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【WJJC2018】女子ルースター級。湯浅麗歌子、かく戦えり──危なげなくムンジアル4連覇を達成

Yuasa Rikako【写真】4度のムンジアル制覇は何気にキーラ・グレイシーと肩を並べたことになる(C) SATOSHI NARITA

5月31日(木・現地時間)から3日(日・現地時間)にかけて、カリフォルニア州ロングビーチのカリフォルニア大ロングビーチ校内ピラミッドにて、IBJJF主催のブラジリアン柔術世界選手権が行われた。ブラジリアン柔術の頂点を極める同大会ロングラン・レビュー、今回は湯浅麗歌のムンジアル4連覇となった女子ルースター級の戦いを振り返りたい。


湯浅麗歌子は2014年にライトフェザー級を制覇し、15年にルースター級が出来てからはここでも2連覇中、まさに最軽量級絶対王者というべき存在だ。その湯浅の初戦=準決勝の相手は、16年の茶帯世界王者タミレス・アキノだ。

01<女子ルースター級準決勝/10分1R>
湯浅麗歌子(日本)
Def. by 三角絞め
タミレス・アキノ(ブラジル)

試合開始後お互い引き込むが、アキノが上を選択してアドバンテージを獲得。下から得意のラッソーを作りたい湯浅と、ヒジやヒザを使ってそれを阻止したいアキノの攻防に。やがて左足でラッソーを作った湯浅は右足で襟を取る。アキノは重心を低くしてラッソーの側に回ってのパスを狙うが、湯浅は凌いでクローズドガードに。

02強烈に引きつけ、自分の左ヒザ裏から左手を回して相手の奥襟を掴むというハイガードを取った湯浅に、アキノは背筋を伸ばせず守勢に回ることを余儀なくされている。

03そこからアキノの左手を自らの右手で抑えた湯浅は、右足でその右腕を越えて三角絞めの体勢に。深くクラッチを組み、腕を流さずに絞め上げてタップを奪った。僅か2分半、女子軽量級絶対王者がそのガードワークと極めの強さ見せつけて圧勝。4連覇に大手を掛けた。

04<女子ルースター級決勝/10分1R>
湯浅麗歌子(日本)
Def. 6-2
セレナ・ガブリエリ(イタリア)

イタリアのガブリエリは15年の茶帯世界王者にして昨年、今年とヨーロピアンを連覇、ヨーロッパの女子軽量級を代表する柔術家だ。湯浅とは昨年の準決勝でも対戦していて、その時は湯浅が腕十字で一本勝ちしている。

05まず引き込んだ湯浅は、左で得意のラッソーを作ると、内回りからガブリエリの右足を捕らえてレッグドラッグから立ち上がって2点を先制。そのまま両足を押さえつけにかかるが距離を取ったガブリエリにガードに戻され、湯浅は再び座り込む。これでガブリエリが上になってスコアは2-2となったものの、その実湯浅が自ら下攻めを選んだ形か。

再び左でラッソーを作った湯浅に対し、ガブリエリは後方に倒れこんで解除を狙う。ガブリエリが上になると、湯浅は右足でデラヒーバフックを作り、内側に回転して股間をすり抜けズボンを背後から掴むことに成功。そのまま引き寄せて背中に登り、2点を追加した。

湯浅はバックを狙うが、ガブリエリが頭を下げると前に落ちてガードに戻る。湯浅にはさらにニアバックテイクのアドバンテージも与えられた。

残り5分。左でスパイダー、右でラッソーを作った湯浅は内回転からバックを狙うも、ガブリエリが防御して上をキープ。ならばとスパイダーから前に崩すが、ガブリエリも体勢を立て直して逆に横にパスを狙う。足を使って越えさせない湯浅は、再び左でラッソーを作ると、ガブリエリの左足を抑えつつ右ヒザで体を押して後ろに倒すスイープで上を取り、6-2とリードを拡げた。

06残り3分。ここまで下から攻撃を仕掛けていた湯浅は上攻めに入ると、ガブリエリの両足踵を掴んでプレッシャーをかけ、後転を余儀無くさせる。体勢を戻したガブリエリがベリンボロを仕掛けると、湯浅はすかさずトーホールドでカウンターし、さらにヒザ十字へ。それをガブリエリが逃れると、湯浅は再びガブリエリのズボンを引きながら右足をレッグドラッグで捕らえて上の体制に戻った。

07残り1分。足を戻したガブリエリが立ち上がる。湯浅も続いて立ちあがり、背負いを仕掛ける。立ち技では部が悪いと見たガブリエリは引き込み。湯浅はすかさず両足を捌いて左にパスをし、それを嫌って亀になったガブリエリの背中に着く。さらにレオ・ヴィエイラばりに相手もろとも前転してバックを狙うムーブも見せた湯浅。ガブリエリが硬い亀をこじ開けようとするうちに時間切れ。湯浅が世界4連覇という偉業を達成した。

2試合とも盤石にして強力なガードワークで終始主導権を握った湯浅。決勝においてはいわゆるモダン柔術の攻防も制し、トップからの攻撃でも相手を圧倒、さらに僅かな時間のスタンド戦でも相手を脅かすなど、全ての面で強さを見せ女子ルースター階級において世界で頭一つ以上飛び抜けた力を見せつけた。

日本が世界に誇る柔術家のさらなる可能性を引き出すためにも、来年は世界のどこかから湯浅を脅かすような新しい力が出てきてくれないだろうか…そんな贅沢な願いまで頭に浮かんでしまうほど、危なげのない完全優勝だった。

■WJJC2018女子ルースター級リザルト

優勝 湯浅麗歌子(日本)
準優勝 セレナ・ガブリエリ(イタリア)
3位 タミレス・アキノ(ブラジル)、オウティ・ヤルヴィレフト(フィンランド)

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