【Invicta FC17】インヴィクタでもアンジェラが新王者に。ヒルが無敗のヘナタ下しストロー級のベルト巻く
<Invicta FC世界女子ストロー級選手権試合/5分5R>
アンジェラ・ヒル(米国)
Def.2-1:48-47.48-47.47-48
リヴィア・ヘナタ・ソウザ(ブラジル)
強き一点張りのヘナタ、眼光鋭く距離を詰めると──しっかりと間合いを測る。ヒルが足を使って左ジャブを伸ばし、ヘナタは左ミドルを入れる。続いて左ローを蹴り込んだチャンピオンは、右オーバーハンドから組み付く。一度はスプロールしたヒルだったが、ケージに押し込まれるとボディロックからテイクダウンを許す。そのままサイドを取ったヘナタは足を戻されると、ハーフから肩固めを狙う。
これはヒルが察知し、クローズドに戻る。ならばとヒザを立てて右のパンチを落とすヘナタ。続くスクランブルの展開で、ヘナタはギロチンへ。ヒルが頭を抜くと、ヘナタはハイガード&エルボーを下から入れる。ヒルが立ち上がり、試合はスタンドに戻る。ヒルのショートアッパー、ヘナタはシングルレッグを切られるも引き込んで足関節を狙っていく。スイープでなくヒザ十字からヒールに切り替えたヘナタ。バックを取ったヒルだが、ヘナタはもう一度ヒールをセットアップ。ヒルも足を取り返す場面もあり、動きの多い初回となった。
2R、アクションを見せつつ、受け身のヒルに対し、ヘナタはダブルレッグに成功する。ガードの中から素早いパンチを落とし、ヒルが立ち上がろうとすると再びギロチンへ。渾身の力を込めるが、ヒルは体をゆすって脱出。直後にダブルレッグを失敗したヘナタはガスアウトか引き込んでガードを取る。さらにヘナタはテイクダウン狙いを潰されパンチを被弾、ヒルはスタンドに戻る。
左ジャブを伸ばすヒルに対し、ヘナタはローキック。そのローにヒルが右を合わせ、右ボディ。続いてヒルが左ミドルを蹴り込むとヘナタが下がる。それでもヘナタはシングルレッグでテイクダウンを奪いトップでラウンド終了を迎えた。
3R、左フックを入れたヒルが、左ジャブからパンチの回転数を上げていく。ヘナタも渾身のテイクダウンからバックを奪取。ヒルがハーフガードを取り、クローズドに戻す。細かいパンチからパスを狙うヘナタが起き上がると、すかさずヒルが立ち上がる。軽快に打撃を入れるヒルと、力をフルに使ってテイクダウンを取るヘナタ。当然、動きに差ができてヒルの動きの良さが目立つようになる。王者も右フックを返し、右ローから左右のフックを入れる。
ヒルも左ローを蹴り込むと、左ヒザからワンツー、右ハイにつなげる。厳しいヘナタはテイクダウン狙いに距離を取られ、右フックも空振り。ヒルはテイクダウン狙いもがぶってロールを見せるなど、試合の流れを完全に引き寄せた。
4R、パンチを振るいながら前に出るヘナタ。ヒルはジャブを返す。ヒルがペースをコントロールするかのように手数が減るなか、ヘナタはとにかく前に出ていく。そこを左で迎え撃つヒルだが、ヘナタは体の軸が乱れてくる。動き続けるヒルにヘナタはスライディングで寝技の局面へ。付き合わないヒルは、さらに動きが落ちたヘナタにハイキックを見舞っていった。
最終回、左ミドルを入れるヘナタ。左ジャブを当てたヒルは右フックから左ストレートをヒットさせる。チャンピオンも右フックを返すが、打ち終わりに姿勢が乱れてしまう。それでも組み付いたヘナタは大内刈りでテイクダウン。体を起こしたパンチを入れると、案の定ヒルが立ち上がる。疲れからスクランブルでギロチンに移行できないヘナタは、右アッパーを当てる。ヒルは右フックを打ち返し、ペースを譲らない。残り2分、接近戦でフックを打ち合った両者、互いに右を入れ合う。ヒルはオーバーハンドを当てると、左へ回ってヘナタの攻撃をかわす。
組みに行ったヘナタはヒルにバックに回れると、背負い投げを決める。起き上がったヒルに最後の力を振り絞ってギロチン。ヒルが頭を抜くと、ヘナタはそれでも腕十字を仕掛け左腕を伸ばしにかかる。腹ばいで耐えるヒル、ここでタイムアップとなった。
ゲームを纏めるヒル、最後まで倒しにいったヘナタ。2Rの王者のテイクダウンと挑戦者の打撃、最終回のヘナタの攻める姿勢がどのように判断されるか。結果、ジャッジの裁定はスプリットに分れヒルに凱歌があがった。現代MMAとして真っ当な裁定だが、ヘナタの戦う姿勢は見事というしかなかった。
そんな激闘を終え、新チャンピオンは「とても気持ち良いわ。リヴィアは凄くタフだから痛めつけられた。1Rが終わって、彼女が疲れているって分かった。皆、色々言ってくれたけどね……これで黙らせることができる」と安どの表情を浮かべて話した。