【AJJC2018】今週末開幕、アジア選手権の見所──語って、ハマジーニョ&フィクサー”S”
【写真】ハマジーニョとフィクサーSのJBJJF屋台骨を支えるコンビにアジアのプレビューを行なってもらった(C)MMAPLAET
7日(金)から9日(日)まで、東京都足立区の東京武道館でIBJJF主催「アジア柔術選手権2018」が開催される。
日本最大の柔術トーンメントを前にして、恒例(?)の『教えてハマジーニョ』でなく『語って、ハマジーニョ』が復活。アジア大会黒帯を中止に浜島邦明JBJJF事務局長に話を伺おうと思ったところ、「今年は僕が得意とするグアムやアジア在住のブラジリアンの参加が減ったので、国内中心になりそうで助っ人を呼びました」とのこと。
ここで現れたのが、JBJJFの広報担当&経理課長、そして大会ディレクターの新明佑介氏──そう今や日本の格闘技界を陰で操るフィクサーSのお出ましとなった。
──久しぶりの『教えてハマジーニョ』ですが、2018年のアジア選手権を前にして、得意のグアム&アジア在住のブラジリアンの来日が少ないということで、今回は助っ人として日本格闘技界の各方面で大活躍中のフィクサーSこと新明佑介さんにお越しいただきました。
新明 いや、フィクサーSは本当に勘弁してください(苦笑)。
浜島 じゃぁ、クインテット番頭ということで(笑)。
新明 いやいやいやいや……(笑)。
──数々の役職を使い分けるフィクサーにアジア選手権の話を聞く前に──に現在、ジャカルタで行われている(※取材は8月30日に行われた)アジア大会2018ジャカルタについて。同大会では柔術が採り入れられていますが、日本人選手の参加がありません。これはどういうことなのでしょうか。
浜島 ハイ、実は色々とありました。我々JBJJFもJJFJもJOC加盟団体ではないです。なので日本ではJOC加盟団体のレスリング協会が柔術部門の選手選考の権利を持っていました。そこでレスリング協会から日本格闘技連盟の繋がりもあって、JBJJFに選手選考の依頼があったんです。
──ハイ。
浜島 しかし、オリンピック機構では一つの競技組織は、一カ国に一つでないといけないという前提があります。
──あっ、バスケットボールでかつてJBLとbjリーグに分裂しているときに国際大会に出場できなくなるかもしれないという問題が起こりました。アレと同じということですか。
浜島 平たく言えばそうです。空手なども東京五輪に向け統一の組織ができたのですが、日本にはJBJJFとBJJFという2つのブラジリアン柔術の統括団体があり、今回は調整が上手くいかなかった形です。アジアゲームスは五輪ほど厳しくないので、1階級で2人の枠があり1名ずつ推薦選手の出場という道もあったのですが、選手を派遣することができなかったです。
これは本当にブラジリアン柔術に情熱を燃やしている全てのアスリートの人達に謝りたいです。そして、この問題の解決には私も本気で取り組まなければならないと思っています。ブラジリアン柔術を愛する一人として。
──サンボ、散打、プンチャクシラットに空手とアジアゲームスならでは格闘競技があり、日本人選手も参加できるというのに非常に残念でした。ではアジアはアジアでもIBJJF主催のアジア選手について話を進めさせてください。ここは黒帯中心になるのですが……。
浜島 ここからは新明君に任せます。グアム勢が少なく、完全裏方の私は全日本にしても、実際にマット上の試合を確認することが本当に少なくなってしまったので。もう締め切りが今日、明日という時点でもグアム勢もアジア在住のブラジル人選手も参加が今年は少ないです。
新明 全参加選手は1200名を超えているのですが、黒帯はこれまでより海外勢は少ないかもしれないですね。まだギリギリの段階で飛び込み参加があって1300人以上になるかと思います。
──うわぁ、1300人以上の参加ですか。思わずソロバンをはじきたくなりますね。JBJJFとしては上がりはいくらぐらいになるのですか。
浜島 全くございませんッ!!
──アハハ、行列のできる法律相談所のアンジャッシュ渡部さんばりの即答ですね(笑)。これがIBJJF主催大会の真実だと……。いや、この手の話は。これぐらいにしておきましょう。
浜島 そうしてくださいッ!!
──ではアジア選手権の見どころとして、黒帯なのですが正直……。
新明 ハイ、全日本プラスアルファという感じですね。
──そういう中で軽い階級から参加者をみていきますと。
新明 ルースターは全日本7連覇の芝本幸司がダントツの実績ですね。
浜島 橋本知之選手が残念ながら体調不良で欠場してしまうことになってしまいました。「芝本選手は自分の力が分かる相手」と話していたのですが……。
新明 橋本×芝本の名勝負数え歌が見られなくて残念です。最後の30秒で何か起こるのかと楽しみだっただけに。
──今年は特に橋本選手が抜けそうになっているなか、芝本選手の意地や底力とぶつかるという見方もありましたよね。
浜島 見ているだけで疲れる勝負ですからね、毎年。でも渡辺翔平選手も強くなっているので。
新明 今回はポゴナ・クラブではなく今成柔術で出場となっていますね。
浜島 IBJJFはフレキシブルなんですよ……。ルースターは渡辺選手が、澤田伸大選手に意地を見せることができるのかも楽しみです。
新明 全日本では澤田が一本勝ちしていますが、だからこそ渡辺選手も燃えているはずです。
──続いてライトフェザー級です。
新明 嶋田裕太選手が去年のアジア以来の日本での試合です。アジア2連覇、日本を引っ張るワールドクラスの柔術家ですからね。
そこに全日本準優勝の鍵山士門選手、2年前の決勝の相手で、ムンジアルにも出場──カルペディエム・ホープ所属となった宮地一裕選手、去年の茶帯で優勝したアトスのカルロ・アンジェロ・ペナ、そして一昨年の茶帯優勝で去年は3位のイ・ギョンサプ、韓国最強の柔術家がいかに絡んでいくか。
浜島 韓国の選手はトライフォース所属じゃん。どんな選手なの?
新明 ベリンボラーですね。あとは体が超強いですッ!! ジョアオ・ミヤオと世界で戦い続けてきた嶋田君に対し、どこまでできるのか。トライフォースからイ・ギョンサプと山田秀之の2人で嶋田君を追い込みます。
浜島 面白いねぇ。ビビアーノ・フェルナンデスだって茶帯のムンジアル王者から、次の年にはヒカルド・ヴィエイラに勝っているからね。茶帯上がりには注目です。嶋田選手を中心にこれらの選手がいかに食いつくかですね。
<この項、続く>