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【UFC ESPN27】ケージコントロールのディラショーが、インパクト重視のサンドハーゲンを2-1で下す

<バンタム級/5分5R>
TJ・ディラショー(米国)
Def.2-1.48-47.48-47.47-48
コリー・サンドハーゲン(米国)

サウスポーのディラショーに対し、サンドハーゲンが右ローを蹴る。左右に激しく動くサンドハーゲンは、ディラショーのワンツーにワンツーを返して、右ローを入れる。直後に右を被弾して動きが止まったディラショーに、サンドハーゲンが跳びビザを狙う。これをキャッチしてテイクダウン狙いのディラショーに、サンドハーゲンは変形の三角をセットする。

頭を抜いてトップを取ったディラショーがパウンド、サンドハーゲンは背中を譲って立ち上がる。離れた両者、サンドハーゲンはディラショーのテイクダウン狙いを巻き込んでスイープを狙う。すぐにスタンドに戻ると、ディラショーが蹴りを掴んでバックへ。ここも巻き込んでガードを取ったサンドハーゲンは、蹴り上げから鉄槌、そして三角へ。さらに足関節狙いもディラショーはヒザを抜いておりパンチを落としていく。50/50のサンドハーゲン、ヒザを畳んだディラショーが鉄槌を落とす。一瞬で内ヒールに入ったサンドハーゲンが、直ぐにリリースする。離れたディラショーは足を気にしているようでもあった。

2R、インターバルの間、左ヒザを冷やしていたディラショーは、右を見せてすぐに組みつく。ケージに押し込まれたサンドハーゲンは回って離れると、左ミドルをキャッチして倒しに掛かる。足を抜いて向き合ったディラショーにジャブを当てるサンドハーゲンが、ワンツーをヒットさせる。ディラショーはオーソに構える。サンドハーゲンは踏み込んで右アッパーカット、さらに左フックを2発当てるとディラショーが崩れる。

テイクダウン狙いで凌ごうとしたディラショーだが、切られると右フックを被弾する。カットでドクターチェックを受けたディラショーは、再開後もジャブ、跳びヒザ、エルボーと猛攻を受ける。それでも右を振るって前に出るディラショーだが、右目の上のカットから激しい流血が見られる。組んでケージに押し込んだディラショーはバックに回るも、それ以上の攻めを見せることはできなかった。

3R、左を当てたディラショーが、バックに回りながらパンチを入れる。正面をむいたサンドハーゲンが左フックをヒット、ディラショーは左ジャブからスピニングバックエルボーを受けそうになる。直後に組みついたディラショーがワキを潜ってバックへ。グリップを剥がしにかかるサンドハーゲンは胸を合わせて左エルボーを打ち込む。

離れたディラショーの流血が目立つ。そしてサンドハーゲンがワンツーをヒットさせる。それでもディラショーは右ローを効かせるが、右を受けて動きが止まる。サンドハーゲンがスピニングバックキックで姿勢を乱し下になると、ハイガードを担がれそうになりバックを見せてスクランブルへ。体を入れ替えた離れたサンドハーゲンが、右を当てる。ディラショーはオーソ基調になり、右ローを蹴っていく。そのローから右に繋げ、左を見せたディラショーが組みつく。離れたサンドハーゲンがダブルレッグ、切ったディラショーがバックに回る。後方から殴ったディラショーに対し、前を向いたサンドハーゲンが打ち返し、タイム後に左を当ててしまった。

4R、ねちっこい展開でポイント挽回したディラショーは右ローを蹴り、ワンツーへ。距離を取ったサンドハーゲンは右を蹴られ、左フックを右を被弾する。前に出るディラショーは右を被弾するが、左右のローから左ジャブを伸ばす。さらに組んでバックに回るなど、ペースをディラショーが握る。胸を合わされると離れたディラショーは、左フックを打たれる。サンドハーゲンはジャブから、フックをかわして右を当て、左を打っていく。構えを変えながら、左ボディフックを入れたサンドハーゲンは、ここも組まれてバックを許す。

このテイクダウンに至らない攻撃をジャッジはどのように評価するか。残り90秒で離れた両者、すぐにディラショーが組んでバックに回る。ディラショーの狙いは、オクタゴン・コントロール──サンドハーゲンは離れて、ローを蹴られる。スピニングバックフィストをヒットさせてサンドハーゲンだが、ジャッジはどのようにこのラウンドを見たか。

最終回、インパクト✖ケージコントロール──ここまで38-38という見方も成り立つなか、ディラショーは右ロー、サンドハーゲンが右を当てる。ワンツー&右を当てたディラショーが左ミドル、サンドハーゲンがワンツーを打ち返す。ディラショーは飛び込んで右を当て、ダックアンダーからバックに回る。

胸を合わせたサンドハーゲンは、直後のダブルレッグを腹を突き出して切り、ケージに押し込まれても離れる。ジャブからストレート狙いのサンドハーゲンは、組みにヒザを蹴り込む。左を被弾し、右のカウンターを入れたサンドハーゲンは左を入れる。パンチよりも明らかにスピードに乗った踏み込みで、組んでいくディラショーだが、離れて右を打立てる。

残り1分、左を当ててダブルレッグに出たディラショーが、ケージにサンドハーゲンを押し込む。回って離れたサンドハーゲンは左でボディを抉り、ディラショーが右を伸ばす。ローに左を当てたサンドハーゲンは、右カウンターも決めるがディラショーは姿勢を乱すことなく前に出続けた。直後にタイムアップに──ダメージは明らかにディラショーだが、ゲームを纏める巧さを見せた。

結果、スプリットに割れジャッジの裁定はTJ・ディラショーに挙がる。「素晴らしい相手だったけど、プッシュし続けた。キャンプでカットしたところがまた切れた。ヒザも組んで、フックしようとした時にポップしてゲームプランを変えるしかなかった。次? もちろんタイトルファイトだ」とディラショーはインタビューに答える。

一方、サンドハーゲンは「最初にミスってアジャストした。全くシリアスなダメージもないし、分からないよ……分からない。僕はダメージないし、勝っていたはずだ」と納得しかねる表情を浮かべた。


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