【AJJC2019】女子LF級は湯浅の独断場——M級は金子裕規が優勝、イザベレ・ソウザはWゴールド獲得
【写真】2015年以来のアジア参戦で頂点に立った湯浅は、いよいよ今週末、ADCC本戦に臨む (C)SATOSHI NARITA
13日(金)から15日(日)まで東京都足立区の東京武道館で開催されたIBJJF主催アジア柔術選手権2019。アダルト黒帯各階級のレポート、第7弾。
今回は無差別級も合わせ4階級で争われた、女子黒帯の模様を紹介したい。
Text by Satoshi Narita
Special Thanks to Mr.Takuya Araki
<女子ライトフェザー級決勝/10分1R>
湯浅麗歌子(日本)
Def. 6分19秒 by 送り襟絞め
芝本さおり(日本)
3人トーナメントの本階級、湯浅(Dragon’s Den)は初戦で、ロンドン南西部フラムのグレイシーバッハに所属するナタリア・カリエロから三角アームロックを極めて決勝進出。対する芝本(トライフォース)も同選手を8-2で下して決勝へ上がってきた。
同時引き込みから芝本をクローズドに入れた湯浅は、ガードを解除しようと芝本がヒザを入れたタイミングでラッソーをセットアップし、芝本のパスに合わせてスパイダーからスイープを仕掛ける。芝本もインバーテッドで湯浅を捕らえようとするが場外となり、マット中央から同じポジションで再開後、湯浅がサイドに回ってパスガードに成功する。さらに逆サイドに回ってニーオンザベリーを決めると、インバーテッドになった芝本の足を捌いて再びサイドを奪い、ノースサウス、サイド、ニーインベリーとポジションを素早く変化させる。
最終的にマウントを取った湯浅は、絞めやアームロックを狙いながらサイドポジションに移行して十字絞めを仕掛けるが、これは防がれてスクランブルに。下になった湯浅はデラヒーバからベリンボロでバックを取り、18-2としてから送り襟絞めをセットアップして芝本からタップを奪った。
<女子フェザー級準決勝/10分1R>
イザベレ・ソウザ(ブラジル)
Def. 1分00秒 by 腕十字
中尾美季(日本)
7月のアブダビ・グランドスラム東京でも対戦したばかりの両者の準決勝は、開始1分でイザベレ・ソウザ(Impacto Japan B.J.J.)が中尾(ヒロブラジリアン柔術アカデミー横浜)から腕十字を極めて快勝。反対ブロック準決勝はベルギー国籍、ティナ・シェルディマン(バルボーザ)の欠場により、アドリアネ・キムラが不戦勝となったことで同門同士のクローズアウトとなり、勝利を譲られたソウザが金メダルを手にした。
<女子ミドル級決勝/10分1R>
金子裕規(日本)
Def. 3分46秒 by アメリカーナ
カロリーナ・カリエロ(ブラジル)
ミドル級は金子(CARPE DIEM)と、ライトフェザー級に参戦したナタリアの妹で、スイスを拠点にするカロリーナ(INFIGHT JAPAN)とのワンマッチ決勝に。カロリーナがまずは引き込むが、金子はニースライスからバックに回り、アドバンテージを獲得する。
下になったカロリーナに再びニースライスを試みた金子は、相手の足を制して逆サイドに回り、パスガード、バックテイクを仕掛けてアドバンテージを重ねる。亀で逃れるカロリーナを反転させてハーフマウントになった金子、ラペルを引き出して相手の上体を殺すと、ブリッジでエスケープを試みた際に伸びたカロリーナの右腕をアメリカーナに捕らえ、一本勝ちを決めた。
<女子無差別級決勝/10分1R>
イザベレ・ソウザ(ブラジル)
Def. 1分05秒 by 十字絞め
ナタリア・カリエロ(ブラジル)
初戦でアドリアネ・キムラを3-0で下したナタリアと、カロリーナを絞めで下して決勝進出のソウザ。引き込んだナタリアのデラヒーバを瞬時に解除してサイドを奪ったソウザは、再び足を絡めるナタリアのガードを難なく解くと、セットアップしていた十字絞めをハーフマウントから締め上げてタップを奪った。これでイザベレは全試合一本勝利で階級別、無差別のダブルゴールドを獲得した。
■AJJC2019 黒帯女子リザルト
【女子ライトフェザー級】
優勝 湯浅麗歌子(日本)
準優勝 芝本さおり(日本)
3位 ナタリア・カリエロ(ブラジル)
【女子フェザー級】
優勝 イザベレ・ソウザ(ブラジル)
準優勝 アドリアネ・キムラ(ブラジル)
3位 中尾美季(日本)
【女子ミドル級】
優勝 金子裕規(日本)
準優勝 カロリーナ・カリエロ(ブラジル)
【女子無差別級】
優勝 イザベレ・ソウザ(ブラジル)
準優勝 ナタリア・カリエロ(ブラジル)
3位 アドリアネ・キムラ(ブラジル)、カロリーナ・カリエロ(ブラジル)