【WNO09】ライアンの引退により実現!! ヒール王=ジョーンズ✖ストレートフットロックKING=パンザ
【写真】ヒール✖アキレス腱固め、どのような攻防になるのか──超期待(C)SATOSHI NARITA & MMAPLANET
28日(金・現地時間)、テキサス州オースティンのJWマリオット・オースティンにてノーギグラップリング大会WNO 09が開催される。振り返ると月に一度の割合で、WNOは世界トップの組技師を集めて行われている。
ここではゴードン・ライアンが欠場となったメインの見所を紹介したい。
Text by Isamu Horiuchi
<ノーギ・ヘビー級/15分1R>
クレイグ・ジョーンズ(豪州)
ルイス・パンザ(ブラジル)
既報の通り、メインイベントに出場予定だったゴードン・ライアンが健康上の理由で無期限欠場を宣言。代役としてライアンのチームメイトであるクレイグ・ジョーンズが名乗りを上げ、ルイス・パンザと戦うことになった。
ジョーンズは2017年のADCC世界大会88キロ級にて、レアンドロ・ロをチョーク葬、続いてムリーロ・サンタナから跳びつき三角で連続一本勝ちを収めて4位入賞、一躍名を上げた極め技師だ。ラクラン・ジャイルズ譲りの足関節技の切れ味も抜群で、2019年のADCC世界大会では準優勝に輝いた。
その後ジョン・ダナハー軍に加入して全ての技に磨きをかけているジョーンズ。近年は主にSUGで試合をすることが多く、(2019年のADCCでは一本勝ちを収めている)メイソン・ファウラーにだけはオーバータイムに持ち込まれて勝てないものの、ヴィニー・マガリャエスの足を破壊し、石井慧をチョークで一蹴している。
今年は2月にWNO 06に登場。足関節を露骨に警戒して距離を取るホナウド・ジュニオールをそれでも50/50で捕獲し、伝家の宝刀内ヒールで圧勝──紛れもなく現在世界最強の中重量級グラップラーの一人だ。4月のWNO 08におけるタイ・ルオトロ戦は怪我で欠場を余儀なくされたので、今回はその鬱憤を晴らすチャンスでもある。
対するパンザもまた、強烈な極めを武器とする重量級柔術家。これまで主にIBJJF系のルールで活躍しており、2016年のノーギワールズを制し、2017年の世界柔術でもスーパーヘビー級と無差別級の両方で3位入賞を果たしている。
ジョーンズ同様、下から相手の足に絡んで50/50を作っての足関節の仕掛けを十八番とするパンザ。相手をポジションで制圧する、あるいはポイントを稼ぐことにまるで興味を示さずひたすら極めを狙いに行くという点で、柔術界では異彩を誇る存在だ。IBJJF系の柔術家の中で、もっともサブミッションオンリー的な戦いをする選手の一人と言っていいだろう。
ただし、これまでもっぱらヒール禁止ルールで戦ってきたパンザの必殺技は、強烈無比なストレートフットロック。足関節技の制約のないWNOにおいて、IBJJFを代表する極め技師パンザが、当代きってのヒールフックの使い手であるジョーンズといかに渡り合うかは非常に興味深い。
お互いに50/50を得意とする両者。どちらが先にこの形を狙いにゆき、あるいは回避するのか。注目のサブミッション・アーティスト対決だ。