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【Pancrase321】フェザー級王者ISAOに挑戦、中島太一「ペース配分をしたいけど、しない(笑)」

【写真】鍵はテイクダウンという中島だけに、尚更その前後の仕掛けが興味深くなってくる(C) MMAPLANET

30日(日)に東京都江東区のUSENスタジオコーストで開催されるPancrase321。そのメインでフェザー級KOPのISAOに中島太一が挑む。

ここでは26日(水)に行われた調印式&記者会見後に訊いた中島の話をお届けしたい。壁レスの強化、だからこそ必要な壁・前と壁・後、タイトル挑戦に対する中島の想いとは。
Special thanks to Ryoji Yoshida


──会見と調印式を終えて、今の気持ちはいかがですか。

「凄くスッキリして、より楽しみになってきました」

──バウレビの井原さんから、ネクタイの色について質問があった時は驚きました(笑)。凄い着眼点だって。

「アハハハハ。僕も色を聞かれるのか……とは思いました。それに赤が好きなことを知っていたので、驚きました(笑)」

──アハハハ。会見のなかで「タイトル戦が6月、7月になるなら他で戦えないかということも考えていた」と言われていましたが、その場合は特定のプロモーションが頭にあったのですか。

「どこというのは考えていなかったです。タイトルマッチは戦いたい。なかなか実現しないなら何かやらせてくれるチャンスがあるなら、という程度で考えていたので。凄く都合が良い話ですし」

──タイミングと中島選手の意向を理解してくれるのであればと。しかし、そういう風に考えるのも理解できるだけ時間が空きました。

「焦らないことはないですよね。半年以上空くというのは……。その分、ISAO選手の対策を練ることができるので、それはそれで良いと思って過ごしていました。でも、ここがギリギリのラインかという感じで。このタイミングでオファーを貰えて、『来たぁ!!』ってテンションは凄くあがりましたね」

──挑戦者決定戦で破った堀江圭功選手は、RIZIN出場を決めたことで中島選手より注目を集めた。その状況を目の当たりして、どのような気持ちになりましたか。

「RIZINってそういうところじゃないですか(微笑)。それでツイッターでグチグチ言っている人とかいますけど、そこを理解できていない方が悲しいです。僕の場合はそこはちゃんと理解しているので、何かを想うことは全くなかったです」

──素晴らしい、潔いです。ではISAO戦に向けてですが、「早く決まることもある」という言葉が聞かれました。自分のなかでは、互いの持ち駒を考えると厳しい精神&体力消耗戦になるのかと予想していたのですが。

「打撃でも、倒してからの極めも練習をしてきて。僕のこのファイトスタイルって、ボリス・フェドロフ戦から始まっているんです。自分の得意なところを見つけて。でも、あの時の内容はまだレベル1の状態です。そこを堀江戦、今回と進化させてきました。堀江戦はテイクダウンが取れなかったので、その先に行けなかったのですが……。

今回もそうですけどテイクダウンが取れないなら、取れないで勝つシナリオもあります。ISAO選手の受けが強いのも承知して練習してきましたけど、テイクダウンが取れるかどうかが鍵ですね」

──3Rと5Rでは、あのスタイルを遂行するうえでの覚悟というか、恐怖心も違ってくるかと思います。

「ハハハハ、怖いですよね。5R、やらなくて良いだろうって。5Rを考えると、勝てないです。5Rの体力配分をしたら、チャンピオンの方が経験もあるので。それをやるとISAO選手のペースになってしまいます。だから……怖いですけど、気にしないです」

──最近の5R戦、如何に疲弊しないかが勝負になっていて、相手より自分の状態をケアする戦いが国内外問わず目立ちます。

「だからこそペース配分をしたいけど、しない(笑)。そういう感じですね」

──そういうなかで八隅孝平さんの指導を受けていると、壁レスというしんどい攻防のなかで効率的な技術も相当に身につけているのではないですか。

「自分で考えてやっているなかで、細かい技術は全部、八隅さんに教えてもらっています。それが積み上げられてきているので、前回とは違う動きはできるようになっています。そこを試合で出せるのか、僕も楽しみです」

──今はロータス世田谷での練習はどれぐらいのペースで行っているのでしょうか。

「基本は火曜日の昼に矢地選手や田村選手たちとやっているのと、月曜日のグラップリングのプロ練も参加させたもらうことがありました。そこ以外は、ほとんどは修斗の小野島(恒太)選手とマンツーマンで練習しています。小野島選手にも壁レスとか、本当に色々と教わっています」

