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【JBJJF】四国柔術選手権でアジア王者・山本博斗と戦うムンジアル3位吉岡優幸の柔術道─02─

Yoshioka【写真】ムンジアル3位とアジア優勝者の戦いが、実現ッ!! (C)SATOSHI NARITA

7日(日)、徳島県の徳島県立中央武道館で開催される第10回四国柔術選手権の茶帯ライトフェザー級にエントリーしている徳島柔術所属の吉岡優幸インタビュー後編。

2017年のJBJJF茶帯ランキングで1位に輝き、今年の世界選手権はルースター級で3位、全日本選手権で優勝を果たした吉岡。取材をした時点ではエントリーが1人だったため、彼の柔術観について話してもらった─が、その後同階級にアジア優勝の山本博斗がエントリーした。

アジア王者との対戦を前に、吉岡が語っていた今後とは??
Text by Tsubasa Ito

<吉岡優幸インタビューPart.01はコチラから>


──銅メダル獲得は吉岡先生との練習の賜物ですね。

「もちろんそうだと思います。その中で何が強くなったって、もちろん技術的なこともありますけど、それ以上に気持ちの面ですよね。あれだけ技が綺麗な人から『最後はやっぱり気ですよ』とか言われたら説得力が違います」

――なるほど。練習中はかなり厳しそうですね。

「厳しいですよ。ボコボコです。今はあまり他の選手にポジションを取られることがなくなったんですけど、先生には取られまくるので、この歳になって耳が沸いたんですよ(笑)」

――ある種の勲章ですね。改めて吉岡先生はどのような存在ですか。

「いろいろな意味で尊敬しています。技もテクニックも美しいですし。先生が良いと言うものであれば、二つ返事で『わかりました。やってみます』と言いますし。絶対的な信頼を置いています」

――ではムンジアルを振り返っていただけますか。

Mundial semi final「準決勝の相手はGFチームの選手だったんですけど、技術も気持ちも相手のほうが強かったです。細かいところまで隙がなくて、打っても打っても向こうのほうが一枚余裕がある感じでした。確かポイント4-4のアドバン6-1だったと思うんですけど、アドバン差の内容が大きかったです。終わった瞬間に、あの差を埋めるにはどうすべきかを考えました」

――埋めるべき課題が見つかったことは、今後に向けての収穫でもありますよね。

「そうですね。今までは50/50になってからどうするかという練習をよくしていたんですけど、相手はあれがうまいからこの対策をしていこうという練習の仕方では、追いつけないなと思いました。相手がガードがうまかったら、ダブルガードになって下を選択してという逃げ腰じゃなくて、相手のガードごと壊して心を折るくらいの勢いがないと。

吉岡先生からもダブルガードになったら立てと言われます。そのあたりはAOJ仕込みですよね」

――それまでのファイトスタイルはガードが主体だったのですか。

「徳島柔術に移籍する前は上が得意だったんです。出稽古で徳島柔術に通わせていただいていた時は、吉岡先生とかはっしゃん(橋本知之)がいて、何回アタックしても絶対パスできないんですよ。こういう人たちからパスを取るのは難しいなと思ってガードをたくさんするようになったんです」

――吉岡選手は仕事も順調で愛するご家族もいます。安定した生活の中で、34歳にしてムンジアルに初出場するチャレンジ精神はどこから生まれてくるのでしょうか。

「何なんでしょうね……。20代後半の時は、30歳を過ぎたら体力が落ちていく一方なのかなと思っていたんですけど、実際そんなことはないんですよね。柔術だからというのもあるかもしれないですけど、やればやるほどうまくなるというか。

遅咲きの人っているじゃないですか。柔道をしていた高校時代もそんなにパッとする選手ではなかったですけど、人にはいい時期というのがあると思うんですよね。それが来る前にやめる人もいるし、来ない人もいるし。それが早く来すぎて下がる一方の人もいるような気がしますし」

――良い時期がたまたま30代中盤で来たと。ところで柔術を始めたのは何歳の時ですか。

「26、27歳くらいです。僕、子どもができたのが21歳の時で早かったんです。子育てがあるので柔道からは遠ざかっていたんですけど、子育てが落ち着いてきた頃にもう一回格闘技をしてみたいなと思って。柔道ができるところを探したんですけど、社会人になると少なくなってくるんですよね。

やるからには大会とか目標がなかったら強くならないだろうなと考えた時に、柔術かなと。最初は阿南市にあるfarolという道場に入りました」

――そこで柔術にハマったのですね。

「そうです。やっぱりボコボコにされるんですけど、それが悔しくて次の日も道場に行って。今日はこれをしてやろうとか考えながら過ごす一日が楽しくなって、魅力に取りつかれた感じですね」

――10月の四国柔術選手権は優勝した全日本選手権以来の試合となるはずでしたが、アダルト茶帯ライトフェザー級のエントリーは吉岡選手1名です(※インタビュー後に山本博斗がエントリーし、注目の一戦が見られることに)。

「せっかくなので戦いたかったですね。去年はNR柔術の松本選手が四国まで乗り込んできてくれて、決勝で戦ったんですよね。もうひとり香川の選手がいて、三つ巴のトーナメントだったんですけど。僕が他の地方の大会に行く時はそれなりに覚悟を決めていくので、自分と同じような気持ちの人がいてほしいなと思います」

――では最後に今後の目標を聞かせてください。

「1回経験してしまうと、ちょっと恐怖心が生まれてしまうんですよね。今年のムンジアルは何も知らないからこそエントリー表を見ても、だからどうしたんだという感じだったんですけど。差を埋めるために来年の6月まで地方の大会に出ながら磨いていって……と年明けくらいにははっきり気持ちが固まるんじゃないかと思います」

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