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【WNO09】マイキー・ムスメシ、ノーギ世界一へ本格的な一歩はルーカス・ピニェーロ戦から

【写真】ノーギのマイキーが、道着と同様に快進撃を見せることができるか。2021年グラップリング界の一大トピックだ(C) MMAPLANET&SATOSHI NARITA

28日(金・現地時間)、テキサス州オースティンのJWマリオット・オースティンにてノーギグラップリング大会WNO 09が開催される。振り返ると月に一度の割合で、世界トップの組技師を集めて行われるWNO。

プレビュー第2弾は道着柔術軽量級世界最強=マイキー・ムスメシがグラップリングに本格的に進出を果たす一戦の見所を紹介したい。


<ノーギ・バンタム級/15分1R>
マイキー・ムスメシ(米国)
ルーカス・ピニェーロ(ブラジル)

ムスメシは、2017から2019までムンジアル3連覇中(2017年にライトフェザー級2018年に同級連覇2019年はルースター級)。24歳にして、競技柔術における最軽量級世界最強を誰もが認める地位を築き上げている。いわゆるモダン柔術系のポイントゲームに長けているだけでなく、クローズドガードからの基本的な極めの仕掛けやバック取りの技術でも卓越した精度を誇り、極めの強さも抜群だ。

道着着用の柔術において全てを達成したムスメシは、今年から最後の目標=ADCC世界大会制覇に向けてノーギルールへの参戦を開始した。3月のWNO 07では、マルセロ・コーヘンを相手に盤石のマウントから三角絞めを仕掛け、さらに腕を伸ばして圧勝している。

対するピニェーロもまた、2010年代後半から世界軽量級の最前線で活躍している柔術家だ。強烈なトップからのプレッシャーを武器に近年特に戦績を上げてきており、2019年のF2W128ではジョアオ・ミヤオに勝利。20220年にはイアゴ・ガマらを倒してノーギパンナム優勝。今年のAJPブラジル・ナショナル・プロ大会でもクレベル・ソウザら強豪を制して優勝している。

加えて1月のF2W 166では、道着着用ルールでジョシュ・シスネロスと対戦。激戦の末判定0-3で敗れたものの、階級上の新星相手にバックを取りかける等の見せ場を作り、実力を示した。

ムスメシとピニェーロは、道着着用ルールであるパン大会の2016年ルースター級決勝にて対戦している。前半に低くプレッシャーをかけたピニェーロがムスメシのガードを完全パスしたものの、ムスメシが反撃。トラックポジションからバックを奪って逆転勝ちするという大激闘だった。

この試合後は、誰にもパスを許すことなく、最強柔術家に上り詰めたムスメシ。前述の3月のコーヘン戦は試運転という印象が強く、今回のピニェーロ戦こそが久々のノーギルールでの世界的強豪との対戦となる。5年前に苦戦を強いられたピニェーロのトップゲームに、ノーギでムスメシがどう対処するのかが最大のポイントだろう。

なおプレッシャーパスだけではなく、上下からのベリンボロにも冴えを見せるピニェーロは「マイキーは世界のベストだ。でも今回は僕がベリンボロを決めてやるよ」と断言している。軽量級ならではの素早い回転系の攻防もまた、この試合の見所だ。

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