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【ONE49】豪州の新鋭マクラーレンの挑戦受けるビビアーノの敵は??

bibiano【写真】往年の強さをキープしているか、36歳になったビビアーノ(C)MMAPLANET

12月2日(金・現地時間)にフィリピン・マニラのMOAアリーナで開催されるONE49「Age of Domination」。メインで関根シュレック秀樹がブランドン・ベラに挑戦するONE世界ヘビー級選手権以外も、今大会ではバンタム級バンタム級選手権試合が組まれている。


2013年10月にキム・スーチョルを破りベルトを巻いて以来、この3年で4度の王座防衛に成功しているビビアーノ・フェルナンデスに、豪州の新鋭リース・マクラーレンが挑戦する。

25歳のマクラーレンはキャリア9勝3敗で、ONEではマーク・ストリーグルとムイン・ガフロフを破り、3戦目で世界王座挑戦権を手にした。過去、豪州でUFCファイターのベン・ウェンに敗れたことがあるが、それからは4連勝中だ。

試合が進むにつれて動きが良くなるのがマクラーレンの特長だ(C)ONE

試合が進むにつれて動きが良くなるのがマクラーレンの特長だ(C)ONE

グラップラーのマクラーレンはテイクダウンは許すもののガードワークを駆使しつつ、スクランブル戦に強い。その結果、ストリーグルとガフロフの両者は攻め疲れと終盤の反撃を受けて終盤に失速、ポジションを許してマクラーレンの軍門に下った。

下になっても立ち上がり、クリンチの攻防からワキ差しテイクダウン、さらにはシングルやダブルを仕掛け、相手の反応に応じてはギロチンでトップを奪っていく。現代MMAの核の部分で強さを発揮し、相手を疲弊させていくことで好結果を残してきた。

ただし、相手はあのビビアーノだ。ガフロフもストリーグルもグラップラーだが、時を10年遡るとビビアーノは柔術界の最高峰ムンジアルの黒帯で3度頂点に立っている最強柔術家だった。

カナダ移住後、本格的にMMAに転じて打撃の精度を増すや、寝技の強さはいよいよ揺るぎなくなりDREAMでもフェザー級とバンタム級のベルトを巻いている。本来であれば最初のテイクダウンで勝利に直結できる力を持っているはずのビビアーノ、さらにいえばマクラーレン得意のスクランブルゲームに対しても、一瞬の腰の切れから腕十字、強烈無比なハイガードで三角や、スタースイープまでもMMAで実践してきた。

そんなビビアーノにとって不安な点は、ONEではどうしても格下の相手の試合が続き、安泰といった空気があり、心に隙ができないかという点だ。さらに年に1度か2度の試合数、いってみれば世界ウェルター級王者ベン・アスクレンや前世界ライト級チャンピオンの青木真也と同じ状況にある。アスクレンは試合のたびにBellator時代に見せた鉄壁の強さを失い、青木はライト級のベルトを失ってしまった──そんな現実がONEでは見られてきた。

気持ちをどこまで高めることができるのか。勝って当然という見方が成り立つファイトの難しさは青木も幾度となく口にしている。加えてONEが今年に入りって採用した新階級&計量制度は40日前の体重108パーセント規定や、当日計量が形骸化しつつある。

つまり水抜きと水入れと体重を測るタイミングで水分値をパスするという状況にあるなかで、試合当日のコンディションというものが以前より読めなくなってきている。MMAは言ってみれば、当日の強さ争い。そのなかで不確定要素が広まった、そこが実績十分のビビアーノにとってどのように作用するかは、サークルケージに足を踏み入れてみるまで分からない。

■ONE49対戦カード

<ONE世界ヘビー級(※120.2キロ)選手権試合/5分5R>
[王者] ブランドン・ベラ(米国)
[挑戦者] 関根シュレック秀樹(日本)

<ONE世界バンタム級(※65.8キロ)選手権試合/5分5R>
[王者] ビビアーノ・フェルナンデス(ブラジル)
[挑戦者] リース・マクラーレン(豪州)

<67.5キロ契約/5分3R>
マーク・ストリーグル(フィリピン)
ソティル・キチュコフ(ブルガリア)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
ジェヘ・ユースタキオ(フィリピン)
トニ・タウル(フィンランド)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
ホノリオ・バナリオ(フィリピン)
ラジンダ・シン・ミーナ(インド)

<ミドル級(※93.0キロ)/5分3R>
レアンドロ・アタイジ(ブラジル)
ムハンマド・アリ(エジプト)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
エドゥアルド・ケリー(フィリピン)
スノト(インドネシア)

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
ダニー・キンガド(フィリピン)
ユージーン・トケーロ(フィリピン)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
エイプリル・オセニオ(フィリピン)
ジェニー・フアン(台湾)

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
リュウ・ペンシャイ(中国)
シム・ブンスルン(カンボジア)

<バンタム級(※65.8キロ)級/5分3R>
シエ・ビン(中国)
マリオ・ウィラワン(インドネシア)

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