──いやぁ、小野島選手はインフィティリーグ最終戦で判定勝ちだと優勝はない、一本が必要だという状況で残り時間1分で壁に押し込むほど、壁の権化です。正直、なんでそこで……とは思ったのですが(苦笑)。

「アハハハ。僕も猿田さんも『行こう』、『もう勝っているんだから』って叫んでいたんですけどね……(苦笑)」

──あそこで、あの攻撃に出る。逆をいえば小野島選手がどれだけ壁レスをやってきたのか。自分への信頼が壁レスで、インフィティ優勝よりも、自分の中の価値を大切にし抜いた勝利ではあったかと。

「力の差はハッキリしていたんですけどね……。小野島さんはフィジカルから、壁レス用になっているぐらいですし、しっかりと教わっています。加えて壁で攻めるって、そこ以外のことが大切になるわけですし。

小野島さんや八隅さんと相談もするのですが、自分1人で練習するのも好きで。そこで凄く考えるようにしています。だから打撃でもシャドーをして、サウスポー対策もしてきました。効かせる攻撃の引き出しをたくさん創ってきて数もあるので、どれか当たるかと思います」

──1人の練習をして、自分で考えるようにするということですか。

「ハイ、言われたことだけやっていると頭を働かせないようになります。そうなるとアイデアが出なくなるので」

──なるほど。そしてセコンドも小野島選手と八隅さんが就くわけですね。

「それが1人だけしか許されていないので、八隅さんにセコンドをしてもらって。小野島さんには近くの席に座ってもらおうかなって(苦笑)」

──えぇ!? タイトル戦なのでコロナ禍とはいえ2人にしてほしいですね……と映像の吉田ディレクターが言っていました(笑)。

「アハハハ。まぁ、そうですけど。ISAO選手も同じ条件ですからね」

──では最後に改めて、この試合の重要性を教えてもらえますか。

「正直、これが最後で良いぐらいに思っています……。結局、試合が終わったらまたやりたいってなるのかもしれないですけど、今回は本当にそれぐらいの気持ちやっています。ここで逃すと、タイトルマッチまでまた時間が掛かるので、絶対にここで獲らないといけないと思っています」

■視聴方法(予定)
5月30日(日)
午後1時00分~ TIGET LIVE

■ Pancrase231対戦カード

<ネオブラッドTフェザー級決勝/5分3R>
──(日本)
──(日本)

<ネオブラッドTライト級準決勝/5分3R>
伊良波心(日本)
森井一輝(日本)

<ネオブラッドTバンタム級1回戦/5分3R>
上野惇平(日本)
小川準也(日本)

<ネオブラッドTバンタム級1回戦/5分3R>
矢澤諒(日本)
田嶋椋(日本)

<ネオブラッドTバンタム級1回戦/5分3R>
風間敏臣(日本)
高杉遼介(日本)

<ストロー級/5分3R>
大塚智貴(日本)
石井涼馬(日本)

<ネオブラッドTフェザー級準決勝/5分3R>
星野豊(日本)
牧野滉風(日本)

<ネオブラッドTフェザー級準決勝/5分3R>
三宅輝砂(日本)
為房虎太郎(日本)

<フェザー級KOPC/5分5R>
[王者]ISAO(日本)
[挑戦者]中島太一(日本)

<フライ級暫定王座決定トーナメント準決勝/5分3R>
小川徹(日本)
秋葉太樹(日本)

<フライ級暫定王座決定トーナメント準決勝/5分3R>
上田将竜(日本)
猿飛流(日本)

<ストロー級挑戦者決定戦/5分3R>
八田亮(日本)
宮澤雄大(日本)

<ライト級/5分3R>
松本光史(日本)
アキラ(日本)

<フェザー級/5分3R>
透暉鷹(日本)
Ryo(日本)

<ウェルター級/5分3R>
近藤有己(日本)
鈴木淑徳(日本)

<フェザー級/5分3R>
田村一聖(日本)
中田大貴(日本)

<バンタム級/5分3R>
平岡将英(日本)
井村塁(日本)

<ストロー級/5分3R>
高島俊哉(日本)
野田遼介(日本)

<バンタム級/5分3R>
TSUNE(日本)
鬼神光司(日本)

<バンタム級/5分3R>
平田丈二(日本)
福島啓太(日本)

<女子フライ級/5分3R>
ライカ(日本)
法DATE(日本)

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