【写真】試合中、試合のことを語る時と違い笑顔になるとシィォン・ヂィンナンはパンダだ (C) MMAPLANET

13日（日）に東京都墨田区の両国国技館で開催されるONE 100 Century。ダブルヘッダーPart.01のメインでアンジェラ・リーの持つONE世界女子アトム級王座に、ONE世界女子ストロー級王者シィォン・ヂィンナンが挑戦する。

3月31日の日本大会で自身の持つ王座にアンジェラが挑戦。4Rに三角クラッチからアームバーを極められかけたシィオン・ヂィンナンは、誰もが終わったと思った試合でラウンド終了まで耐え抜き、5Rに打撃の猛攻で逆転TKOで王座防衛に成功した。

信じられない気持ちの強さの持ち主は、今回はアトム級に挑戦する。パンダという愛称に似つかわしくない、凛としたチャンピオンにアンジェラとの2試合について尋ねた。

──記者会見のときにヂィンナンの顔を見て、頬のこけように驚かされました。

「ストロー級で戦うには、5キロ以上の減量が必要だったから。でもコーチがしっかりとプログラムを組んでくれて、毎食のように食事も創ってくれたので無理なく体重を落とすことができたわ。カロリー計算から何から何もでしてくれたから体重が落ちても、パワーは落ちなかった」

──研ぎ澄まされた感があります。体重が落ちて、よりハングリーになったということはないですか。

「アハハハハ。その通りね。それがチャレンジするということだから。そしてチャレンジ精神が私を前進させてくれるの」

──ただ半年前にTKO勝ちをしたアンジェラと彼女の体重に合わせて戦うということに疑問を感じたことはなかったですか。

「そんなことはないわ。このチャレンジにエキサイトしていたから。確かにこの試合をやらないかと言われた時は驚いたわ。でも、人生と同じ。ケージの中に入って、試合開始の合図が鳴れば、もうそこから何が起こるのか分からない。だから、前を向いて進まないと何も得ることはできないから」

──3月の試合、あの三角クラッチからのアームバーを耐えきった。本当に驚かされました。試合には勝ちましたが、あの攻撃を耐えて肩やヒジを負傷したということはないですか。

「あの時、最初に三角絞めを仕掛けられアンジェラはアームバーに切り替えたわ。三角は息ができなくて、本当に苦しかった。そして、アームバーは角度があえば極まってしまうなって……。あの時の私の選択は落ちるか、折れるか。でもタップだけはできなかった。諦めたら、全てが終わるから」

──アイアンハートですね……。尊敬してしまいます。

「諦めることはできないわ。私は中国で初めてMMAで世界チャンピオンになったのだから。

失神しようが、腕がもげようが自分から試合を諦めることは絶対にできない。ベルトを持って中国に戻る、そのために私の選択肢は戦い続けることだけだった。

実は右腕の感覚は無くなっていて……。だから脱臼したり、骨折して靭帯が伸びていないかは心配だったわ。でも、コーナーにいたチームメイトが腕を見て……『大丈夫。殴ることができる。できないなら、サウスポーに構えて左手で戦え』って（笑）」

──鉄の心を持つチームメイトもいたのですね……。

「でも右で殴ることができたし、ならこの腕を使って勝とうって（笑）。運よく右腕はヒジも肩も問題なくて、左の手首にちょっとしたケガをして、あとは顔にカットがあったぐらいね。

でも、あの試合のあとは故郷に戻って家族に会ってゆっくり過ごしていたの。私は国外でずっと練習しているから、年に2回ぐらいしか実家に戻ることができなくて。それから2カ月間、キャンプを張ってきた感じね」

──ご家族もさぞかしヂィンナンのことを誇りに思っているでしょうね。

「多くの中国の家族と同じで、両親は私が幸せで健康だったら、それが嬉しいのよ。もちろん、私がONEのチャンピオンでいることも喜んでくれているわ。中国全土でONEチャンピオンシップは放送されているから」

──UFCでジャン・ウェイリがUFC世界女子ストロー級王者になりました。今、中国のMMAは非常に勢いづいています。

「ジャン・ウェイリのUFC王座奪取は中国MMAの歴史の節目となったわ。彼女は中国のMMAアスリートが世界で戦えることを示した。そして、将来的にはもっと中国人選手がMMAで活躍することは間違いないわ」

