ、今回の防衛戦は僕のキャリアにとっても凄く大切な戦いになる」
――その大切な試合、どのようなパフォーマンスを見せたいと思っていますか。
「僕がライト級とウェルター級で世界のベストファイターだと示したい」
――リングの外ではナイスガイ。でも、リングの上ではキラーになるクリスチャンの容赦のない闘争本能、キラーインスティンクトが見られるのを楽しみにしています。
「もちろん、殺気を込めたファイトで仕留めにいくよ。だから日本の皆も僕の試合に期待してほしい。1日でも早く、日本に戻って試合がしたいと思っているよ。あぁ、それからレイ・クーパーに会ったら、2人揃って勝利をハワイに持ち帰ろうと伝えて欲しい(笑)」
――承知しました(笑)。
■放送予定
11月6日(金・日本時間)
午後8時15分~U-NEXT
■ONE Inner Circle37対戦カード
<ONE世界ライト級(※77.1キロ)選手権試合/5分5R>
[王者] クリスチャン・リー(米国)
[挑戦者] タイ・ルオトロ(米国)
<ムエタイ・バンタム級/3分3R>
コマウット・FAグループ(タイ)
ヨドプハ・ペッチキアットペット(タイ)
<ムエタイ・フライ級/3分3R>
コンチャイ・チャナイドンムアン(タイ)
タンタウィアハメド(エジプト)
<ムエタイ・ライト級/3分3R>
タイタス・プロクター(ニュージーランド)
マチェイ・カルピンスキー(ポーランド)
<ムエタイ・ストロー級/3分3R>
カル・クック(英国)
ダブダム・ポートートートンダウィー(タイ)

















