【Shooto2020#06】無謀な挑戦?? 工藤諒司と2回戦で戦う野瀬翔平「圧倒的に差があるとは思ってないです」
【写真】1年前の野瀬。どこまでフィジカルが上がっているのか、楽しみだ (C)KEISUKE TAKAZAWA/MMAPLANET
19日(土)、東京都渋谷区のTUSTAYA O-EASTでダブルヘッダーで開催されるShooto2020#06。その第1部に福岡から野瀬翔平が出場し、工藤諒司と対戦する。
九州の柔道エリートながら、試合で首の骨を折り、奇跡的な回復を見せた彼はMMAファイターの道を歩むこととなった。
素質は抜群、師・弘中邦佳が厳しくも温かい目で育て来た野瀬は、戦績4勝2分でONE本戦契約を目指しONE Warrior Seriesで連勝中、先のRoad to ONEでは中原由貴との試合が期待されるという格上の相手と戦う。
修斗に限らず、このスポーツでは期待の新鋭が力のあるランクが上のファイターに挑み、コテンパンにやられるという歴史が繰り返されてきた。野瀬の行方に何が待っているのか。試合前の彼に心境を尋ねた。
──工藤選手との試合が攻めってきました。3月に小林孝秀戦が決まっていましたが、大会が中止に。その後、緊急事態宣言が出ました。福岡でもジム等な休館という状態だったかと思いますが、その間に野瀬選手はどのように体調をキープしてきたのでしょうか。
「緊急事態宣言が出て、マスタージャパンはゴールドジムの中にマットスペースがあって練習をしているので、ゴールドジム自体がやはり閉めないといけない状況でした。
その時に弘中先生とプロ、プロ志望選手と少人数に集まって山の中や川沿いに行って、走ったり、オンブしてフィジカルだとかをマスクをしてやっていました」
──山や川ですか!!
「ハイ。徹底してフィジカル、体力トレを毎日していました。ただ、やはり人目につかないように、見つかっちゃいけないと思って体を動かしていました。
それでも僕らはファイターですし、弘中先生も体だけはうごかしておかないといけないっていう風に指導してくれましたし。むしろ、あの1カ月少しの間でフィジカルはメチャクチャ上がったと思います」
──おお、ピンチをチャンスとしたわけですね。
「スパーリングやミット打ちというものはできなかったですけど、その分──体も大きくなりました」
──緊急事態宣言が終わってからは、これまでのように練習できたのですか。
「ゴールドジムで検温、消毒、マスク着用がルールになっているのですが、練習メニュー的にはこれまで通りになりました。ただ家族のある会員さんは練習に来られなくなったり、マスタージャパンのなかで練習して出稽古はやっていなかったのですが、逆に出稽古に来て貰っていた人が今はそういうわけにいかないのもあるので、練習相手という点では人数的に減りました。
それでも弘中先生と打撃と柔術は真正面からやっていましたし、MMAスパーリングでは菅原(和政)さん、結城(大樹)選手と1階級上と同階級の選手がいるので、毎日やってきました」
──今回の試合のオファーはいつ頃にあったのですか。
「8月の前半だったと思います。この時期に東京での試合に福岡から呼んでもらえることは、凄く感謝しています」
──さきほどフィジカルをやり込んだということですが、野瀬選手はこれまで水抜き減量なしのフェザー級でした。コロナ禍で水抜き減量を禁じることを目的に1階級上で当日計量というフォーマットを修斗では採用していますが、ナチュラル・フェザーだとライト級リミットでは、実質上一階級上の相手と戦うことになりませんか。
「それが本当に体が大きくなって、今は通常体重で71キロぐらいあるので、本当にナチュラルで戦える状態なんです。逆に次からフェザー級でやるには水抜きが必要になってしまう感じで(笑)」
──一階級、体が大きくなったのですね!! 急激に大きくなり、動きに影響の方は?
「ここもただ体を大きくしたのではなくて、毎日のように走り込んでいたので問題ないです!! 前までは菅原さんや弘中先生とやると、フィジカルの差を感じていたのですが、今はそれもなくなって。脂肪はついていないので、体が重いというのは全くないです」
──それは凄く楽しみになる言葉なのですが、一方で対戦相手の工藤選手は今でこそONE Warriorと契約していますが、修斗に残っていればフェザー級でタイトル戦線にいた選手のはずです。そのような格上の相手と戦うことについてどのように思っていますか。
「これまで試合をしてきた選手とは、全くレベルの違う相手だと思います。でも、そんなに圧倒的に差があるとは思ってないですし、同等というか……僕が極端に劣っている部分はないです。
だからオファーが来た時には何も迷うことはなかったですし、弘中先生も『行こう、勝って次を目指そう』と言ってくれました」
──あの慎重な弘中さんが、太鼓判を押しているわけですね!! では工藤選手と戦ううえで、ここは注意しないといけないという点はどこでしょうか。
「打撃の一発と、際が上手いです。打撃と組みで詰めるのが上手いので、そこを許さず自分の得意なところで戦いたいです。僕の武器は組みですが、打撃も9月の試合と比較すると別人になっているので、何も臆することはなく戦えます。それでも柔術が好きなので、そういう部分を出したいです」
──野瀬選手は普段をおっとりとしているのですが、試合になるとカッカすることがあります。
「そこは弘中先生からも気を付けるように言われています(苦笑)」
──それにしても2Rなのですね。この一戦が。
「僕はクラスBでまだクラスAに昇格していないから、修斗だと3回戦は戦えないんです。だから……工藤選手に勝って、僕は3Rを戦える力をあることを証明したいです」
──では現時点でキャリア最強の相手との試合を前に、意気込みの方をお願いします。
「まず、こんなご時世のなかで地方から呼んでもらえることだけでも凄く有難く嬉しいです。ここでしっかりと勝って、さらに上を目指せるよう頑張ります」
■視聴方法(予定)
8月1日(土)
第1部:午後2時~ Abema TV格闘チャンネル
第2部:午後6時30分~ Abema TV格闘チャンネル
■Shooto2020#06対戦カード
【第2部】
<修斗環太平洋フェザー級選手権試合/5分3R>
[王者] 仲山貴志(日本)
[挑戦者] SASUKE(日本)
<フェザー級/5分3R>
藤井伸樹(日本)
後藤丈治(日本)
<ウェルター級/5分2R>
ヨシ・イノウエ(日本)
飯田健夫(日本)
<フライ級/5分2R>
大竹陽(日本)
関口祐冬(日本)
【第1部】
<フライ級/5分3R>
猿丸ジュンジ(日本)
飯野タテオ(日本)
<ウェルター級/5分5R>
大尊伸光(日本)
マックス・ザ・ボディ(日本)
<ライト級/5分2R>
工藤諒司(日本)
野瀬翔平(日本)
<ライト級/5分2R>
西川大和(日本)
椿飛鳥(日本)
<51キロ級契約/5分2R>
中村未来(日本)
永尾音波(日本)