──その通りだと思います。

「ありがとう、同意してくれて（笑）」

──気持ちが強い選手が本当に多いので。では日曜日の試合も、その気落ちの強さが見られる戦いを期待しています。

「絶対に３月の試合より、良い試合をする。皆にもっと強くなったシィォン・ヂィンナンを見てもらうわ」

──もう、今日の話を聞いているとヂィンナンのことをパンダなんで呼べないですね。ウルフと呼ぶようにしようかと思います。

「試合の時はウルフの方が好きよ（笑）」

■ONE100　第1部対戦カード

＜ONE世界女子アトム級(※52.2キロ)選手権試合／5分5R＞
[王者]アンジェラ・リー（米国）
[挑戦者] シィォン・ヂィンナン（中国）

＜ONEフライ級(※61.2キロ)ワールドGP決勝／5分3R＞
デメトリウス・ジョンソン（米国）
ダニー・キンガド（フィリピン）

＜ONEライト級(※77.1キロ)ワールドGP決勝／5分3R＞
クリスチャン・リー（米国）
ザイード・フセイン・アサラナリエフ（トルコ）

＜キックボクシング女子アトム級／3分3R＞
ジャネット・トッド（米国）
エカテリーナ・ヴァンダリエヴァ（ベラルーシ）

＜フライ級(※61.2キロ)／5分3R＞
若松佑弥（日本）
キム・デフォン（韓国）

＜ムエタイ・フライ級／3分3R＞
サムエー・ガイヤーンハーダオ（タイ）
ダレン・ローラン（フランス）

＜ウェルター級(※83.9キロ)／5分3R＞
岡見勇信（日本）
アギラン・タニ（マレーシア）

＜女子アトム級(※52.2キロ)／5分3R＞
平田樹（タイ）
リカ・イシゲ（タイ）

＜フライ級(※61.2キロ)／5分3R＞
仙三（日本）
リト・アディワン（フィリピン）

＜フェザー級(※70.3キロ)／5分3R＞
プー・トー（ミャンマー）
ユン・チャンミン（韓国）

＜68キロ契約／5分3R＞
スノト（インドネシア）
クォン・ウォンイル（韓国）

■ONE100　第2部対戦カード

＜ONE世界ライトヘビー級(※102.01キロ)選手権試合／5分5R＞
[王者]オンラ・ンサン（米国）
[挑戦者]ブランドン・ベラ（米国）

＜ライト級(※77.1キロ)／5分3R＞
青木真也（日本）
ホノリオ・バナリオ（フィリピン）

＜ONE世界バンタム級(※65.8キロ)選手権試合／5分5R＞
[王者] ビビアーノ・フェルナンデス（ブラジル）
[挑戦者]ケビン・ベリンゴン（フィリピン）

＜ONE Super Seriesムエタイ世界フライ級選手権試合／3分5R＞
[王者]ロッタン・シットムアンノン（タイ）
[挑戦者]ヴァウテウ・ゴンカウベス（ブラジル）

＜ONE Super Series キックボクシング・フェザー級ワールドGP決勝／3分5R＞
ジョルジオ・ペトロシアン（イタリア）
サミー・サナ（フランス）

＜ヘビー級(※120.2キロ) 5分3R＞
マウロ・チリリ（イタリア）
アージャン・ブララ（カナダ）

＜女子アトム級(※52.2キロ)／5分3R＞
山口VV.芽生（日本）
ジェニー・フアン（台湾）

＜修斗✖パンクラス王者対抗戦ストロー級(※56.7キロ)／5分3R＞
猿田洋祐（日本）
北方大地（日本）

＜修斗✖パンクラス王者対抗戦バンタム級(※65.8キロ)／5分3R＞
佐藤将光（日本）
ハファエル・シウバ（ブラジル）

＜修斗✖パンクラス王者対抗戦ウェルター級(※83.9キロ)／5分3R＞
エルナニ・ペルペトゥオ（ブラジル）
手塚裕之（日本）

＜修斗✖パンクラス王者対抗戦ライト級(※77.1キロ)／5分3R＞
松本光史（日本）
久米鷹介（日本）

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