【UFN21】五味、UFCデビュー戦はケンフロの前に散る
■第11試合 ライト級/5分3R
ケニー・フロリアン(米国)
3R2分52秒/リアネイキドチョーク
五味隆典(日本)
【写真】3Rに入り、疲労も蓄積する厳しい時間帯であってもフロリアンは、この動き。五味からテイクダウンを奪うと、その動きに合わせて瞬時にポジションを変え、チョークで捕獲した (C) ZUFFA
サウスポーで構える両者、ケンフロが中央、五味がその周囲を移動しながら、前へ。ケンフロが前に出て、右を振るうが空振りに。直後の五味の右も空を切る。ケンフロの右ジャブ、そして五味左ジャブが交互に軽くヒットし、場内はUSAコールが鳴り響く。
蹴りを出さないケンフロに五味の右フックがヒット。ケンフロの右が精度があがり、さらに首相撲からヒザを放つが、これは五味が寸前のところでかわす。構えをオーソドックスに変えた五味、すぐにサウスポーに戻すが、ケンフロに右ローを当てられる。
五味は左へ回りながら、左ボディを放つも、ケンフロの右ジャブが再び五味の顔面を捉える。それでも、五味は左に回り、左を繰り出すが、逆に左ストレートを受けてしまう。
五味の右ボディがヒットするも、直後にケンフロの左を受け、鼻血が滴り落ちる。ケージに詰められ気味の五味。テイクダウンを狙うが、ケンフロは首相撲で耐え、ここでも左ジャブをヒット。ラスト10秒、右ハイを五味が狙うが空振りに。ラウンド終了間際のパンチの交錯で、五味の左がケンフロの顔面を捉えたか――、インターバル中に左目の上を冷やすよう、セコンドに指示を出した五味。パンチの精度ではケンフロに遅れを取った初回となった。
2R、右ジャブを出す五味に、ケンフロの左が伸びる。低い構えから左ボディフックを見せたが、ケンフロの右ジャブは容赦なくその顔面を襲う。ケンフロの右ボディに対し、五味も右を返す。ようやく体が温まってきたのか、五味の動きが柔らかくなった。
前に出てプレッシャーをかける五味に、ケンフロの手数がやや少なくなる。首相撲からボディにヒザを突き上げたケンフロに、五味は息を整え、オーソ、そしてサウスポーにスイッチする。左を伸ばすも届かない五味だったが、直後の右ボディがケンフロを捉える。
前に出る五味は、左ボディをヒットさせるが、顔面にはパンチがなかなかヒットしない。ここで左ハイを見せたケンフロは、さらに右ジャブを連打する。足を使い、いつもの動きに近くなったケンフロに対し、五味の右フックが大きく空を切る。2R終了間際にもハイを繰り出した五味だったが、これも空振りに終わった。
息の詰まるような精神戦にも、観客はブーイングを送り、試合はついに最後の5分間へ。右ジャブから、組みついたケンフロ。五味は態勢を入れ換えるが、ケンフロはヒザを狙う。再び距離ができるが、オーソに変えた五味はケンフロの右ローを受け、再びサウスポーへ。ここで、ケンフロがダブルレッグでテイクダウンを奪うことに成功する。五味はクローズドガードをとるが、わき腹にパウンドを落としたケンフロは、顔面に右パウンドを落とす。
立ち上がりたい五味だが、腰、そして首をコントロールされ、そのままマウントを奪われてしまう。パウンドからチョークを狙うケンフロ。五味が腰を浮かしたところで、ケンフロはマットに回り込むようにバックを取り、五味の背中を伸ばし一瞬にしてチョークを極めると、ほどなく五味は右手でタップの意思を示した。