【ONE FN35】MMA初陣=タイ・ルオトロ、予想外の激闘。強さを見せたエイドリアン・リーを絞め落とす
【写真】今後、MMAでどういった相手と戦っていくのか――気になる(C)ONE
<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
タイ・ルオトロ(米国)
Def.2R4分14秒by RNC
エイドリアン・リー(米国)
タイ・ルオトロのMMAデビュー戦、相手は19歳でキャリア4戦目のエイドリアン・リーだ。サウスポーのタイがすぐにシングルレッグへ。エイドリアンはエルボーを落とし、ウィザーでテイクダウンを許さない。それでも後方にボディロックダウンを決めたタイは、エイドリアンのクローズドガードの中でエルボーを落としていく。
手首を掴まれ、思うようにパンチを落とせないタイはエイドリアンの果敢な腕十字に立ち上がる。エイドリアンはそのまま鉄槌を見せ、タイは落差の少ないスラムでクリアするが、蹴り上げが襲い掛かる。
結果、ガードの中に入ったタイはしがみつくエイドリアンにエルボーを連打し、左右の鉄槌を落とす。エイドリアンは十字を察知されたがアップキックを顔面に入れる。三角狙いを担ぐタイ、腰を押してパスを許さないエイドリアンが、思った以上に寝技を凌いでいく。
それでもタイは足を抜くと同時にマウントを奪取し、パンチを落とす。ロープを蹴ったエイドリアンだが、ブリッジはできず懸命にしがみつきシザーズからスクランブル、バックを狙う。正対したタイは打撃戦に応じ、左ハイを狙った。
2R、エイドリアンがインロー。タイは右フックをヒットさせる。左ハイからインローのタイだが、エイドリアンのステップインには真っすぐ下がる場面も。左の蹴りを多用するタイは、攻めの打撃はなかなかのところを見せ、ジャブを届かせる。エイドリアンもジャブを当て、右フックへ。
と一気のシングルレッグでテイクダウンを決めたタイはハーフから足を抜いてマウントへ。ロープキックの足を捌いて腕十字に入ったタイは、極めきれないと判断するとサイドからマウントに移行して、連打を下ろす。エイドリアンはここもロープキックからスクランブルに持ち込むが、バックを取ったタイがパンチを後方から打ち込む。左フック、アッパーと絶妙なダーティーボクシングを見せたタイは自ら後方に倒れ込み両足をフック。
すぐにRNCを仕掛けていく両者の上半身がエプロンに出ると、レフェリーが「ストップ」を連呼する。その指示の合間に、体を反転させてリング内に戻ったタイはストップの指示後にグリップを取ったとされ、そのグリップを解かれる。
それでも襷に戻されながら、逆に喉下の右腕を深く差し込む状態で試合が再開……。タイは簡単にRNグリップへ。手首を掴まれて防御されると――自ら右手で左手首を掴むバタフライグリップで絞めあげる。懸命に耐えていたエイドリアンはタップ後に、落ちた。
「少しでも早く極めるつもりだったけど、彼は本当にタフだった。2Rになってより経験が積めた。打撃戦もやって、キャンプ中ずっとアゴを下げろって言われてきて。エイドリアン、ありがとう。ブラザー、今日の試合は敗者はいない。彼はチャンピオンになれる。エイドリアンに感謝している。押忍。これだけの経験ができて勝てた、嬉しいよ。本当にハードで、本当に楽しかった」とタイは話した。
激闘を制したタイは5万ドルのボーナスを獲得。その激闘の要因は、エイドリアン・リーの頑張り。エイドリアンの今後も非常に楽しみだ。