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【WJJC2021】茶帯フェザー参戦の平田孝士朗「ワールドプロで経験値を上げられて良かった」

【写真】アブダビからロサンゼルスに直行。アイザック・ドーダラインとコブリーニャのもとで最終調整に打ち込む平田 (C)KOSHIRO HIRATA

9日(木・現地時間)から12日(日・同)まで、カリフォルニア州はアナハイムのアナハイム・コンベンションセンターにて、IBJJF主催の世界ブラジリアン柔術選手権が行われる。
Text by Satoshi Narita

2年振りの開催されるムンジアルに──青・紫・茶帯の全日本王者、青・紫帯のアジア王者という実績を持ち、茶・黒帯混合トーナメントKIT03優勝も記憶に新しい平田孝士朗は、茶帯フェザー級に参戦する。

MMA好きの友人に誘われて高校1年で柔術を始めた当初は、「MMAを磨いて総合をやろう」というプランだったが、柔術が「普通に楽しかった」から、それに専念する道へと進路を変えた平田。鹿児島生まれ、カルペディエム所属の21歳に、これまでを振り返ってもらいつつ、目前に控えた大一番について話してもらった。


――MMA好きの幼なじみと一緒にDVDでノゲイラを見ていた平田少年は、その友人と高校1年で生田堅固氏率いるトラスト柔術アカデミー鹿児島に入会するわけですね。柔術のどんなところに惹かれたのでしょう。

「道場の雰囲気も好きだったし、周りの人がよくしてくれたので。最初は練習自体がよくわからなくて、ただみんなが教えてくれるようにやっていました」

――フルタイムで専念しようと思ったのは?

「柔術を始めて1、2年後に橋本知之さんのセミナーに行って、そこで橋本さんと仲良くなったことが大きいです。柔術だけで生活している人だし、だから『カルペに柔術だけ練習しに行きたいです』ということも、橋本さんに最初に言いました。許可を得て、夏休みとかに練習に来て。もしここに入れるなら、ここで柔術をしていたいと思うようになって」

――カルペディエムに移籍したのは高校を卒業した2018年、ムンジアルに初めて参戦したのは、その前年ですね。

「イゴール(・タナベ)と九州の大会で初めて会って。いきなり『世界大会に出ない?』って言われたのがきっかけです。当時は青帯で、九州でしか試合したことなかったけど」

――九州を出て初めて参戦した大会がムンジアルだった。

「そうです。青帯ライトフェザーで出て、2回戦で負けました。結局その相手が優勝したんですけど、アドバン1差くらいで負けて。もっとボコられると思っていたから、意外とそんなことはないのかなと思って。……そのあとの全日本とグランドスラム東京、アジアは獲れました。でも、2018年は青帯で全部獲れなかったですね」

――ムンジアルは2回戦負けで、全日本は3位。一転して2019年はムンジアル参戦はなく、全日本(JBJJFとSJJJF)、グランドスラム東京、アジアで優勝。そこからはマリアマスオープンの日本予選を除いて負けなしだったと思います。ただ、満を持して臨んだように見えた11月のワールドプロでは2回戦で敗退(1回戦はシード)、敗者復活トーナメントでも上位に食い込めませんでした。

「あの時は初戦が山場だと思っていて、相手はブラジル予選の優勝者だし、強いやつが出てくると思っていました。相手にめっちゃゴリ推しされる感じじゃなかったし、最後は1-1になって、引き込めれば勝てると思ったんですけど。……何でか知らないけどミスってタックルにいってしまったのを投げられて、1-3で負けました」

――敗者復活トーナメント、結果的に3位に入賞したロシア人選手との試合はどう振り返りますか。

「めっちゃベースが固いなというか、“ザ・ロシア”みたいなパワーを感じました。レスリングが強い感じの人で。……でも海外で試合をしたのは久しぶりなので、それは良かったと思っています。経験値を上げられて良かったと」

2021年はJBJJF全日本選手権で階級別&無差別優勝。茶・黒帯混合トーナメントのKIT03ではグラント・ボグダノフ、大塚博明、森戸新士を下して優勝した平田(C)SATOSHI NARITA

――ワールドプロ後は帰国せず、ロサンゼルスのアイザック・ドーダラインとコブリーニャのジムで事前合宿を行っています。

「基本的にはアイザックのジムに行っています。なぜ2人のところなのかは、スタイルが好きっていうのがありますね。フェザー級で活躍しているし、アイザックはアグレッシブでテクニカルだし、コブリーニャはベースがめっちゃ強くて、使う技がシンプルなのに強い。

10月21日に着いて、それからは練習だけです。メンタルはボコボコですね(笑)。昼はコブリーニャのところで、スパーリングの相手が基本的にアイザックやケネディ、ハファ(ハファエル・ドス・アンジョス)とかトップに食い込むような選手で、茶帯は自分だけなんですよね。

『7分10本』って感じで、アイザックとやることがけっこう多くて。ボコされるわけじゃないですけど、自分で『これはいい』『これはできた』っていうのがなくて、ディフェンスで精一杯というか。やられているシーンしか頭に入ってないから、試合で『こういうかたちでいこう』とか、イメージが今は湧かないです。でも、良い環境でやれています。アイザックもコブリーニャもアドバイスをしてくれますし」

――ブラケットはもう見ましたか?

「あ、もう出たんですね?(インタビューはブラケット公開直後に実施)……ワールドプロもそうだったんですけど、弱い人はエントリーしていないと思うので、ブラケットはあんまり見ないですね。結局誰が相手でも、自分の実力は同じなので、あまり気にしても変わらないし。一回戦の相手は試合を見ることもあるけれど、それも『どんな人なんだろう?』って感じで」

――では目標は?

「目標は、そうですね。全日本では茶帯で良い成績を残せたと思うので、ここも獲りたいっていうのはあります」

■視聴方法(予定)
12月9日(木・日本時間)~13日(月・同)
午前2時30分~Flo Grappling

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