【TUF29】復活TUFはチーム・ヴォルカノフスキー✖チーム・オルテガ。バンタム級、注目ファイターは??
【写真】TUF29バンタム級に出場するリウドヴィク・ショリニアン。バックを取ってスロエフ・ストレッチを狙うもの旧ソ連系らしい?? (C)LFA
17日(土・現地時間)にネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXで開催されたUFC on ESPN22「Whittaker vs Gastelum」の中継内で6月1日(火・同)にTUF29「The Return of The Ultimate Fighter」の中継が始まり、コーチはUFC世界フェザー級王者アレックス・ヴォルカノフスキーとブライアン・オルテガが就任されることが発表された。
この両者は本来、3月27日のUFC260でベルトを掛けて戦う予定になっていたが、王者が新型コロナウィルスに感染し中止となっていた。2005年にSPIKEで放映された第1回が当たり、今のUFC──だけでなくMMAの世界的隆盛のきっかけとなったTUF。2018年まで14年に渡り年に2度のペースでシーズン28まで実施され、今回が3年半ぶりの復活となる。
SPIKE~FOXで中継されてきた名物リアリティTVシリーズも、時代の流れか米国ではESPN+で毎週火曜日に配信が決まった。現状、日本においてはESPN+配信大会はUFC Fight Passで視聴できるようになっているが、TUFに関しては国内の配信体勢に関して正式発表はない。
いずれにせよ、米国での配信がこれまでの放送にように決まった時間帯を設けて行われるのか。ESPN+と同じディズニーのデジタル配信システムのDisney+は配信日の米国太平洋時間の午前0時より全世界で視聴できる。
上記のシステムと同様で、かつUFC Fight Passで視聴できると仮定すると、日本国内でも日付を跨ぐことなく火曜日の午後4時からTUFが見られることになるが──。
今シーズンにUFCとの契約が争われるのは男子ミドル級とバンタム級の2階級で、昨年10月31日(土・同)にシーズン復活のアナウンスがあってから2週間、11月13日(金・同)まで出場選手の申し込みが行われ、16名が決定している。
ここではバンタム級で出演する8名から注目株を紹介した。
ダニエル・エルゲータ(米国)
ブレイディ・ハイスタンド (米国)
ダスティン・ランプロス (米国)
ヴィンス・マードック (米国)
ミッチ・ラポソ (米国)
ジョシュア・レッティングハウス(米国)
リウドヴィク・ショリニアン (ウクライナ)
リッキー・トゥルシオス(米国)
以上の8人がバンタム級の参加者で最年少はハイスタンドの21歳、最年長はレッティングハウスの31歳だ。そのレッティングハウスは16勝5敗で戦績的にも最多試合経験者となる。
アルゲータ、ハイスタンド、ランブロス、ラポソの4選手は5試合を経験し、4勝1敗のハイスタンド以外が無敗だ。最年長、経験豊富なレッティングハウスは2014年3月、つまり7年も前にWSOFでマルロン・モラエスの持つバンタム級世界王座に挑戦しており、メジャータイトル挑戦という点においても実績はピカ一といえる。
M-1でもタイトルコンテンダーだったレッティングハウスがまず何番ピックになるのか、彼基準で両コーチの見立てを判断したい。
ウクライナ国籍のアルメニア人ファイター、現在はカリフォルニアのKD MMA所属のショリニアンもイスラエル大会のプレリミとはいえBellatorベテラン、メジャー経験者だ。
9勝1敗のショリニアンはLFAで現UFCファイターのヴィンセント・キャチェロに勝利し、LXF(Lights Out Xtreme Fighting)では堀内佑馬からスプリット判定勝ちをしている。米国や他の国のレスリングとは違う、ソ連系の裸のサンボというべきテイクダウンが面白い選手だ。
レッティングハウスに次ぎ、11勝6敗というキャリアを持つマードックもまたポストリムでベラトールを経験している。昨年はコンテンダーシリーズ出場もルイス・サルダーニャに敗れチャンスを逃し、乾坤一擲のTUF挑戦となる。
トゥルシオスの戦績は9勝2敗で、彼もまた10戦以上のキャリアの持ち主。2017年にコンテンダーシリーズでボストン・サルモンに敗れているが、コロナパンデミックで流れた者の昨年5月にはコンテンダーシリーズからUFCで注目されるようになったエイドリアン・ヤネツとFury FCで対戦が決まっていただけに、その潜在能力の高さは認められるところだ。
以上、MMAファイターとしたある一定の評価基準を持つ4人選手に対し、キャリア5戦の4人が如何にポテンシャルの高さ、将来性を見せることができるか。その辺りがポイントになりそうなTUF29バンタム級戦線だ。