【ONE115】ヨッカイカーと対戦、和田竜光─02─「僕が持っているモノは変わらないので。それを使って」
【写真】月に1度、家族で福島県郡山の田代トレーナ―の下を訪れる和田 (C)TSP
18日(金・現地時間)にシンガポール・インドアスタジアムで開催されるONE115「Collision Course」で、ヨッカイカー・フェアテックスと対戦する和田竜光インタビュー後編。
日本を離れる直前に対戦相手がキム・デファンから変更された和田の離日前の福島での練習をABEMA TVのTHE WONDERが追った。
なぜ福島なのか。そこで何をしているのか。加えて対戦相手変更に動じない和田のMMA観をここでさらに掘っていきたい。
<和田竜光インタビューPart.01はコチラから>
──橋本選手との試合を経て、まずキム・デフォン戦はいつ頃に決まったのでしょうか。
「11月に入ってからですね。ちょうど角海老宝石ボクシングジムも一般ジム生の練習も通うことできるようになって、同時に福島に行って田代(勝久)さんにミットを持ってもらうようになっていたのでタイミング的にも良かったです」
──福島まで行き、田代トレーナーにミットを持ってもらうというのは?
角海老ジムでは奥村(健太)トレーナーにきっちりと基礎からパンチの打ち方を教えてもらっていて、田代さんのミットは気持ち良く打たせてくれる──そういう違いがあるんです。
一番良いところで受けてくれます。しっかりと打つべきところに打つミットも必要ですし、田代さんのように少しずれてもミートしてくれるリズム・ミットも気持ちをあげてもらえます。
今日、釜谷(真)さんに持ってもらっていたミットは、バシンと打つミット打ちです。田代さんとのミットは種類が違って──阿吽の呼吸のように5分で13Rぐらい持ってもらっています」
──気持ちが良くなるミット……ですね。
「コンビネーションを少しずつ入れてもらって。これがボクシングとして正しいかは分からないです。でも、僕はこれで伸びたんです。
ただしミット打ちでやっているコンビネーションは試合ではないです。MMAですから。でも、何かのタイミングでブロックして返したり、避けて返す。1試合に一つ出れば良いと思ってやっているリズム・ミットです。体に入れたいモノなんです」
──練習の全てが生きるのではなく、何かの拍子で生きるものだと。
「そうなんです。ソレが呼吸するように出れば良いかなって思っています」
──それでも福島、郡山まで行くというのは……それだけ必要なのですね。
「車で家族と日帰りで行っています。大変なんですけど、渋滞もあるので早朝に出て……ぶっ飛ばすと、3時間弱で到着するので──嫁と娘は海鮮丼とか食べて、小旅行の気分です(笑)」
──それは素晴らしいです。ところで対戦相手がヨッカイカー・フェアテックスに代わりました。
「試合の1週間前になる直前に自分も聞いて……。ちょうどPCR検査を提出する日だから、感染したのかなって思っていました。
とかくい試合が飛ばなくて良かったと思って、シンガポールに来たらホテルにキム・デフォンがいるんですよね(笑)。しかも動いた後で、汗をかいていて……で、スタッフに『これ行き違いがあって、俺の相手はキム・デフォンじゃないの?』って聞いたんですよ」
──それはそうなりますよね……。
「そうしたら、キム・デフォンは違う相手と試合があって……君の相手はヨッカイカーだよって」
──意味不明ですよね(苦笑)。
「コロナだから対戦相手が分かったと思っていたら、そいつは違うヤツと戦う。なんなんでしょうね。タイトル戦が飛んで、そこに同じ階級の選手が入るなら分かるんですけどね」
──もう、それはキム・デフォンの相手有りきですよね……きっと。戦える者同士の試合が、このタイミングで崩れるのは。ライブ大会でなくディレイ放送枠は、対戦カードが分からないので確かなことは言えないのですが……。
「契約者もサインしたあとですしね(笑)。まぁ、提示された相手と戦うのは問題ないですけど、それがシステムとしてまかり通るなら、俺も試合を飛ばしてもお咎めなしなのかなって思っちゃいました(笑)」
──おっしゃる通りです(笑)。そしてカード変更の説明は欲しいですよね。ともあれ対戦相手はヨッカイカーになりました。7月と8月のバンコク大会で2連勝した注目株です。
「KOするパンチがあるし、蹴りとかも食らったら痛そうで、気を付けるポイント……武器としてのゲージはキム・デフォンより高いです」
──MMAファイターとして、ガードワークやスクランブルの攻防も見せていました。
「出来ないわけじゃない……寝ても、それなりにできる。ストライカーとしての最低限の動きはまぁできるという感じですね」
──不覚を取ることはできないです。
「そりゃあ負けていらない相手ですけど、DJとランカー達以外は同じです。キム・デフォンもヨッカイカーも弱くはないけど、負けていられてないです。スタイルが違うけど、そういう意味では全員同じです。
僕はもともと対戦相手は誰も良いというスタンスなんで。ランキングの上のヤツと戦いたいですけど、誰とやりたいというのはDJとヘンリー・セフード(笑)以外はないんです。目標はONEのベルト、MMAを戦ううえで目標はそこだけです。ONEで戦うのは、ベルトを獲るためです。それが無理だと思ったら、辞めるでしょうし」
──つまり相手がヨッカイカーに代わっても、自分の試合をするだけということでしょうか。
「勝ちを狙うのはもちろんですが、相手が代わるからといって、そこには変化もないです。対策練習とかしないですから。そういうことをしている選手からすると、プランが変わるのでしょうけど。僕はイメージだけして、何をやるとか決めてケージに入るのではないので。
ヨッカイカーはタイプとして、ローやヒザが痛い。キム・デフォンからスクランブルが多くて頑丈なんだろうなって。そういうことですね。相手の武器によって、こっちのリアクションは変わりますけど、だからって何が変わるわけでじゃないです。戦い方は変わっても、一つの試合なだけです」
──そこで動揺しないのは和田選手の強味ですね。
「僕が持っているモノは変わらないので。それを使って戦うだけですから」
──ただし相性はあります。その部分でヨッカイカーとの試合はどのような戦いになるでしょうか。
「組めば僕の方が強いと思います。打撃だけやっても、負ける気もしない。ただし、勝つ確率の上がる戦いをします」