【AJJC2019】今週末開幕、アジア選手権の見所─01─語ってハマジーニョ&フィクサーSからの所信表明
【写真】アジア選手権の見所はドンことフィクサーS に任せ、ひっきりなしに入るメッセージに対応していたハマジーニョだが、写真撮影の時だけ楽しさを演出していた……(C)MMAPLANET
13日(金)から15日(日)にかけて、東京都足立区の東京武道館でIBJJF主催アジア柔術選手権が開催される。
MMAPLANETでは恒例となったJBJJF首脳に尋ねる──アジア選手権の見所。『語って、ハマジーニョ』もブラジリアン柔術界の変化に伴い、今年はフィクサーSこと新明祐介氏が矢面に立ち取材を受けてくれることとなった。
そんなアジア選手権を前にして、まずはハマジーニョ=浜島邦明氏が語ったJBJJFにおける彼の役割、そのポジションとやるべきこと──所信表明をお伝えしたい。
──MMAPLANETでも特別なインタビューとなっているアジア選手権前の『語って、ハマジーニョ』ですが、昨年から『語ってハマジーニョ&フィクサーS』に形を変え、今年はついに浜島氏の口から「アジアはフィクサーSに任せたい」という言葉が出てきました。なぜ、今や日本格闘技界の大物となったフィクサーSにアジアを任せるという状態になっているのかを教えていただけますか。
浜島 今やフィクサー……黒幕ではなく、格闘技界のドン(首領)と呼ばせてもらっています。もう、今の僕は参加選手のことを話せるだけの知識がないというのが正直なところで。会場に足を運んでいても、試合に集中することがほぼない状況なんです(苦笑)。
それに今年はやはり僕の得意としていたグアム系の柔術家の出場が少なく、ここはもうドンに任せようかと(笑)。ただ、それは連盟として悪い話ではなく、去年までは役割分担をする余裕すらなく、僕がなんでも口を挟まないといけない状況だったのが、今はそうでなくなったということができるんです。
仕事の分担がなった、そうしたらそこに集中すると仕事量は減らないということにも気付きました(笑)。
──浜島さんは今年の3月20日にデラヒーバジャパン本部を閉鎖し連盟の仕事に従事する選択をされましたね。
浜島 自分が連盟の事務局長になった時から道場に関しては直接指導をすることもできなくなっていましたし、自分のやりたいこともできなくなったということがありました。自分は道場と連盟の仕事を両立できるほどの器量も器用さも持ち合わせていないですし。
それであれば、道場に通ってくださっていた柔術家の皆さんも含め、どちらの方が柔術にたずさわって喜んでもらえるのかと考えた時には、自分は連盟に仕事に専念しようと思ったんです。その方が皆さんに喜んでもらえるだろうと……」
──とは言っても、自らの道場を閉めるというのは断腸の思いだったと思います。
新明 ここまで柔術のことを想ってやってくれている浜島さんに対し、心無い発言がネットなどで見られた時は本当に心が痛かったです。
──文句ばかりいう人もあっての世の中ですが、近くでその努力を見ている者としては、『なんで、そんなこと言われないといけないのか』とは感じてしまいますよね。
新明 報われないです……。
浜島 そういう星の下に生まれたと思っています(笑)。とにかく大会の数が増える一方なので、自分のやるべきことをやっていくだけです。
──日本ブラジリアン柔術連盟では収支を発表していますが、これだけ大会を開いてなお昨年は赤字を計上しています。
浜島 それはホームページの拡充、マットや表彰台を新たに購入したということで、投資をした結果でもあります。メダルにしても少しでも喜んでもらえるモノを制作したいですしね。何より、JBJJFとしては大会運営のクオリティを低下させることが一番良くないことですから、アルバイトの全国平均時給の1.5倍近くをスタッフの皆に、レフェリーには2倍近くを支払うようにしてきました。
これまではそこも協力してくださる人々の熱意に甘えざるをえないほどの状況だったので、そういう部分からメスを入れるようにしてきたんです。
──そしてアジア選手権はJBJJFではなく、IBJJFの大会なのでフィクサーSに任せようと!!
新明 決して仕切ってはいないです。常に相談してもらって動いているのが現状で……。
浜島 娘さんと遊びに出て、写真を撮るふりをしてメッセージを送っていますからね、ドンも(苦笑)。申し訳ないと思っています。そんなことしていたら休めないですよ。そこは携帯を置いて、家族を大切にしてほしいです。それで文句を言うような人がいれば、その人がおかしいと僕は思いますよ。
──激しく同意します。
新明 ただ、アジアが終わると次の週から12月の第2週まで毎週のように大会があり、トーナメントが被っている日もあるので……やはりアジアは自分がしっかりと頑張らないといけないと思っています。
──そこまで多くの大会を開く必要があるのですか。
浜島 ムンジアルという頂点のあるIBJJF傘下のJBJJFに大会を開いてほしいという柔術関係者の声を聞くと、やはり僕たちも使命感を持ちます。柔術っぽい草大会が行われ、そこがブラジリアン柔術という競技のスタンダードという風になって欲しくないという想いは道場で指導されている先生方も、自分たちも同じなんです。
新明 規約を緩くすると、僕らだって楽です。でもJBJJFの質を持って大会を開いて行きたい。それが将来の日本のブラジリアン柔術界のためになると思っています。
浜島 なので僕はドンとは違って、アジアに関してはエントリーリストすらチェックできていない状況ですので、この取材もドンに任せたいと思っています(笑)。
──なるほど、あくまでもアジア・プレビューに関しては友情出演という体でお願いします。
浜島 了解しました(笑)。
<この項、続く>