この星の格闘技を追いかける

【Special】2026年、要・要注目の階級―02―LFAフライ級=正規王者シャポリンと暫定王者デグリが並び立つ

【写真】正規王者と暫定王者がそれぞれタイトルを防衛する。1階級で2つのタイトルラインが存在するのもLFAの特徴だ(C)MMAPLANET & LFA

正月気分も抜け、いよいよ2026年の戦いが始まるMMA界。MMAPLANETでは、そんな世界中のMMA戦線から見逃すことができない階級をピックアップ。第2回は過去11人の正規チャンピオン中8人がUFCに進出しているLFAフライ級編をお届けしたい。
Text by Manabu Takashima

LFAフライ級主なトップファイター

王者エドゥアルド・シャポリン(ブラジル)
暫定王者マルコス・デグリ(ブラジル)
ルイス・アギラール(ブラジル)
クリスチャン・ナティヴィダッド(米国)
エルネスト・イバラ(メキシコ)
チャンス・イケイ(米国)
ジアン・セヴァーリョ(ブラジル)


LFAは暫定王者が多いプロモーションだ。その理由は、まず他のフィーダーショーと同じでチャンピオンのなったファイターのゴールは、そのベルトではないこと。あくまでもLFAのベルトはUFCと契約するためのチケットだ。よってUFCに最も近づいた状態で、リスクが高くなる王座防衛戦をファイターは好まず、LFAも推し進めない。

フライ級に関していえば現王者エドゥアルド・シャポリンが11代目だが、過去に防衛戦を戦ったのはそのシャポリンを含め4人の王者のみ。初代王者ロバート・サンチェス、第3代王者ブランドン・モレノ、第4代王者ブランドン・ロイヴァル、第5代王者ジミー・フリック、第6代王者ヴィクトル・アルタミラノ(コンテンダーシリーズを経て)、第8代王者カルロス・モタ、第9代王者フィリッピ・ブエノの7人が防衛戦を行わずUFCとサインしている。(※暫定王者ではケイシー・ケニーがUFCと契約)。

第7代王者チャールズ・ジョンソン(暫定王者から昇格)はカルロス・モタを相手に王座守り、UFCと契約(暫定王者時代にジョアォン・カミーロを下し防衛せいている)している。他方マイケル・ペレスはモレノに敗れ、コディ・デイヴィスはシャポリンにベルトを奪われUFC行きはならなかった。

ベルト巻けば、まずUFCからのコールを待つ。その王者の立場を理解している一方で、タイトル戦線を動かすために暫定王座が認定される。加えて2017年にダナ・ホワイト・コンテンダーシリーズが始まってからは、コンテンダーシリーズから声が掛かるのを待つファイターにとっても王座防衛戦は二の次となった。そんな状態で誕生した暫定王者に関しても、LFA特有の事態が定着しつつある。

それは暫定王者が正規王者とベルトを統一するという既定路線でなく、ベルトを防衛するというストーリーラインの存在だ。ライト級では2023年11月に暫定チャンピオンとなったジョフィソン・ナシメントが2025年9月になって防衛に成功しているが、その裏で正規王者はジャコビー・ジョンソンからキーガン・ゲンリック、さらにリッチー・ルイス~リッチー・ミランダと交代が見られ、現王者ミランダは昨年8月に初防衛戦に成功している。

正規王者と暫定王者が並び立つのも、LFA自体がフィーダーショーとしてステイ&タイトルディフェンスでなく、ステップアップを求めていることの表れといえる。

実際、フライ級も正規王者シャポリンと暫定王者マルコス・デグリという2人のチャンピオンが頂点に君臨している。シャポリンは8月の王座防衛後に、コンテンダーシリーズで勝利を手にしても実現に至らなかったUFCとの契約を虎視眈々と狙い続けている。暫定王者デグリは、今月23日のLFA225でアギラールの挑戦を受ける。

正規王者シャポリンはTUF33、コンテンダーシリーズとUFCとの契約を逃した後にTUFのコーチであったダニエル・コーミエーの下でレスリングの指導を受け続け、ムエタイとパラゴン柔術に身に付けた打&寝技にスクランブル能力が加わった。実力的にはUFCレベルといっても過言でない。

同様にデグリもムエタイではブラジルの頂点に立ち、柔術でも黒帯とKOパワーと極め力を持っている。

シャポリンとデグリのLFAフライ級ツートップに続くのは、上記にあるように暫定王座に挑むルイス・アギラールか。

キャリア9勝1敗でRec Fight、Paulista Fight MMAというローカル大会だけでなく、アギラールはJungle Fightでもフライ級王座を獲得している3冠王だ。ピットブル・ブラザースの支部に所属し、アブダビプロ柔術に茶帯の部で出場経験もあるアギラールは、下になっても抜群の極め力を持つファイターだ。

ブラジル勢がトップを占めるLFAフライ級戦線にあって、米国勢ではハワイアン、エリック・アラバシン門下のクリスチャン・ナティヴィダッドがタイトル戦線に顔を出しそうだ。兄に元UFCファイターのケヴィン・ナティヴィダッドを持ち、ヒザの負傷で2年ほどのブランクがあったが8勝0敗と負け知らず。とはいえ5試合が判定勝ちでフィニッシュが求められるのも事実だろう。しっかりと勝ってくるだけに、試合中もミスが少なく――彼がタイトル戦線で浮上して挑戦権を得ることは、チャンピオンサイドにとっては避けたいことかもしれない。

ナティヴィダッドと同様に無敗(6勝)のハワイアンが、チャンス・イケイだ。コロラド生まれ、アリゾナ経由でハワイに移り住むと常夏の島でレスリングを始めた。アリゾナに戻るとハイスクール・レスリングでステート・チャンピオンに輝き、アリゾナ州大ではD1レスラーとして活躍したイケイは、MMAファイターとしてはファイトLabに属している。

運命のいたずらかナタヴィダッドも同じアリゾナのファイト・レディ所属。イケイはルーツが同じで、拠点も近いナティヴィダットとLFAフライ級王座、そしてUFC行きを競い合うことになる。

軽量級で強豪国の一角となったメキシコからも、面白いファイターが出てきた。エルネスト・イバラはLFAでは1勝だがCOMBATE Globalで4勝1敗、通算11勝1敗、フライ級では5勝0敗と負け知らず。彼もまた2026年にはタイトルに絡んできそうだ。キックボクシングベースながら、ケージレスリングに長けたイバラは組みのなかで殺傷力の高いエルボー、ニー、パンチを繰り出す、際を無くしたストライカーといえる。

またブラジル大会ではキャリア8勝1敗、修斗ブラジルではタイトル戦で敗れているが、4つのKO勝ちと3つの一本勝ちをしているジアン・セヴァーリョのような力のあるファイターが、常に出てくる。

エド・ソアレスCEOはUFCやコンテンダーシリーズだけでなく、LFAファイターをRIZINに送り込みたいと意向を持っている――だけに、ワールドクラスのニューカマーをいち早く発見できる楽しさがある。それが世界一のフィーダーショー=LFAフライ級戦線だ。

PR
PR

関連記事

Movie