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【UFC314】距離を詰めるロピスに対し、精度で上回ったヴォルカノフスキーがフェザー級王座返り咲く

<UFC世界フェザー級王座決定戦/5分5R>
アレックス・ヴォルカノフスキー(豪州)
Def.3-0:49-46.49-46.48-47
ジエゴ・ロピス(ブラジル)

10試合連続、世界戦となるヴォルカノフスキー。対して、5R戦が初めてのロピスが、カーフをチェックする。ヴォルカノフスキーは左ハイを見せ、ガードしたロピスがジャブを伸ばす。左ハイを捌かれたヴォルカノフスキーが、スピニングバックフィスト。ヴォルカノフスキーの踏み込みに、近距離でアッパーを返したロピスは右ローを蹴る。ロピスはジャブから右を伸ばすが、ヴォルカノフスキーが右を返す。両者、踏み込んでワンツーをフック。ヴォルカノフスキーの左フックが、ロピスを勢いを上回る。

後方に姿勢を乱したロピスは、猛突進からボディロックでテイクダウンを許す。ヴォルカノフスキーは立ち上がり際にヒザを突き上げ、バックに回って左で殴る。さらに正対してきたところで、小外刈りでテイクダウンすると強烈な勢いで右のパウンドを連打。ロピスの腕十字を苦も無く防いで終盤を圧倒した。

2R、ヴォルカノフスキーはジャブを見せて、右に回る。ロピスは追いかけて、右オーバーハンドも届かない。カーフに右を合わせていくロピスは、蹴りにワンツーという対応を続ける。リードフックから右を当てたヴォルカノフスキーは、慎重に間合いを測る。ロピスもワンツーで前に出るが、動きは非常に少ない。

ヴォルカノフスキーのステップインにアッパーを狙うロピスは、逆にフックを被弾。直後にヴォルカノフスキーは組みつくが、ロピスが回って離れる。右目の下から流血が見られるヴォルカノフスキーが、荒い右フックを2度繰り出す。ヴォルカノフスキーが左ジャブも、ロピスの右を被弾してダウン。すぐに立ち上がったところで、時間となった。

3R、最後にダウンしラウンドを落として怒り心頭のヴォルカノフスキーは、前蹴りから左リードフックを伸ばす。ロピスは圧をかけて、右アッパーから左オーバーハンドというコンビを繰り出す。ここは不発に終わったが、ジャブをダブルで伸ばすなどロピスの間で試合が進む。ワンツーの右を届かせたロピスは、ジャブに右を合わせていく。

ヴォルカノフスキーも慎重に戦いつつ、左フックを打ち抜く。やや姿勢が乱れたが、ロピスは効いた風はなく。その後もパンチで優勢に戦う。ヴォルカノフスキーも右を返したが、形勢逆転とはならない。残り80秒、ダブルレッグを切ったロピスは右で殴られても、前に出る。回るヴォルカノフスキーに対し、後ろ回し蹴りのロピスが近距離のパンチの交換から離れたヴォルカノフスキーを追いかけてパンチを放った。

4R、ファンを煽るロピス。ワンツーの右をヴォルカノフスキーが当てる。慎重に戦うヴォルカノフスキーが右オーバーハンド。ワンツーのロピスに、右を決める。続くクリンチになりそうな間で、ロピスがボディショットを決める。ワンツーの後ろ手でボディを抉ったロピスのパンチで、目の周囲を気にしたヴォルカノフスキーが下がるようになる。ロピスは右を当て、左、さらにワンツーを振るって右に回るヴォルカノフスキーを追いかける。カット・ア・ラインをしても、攻め急がない。終盤は目視戦が続き、残り30秒を切って両者が左フックを振るう──も空振りに。右を振るったヴォルカノフスキーだが、直後に左ショートをテンプルに受け、タイムに。

最終回、大声援が観客席から起こるなか、ロピスが左フックから右を狙う。カーフから右を決めたヴォルカノフスキーだが、ロピスはダメージがないとばかりに距離をつける。左フックが届く距離で、ヴォルカノフスキーが右エルボーを決める。ロピスは右ロー、ジャブを当てられ右を返したロピスが、圧を高める。ヴォルカノフスキーはパンチを見せても、すぐに回り連打がない。それでもジャブ、左リードフックを顔面に入れ、右回りを続ける。左を蹴りで、サークリングを止めようとしたロピスは、足を止めてのワンツーの打ち合いからボディや顔面を殴られても、ノーガードで回るヴォルカノフスキーとの距離を詰める。

互いにフックを入れ、最後の10秒は足を使うヴォルカノフスキーがロピスの打ち合いに演じて大歓声のなか25分を戦い終えた。初回は絶対的にヴォルカノフスキー。2Rは終盤のダウンでロピスが挽回できたのか。3Rはロピス。終盤2Rはロピスの前進に回って応じるヴォルカノフスキーのヒット数が上回っていた。

結果は48-47が1人、49-46が2人でヴォルカノフスキーがフェザー級王者に返り咲いた。「戻って来れられた良かった。娘にベルトを取り戻すと約束したんだ。ただ、それは重要じゃなかった。多くの人が2連続KOの自分が35歳、36歳でジエゴ・ロピスの標的としてカムバックするという感じだった。そういうことを言っていた連中に、これが真実だと伝えたい。最高の気分だ」と新世界フェザー級チャンピオンは話した。また敗者は「ヴォルカノフスキーのケージをシェアできて嬉しかった。また強くなって戻ってくる。僕はまだUFCで戦い始めて2年だから」とコメントした。


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