【UFC320】ネバーエンディング・キャッチ&リリースでデヴァリシビリが王座防衛―「僕は普通の男」
<UFC世界バンタム級選手権試合/5分5R>
マラブ・デヴァリシビリ(ジョージア)
Def.3-0:49-45.49-45.49-46
コリー・サンドハーゲン(米国)
左に回り低い姿勢を取るサンドハーゲンが左インローを蹴る。ワンツーで前に出たデヴァリシビリに対し、左をサンドハーゲンが合わせる。サンドハーゲンはステップインにジャブを合わせると、ローからジャブを振るう。シングルを見せてワンツーのデヴァリシビリは、右アッパーに反応して下がる。左ボディを入れたサンドハーゲンに対し、左フックを当てたデヴァリシビリがシングルレッグから、ケージへ。ボディロックテイクダウンを耐えたサンドハーゲンは細かいパンチやヒザを放つ。右を差し上げて前方にテイクダウンを決めたデヴァリシビリは、すぐに立ち上がったサンドハーゲンのバックへ。
バックコントロールに固執しないデヴァリシビリから離れたサンドハーゲンがワンツーを入れ、ローを蹴る。さらにジャブを入れるとサンドハーゲンが右を伸ばす。一気の寄りでクリンチのチャンピオンは、アッパーを3発入れて離れる。跳びヒザは中途半端だったサンドハーゲンだが、デヴァリシビリのステップインはサークルアウトする。さらに前に出来る王者にヒザを狙った挑戦者は、ワンツーに下がったデヴァリシビリにローを蹴り込み初回を終えた。
2R、「100パーセントでいくな」と指示を受けたサンドハーゲンは、すぐに組んできたデヴァリシビリのハイクロッチを切るが、バックを許す。ボディロックから崩され、立ち上がるという攻防も、あっさりとリリースしたデヴァリシビリ。ワンツーからスリーで前に出るとサンドハーゲンのヒザ蹴りにも右を狙う。ここから左右のパンチを振るって前に出たデヴァリシビリは、右を効かせると連打で猛攻を仕掛ける。懸命に組みつこうとして、亀になったサンドハーゲンにパンチを続けるデヴァリシビリは、立ち上がってところにヒザを入れボディロックで倒して殴る。
スタンドに戻ったサンドハーゲンを殴り続けたチャンピオンは、バックコントロールで息を整えると後方に崩してパウンド。ここから4度立ち上がって、5度目のシングルでついにサンドハーゲンがキャンバスに背中をつける。スクランブルでバックに回ったデヴァリシビリは、ここも尻餅をつかせ立ったところでヒザを突き上げる。地獄のスパイラルに陥ったサンドハーゲンは、残り10秒になってデヴァリシビリが離れ解放された。
3R、慎重に蹴りからパンチの機会を伺うサンドハーゲンに対し、デヴァリシビリはワンツーで前に出てダブルレッグからバックに回る。ここはパンチに出たチャンピオンは、間合いを取り直した挑戦者の右ボディストレートを受ける。ボディを続けるサンドハーゲンだが、初回のようにジャブが決まらない。と、シングルレッグからダブルレッグ――結果、デヴァリシビリがバックに回る。ここでも自ら離れたデヴァリシビリは、構えを変えてハイを受けそうになる。右オーバーンハンド、左フックから組んだデヴァリシビリがハイクロッチでテイクダウン。
スクランブルで背中を取ると、打撃の間合いに戻る。一見、サンドハーゲンにチャンスが広がりそうだが、パンチを振るっては飛び込んでハイクロッチ&テイクダウンか、テイクバックというネバーエンディングストーリーがチャレンジャーを削っていく。デヴァリシビリはバックコントロールからヒザを腿に入れつつラウンド終了を迎えた。
4R、デヴァリシビリはジャブを伸ばし、ローを蹴られて構えを変える。すぐにオーソに戻すと、蹴りを足をキャッチしつつ右オーバーハンドを当ててテイクダウン。スクランブルでバックと、コピペで記事が成立しそうなデヴァリシビリの一方的な展開に。離れた際に受けるのはボディとローで、顔面に攻撃を受けることがほぼないチャンピオン組んでボディロックに。胸がついた状況は嫌がり、離れて即ダブルレッグからデヴァリシビリがバックを取る。
正対されるとハイクロッチ。耐えたサンドハーゲンがバックを伺うと、デヴァリシビリは打撃の間合いに戻る。と、ここでサンドハーゲンが右をクリーンヒットさせ、跳びヒザを狙う。前に出ることで反撃を許さなかったデヴァリシビリが次のクリンチの展開で払い腰を決める。スクランブルをハーフネルソンに止め、ダース前の状態で5分が過ぎた。
最終回、左フックを当てたサンドハーゲンに対し、デヴァリシビリがワンツーで前に出てシングル→ダブルでテイクダウン。そしてバックに回って離れる。サンドハーゲンのジャブにも右を打ち込んだデヴァリシビリは、右フックの空振りし体が流れたサンドハーゲンに組みつく。キャッチ&リリースを続けるデヴァリシビリは、ダブルレッグからバックへ。前転しつつ足を掴んでリストを挟むが動けないサンドハーゲン。デヴァリシビリは腕を抜いてスタンドに戻る。
残り2分を切り、サンドハーゲンが右をヒットさせる。左ボディショットも入れたサンドハーゲンだったが、シングルレッグで18度目のテイクダウンを奪われる。王者はトップコントロール、サイドバックでは前転でのエスケープを潰して、がぶってバックへ。ボディロックから後方へのロール、さらリフトしてテイクダウン。ようやく離れたチャンピオンに右を入れた挑戦者が、スピニングバックキックを見せたところでタイムアップに。
判定は文句なしに王者デヴァリシビリに。そして王者は「僕はマシーンだよ。すっと動きが良くなることに、コーチが驚いている(笑)。ハードトレーニングのおかげだ。本当に僕はビギナーでワイルドな動きしかできなかった。ただジョージアのリアル・ウォリアーの気持ちだけはあったから、技術を学習し続けた。皆は僕がフリースタイルレスラーだと思っているけど、柔道家だった。道着を着るのが僕のスタイルだった。自分のスタイルを全て変えたんだ。米国に来て、セラ&ロンゴの前にボクシングジムでボクシングを始めた。当時は仕事をもしていたけど、今はフルタイム・ファイターだから成長し続けることができる。2RはKOデキそうだったけど、仕留められずに驚いだ。でもほとんどKOしていたし、今は打撃にも自信がある。次? ピョートル・ヤンは良い感じだよね。僕は間を置かずに戦いたいから12月にでもやりたい。もし試合がなくても、強くなり続ける。MMAは何でも起こる。ショーン・オマリーと2度戦った。毎日のようにアルジャメイン・ステーリングとスパーをして、どうやって倒すかを学んだ。でも試合でショックを受けることもあった。アルジャメインは面白くないかもしれないけど(笑)。何度も戦える。僕はチャンピオンだけど、誰もがやろうと思えばできる。ワン・パンチ、ワン・サブミッション、ワン・ミステイク。MMAは何が起こるか分からない。僕は普通の男だよ」と話し、最後にチームの面々に感謝の言葉を伝えた。