【Shooto2022#05】高岡宏気と対戦──齋藤奨司─02─「今後の目標? やっぱり新人王。髙谷さんに続きます」
【写真】尊敬してやまない髙谷裕之は2003年の修斗新人王(C)MMAPLANET
17日(日)、東京都文京区の後楽園ホールで行われるShooto2022#05で、高岡宏気と対戦する齋藤奨司のインタビュー後編。
POUNDSTORMの風間敏臣戦では、練習の成果と自身の成長を見せることができた、と齋藤は言う。一方で、自分が勝利した選手がRoad to UFCに出場し、勝利した姿を見て何を思ったのだろうか。そんな齋藤に次の試合と、その先にある目標について訊いた。
<齋藤奨司インタビューPart.01はコチラから>
――2R開始早々のフィニッシュとなった跳びヒザは、試合前から用意していたものだったのでしょうか。
「あれは用意していました。相手の試合映像を見ながら、みんなで『これは跳びヒザが当たるんじゃない?』と話をしていて。高谷さんからも『これは当たるぞ』って。相手は打撃を無視して突っ込んでくる傾向があったじゃないですか。僕自身もスパー中に、あの展開で跳びヒザが当たる感覚を掴んでいました」
――スパーリングで跳びヒザの練習をしていたのですか。
「はい。さすがに思いっきりはやらないですけど(笑)。テイクダウンに来たところに合わせる、そのタイミングは身につけていました。でも、あとで試合映像を見ると、思っていたより自分が跳んでいましたね。自分としては単なるヒザ、っていうぐらいの感じだったので。あとは、外れて組みつかれても、すぐに立って四つ組みの対応をしながら削っていこうと思っていました」
――MMAには様々な要素があり、その要素を組み合わせて戦う面もあると思います。これまでの4戦を経て、自分が使える要素が増えてきたのでしょうか。
「要素が増えて、その中でも自分に適したものが分かってきたという感じですね。MMAってやることが、いっぱいあるじゃないですか。アレもコレも、と考えていると自分のスタイルについて迷ってしまうというか。すると全てが中途半端になってしまうんですよね。今は自分のやるべきことをやるための練習をしているので、迷いなく全部出すことができます。最近の試合は、それが出てきているのかなと思います」
――そして風間選手は、齋藤選手との試合から1カ月後に、Road to UFCに出場しました。その試合はご覧になりましたか。
「見ました。風間選手に対しては……僕に負けた選手がRoad to UFCに出たからといって、特に思うところはなかったです。あぁ、頑張っているなっていう感じでした。
でも、自分がRoad to UFCに出られていない悔しさはありましたよ。みんなが出たいと言っている場所に、僕が勝った選手が出ていて、しかも勝っているので。やっぱり自分も出たい、そう思いました」
――自分が勝った選手がRoad to UFCに出て勝っている。ならば自分も勝てる、という気持ちにはならなかったのですか。
「う~ん、僕と風間選手ではファイトスタイルが全然違いますからね。僕がこういうスタイルだから、僕のほうが風間選手と噛み合ったわけで。また別の選手と対戦すれば、風間選手にとって、しっかり噛み合う試合になる。それが先日のRoad to UFCだったと思いますし。でも、風間選手が勝ってくれたことで、自分にとっても自信になりました」
――その風間戦を経て、次は修斗で高岡宏気選手と対戦します。この2試合を経て、修斗ではどのように展開していきたいと考えていましたか。
「僕は新人王トーナメントにエントリーしているので、やっぱり新人王を獲りたいです。髙谷さんも修斗で新人王を獲っていますから」
――……そういえば、まだ新人王トーナメントの途中でしたね。パンクラスのランキング1位である風間選手にKO勝ちしていたからか、そのことが頭から抜けていました。
「アハハハ、前の試合も新人王トーナメントの2回戦になる予定だったんですよ。あの時は対戦相手の怪我か何かで、トーナメント2回戦ではなく通常のワンマッチになりました。次の修斗も本来はトーナメント2回戦だったと思うんですが、結局は高岡選手とのワンマッチになったみたいです」
――そうだったのですね。今回の試合後にまだ新人王トーナメントの2回戦以降が行われるとすれば、かなり濃いスケジュールになると思われます。
「でも勝てば次の試合がある。それがトーナメントの良さですからね。僕もガンガン試合したいので。試合をする度に強くなっている実感もありますし。場数を踏んで、どんどん強くなりたいです。新人王トーナメント以外でも試合があるなら、ぜひやりたいですね」
――そうなると1カ月に一度の試合ペースになりますが……。
「でも、前回の修斗からPOUNDSTORMまで1カ月しかなかったですけど、それが良かったんですよ。まず修斗の試合で怪我がなかったですし、体のキレや試合の感覚も残ったままPOUNDSTORMまで繋げることができましたから。怪我がなければ、どんどん強い選手と試合がしたいです。相手が強いからって試合をしない、なんて選択肢は僕にはないので」
――なるほど、漢の言葉ですね。現時点で、すでに体も絞れているようですね。
「そうですね。試合まであと10日ですし(※取材は7日に行われた)、もともと絞りこんでいくタイプなので。アマチュアボクシングで70戦ぐらい経験し、減量も慣れているほうだと思います。アマチュアボクシングだと試合当日の計量で、3時間後に試合をすることもザラだったんですよ。プロでは1日休めるので、だいぶ違います。試合で、減量の影響で体が重いといったような経験は、全くないです」
――その経験は大きなアドバンテージですよね。では次の高岡戦への意気込みをお願いします。
「たぶん組んでくるでしょうけど、自分がやるべきことをやれば、勝てると思います。いつもどおり殴って蹴って、KO勝ちして盛り上げたいです。今後の目標としては、やっぱり新人王を獲りたいですね。新人王を獲って、髙谷さんに続きます」