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【UFC226】3Rを通しての主導権の握り合いは、フルマークの判定でクローズがバンターナに勝利

<ライト級/5分3R>
ドラッカー・クローズ(米国)
Def.3-0:30-27.30-27.30-27
ランド・バンターナ(米国)

開始直後に組んでケージにバンターナを押しこんだクローズが、スピニングバックエルボーに。これを避けてバックを取ったバンターナに対し、前転してスクランブルからクローズが離れる。クローズの押し込みをいなしたバンターナが、脱力したような動きから組んで右エルボーを狙う。これは空振りになったが、ワンツーを当てる。クローズはローから右アッパー、苦笑いを見せたバンターナをケージに押しこむ。

ケージ際で両者は、頭を振ってボクシング。離れて左右のローを蹴るバンターナにクローズが右を当てる。バンターナの左ハイに組みついてクローズがヒジ打ち、首相撲からヒザを突き上げ、肩パンチを入れる。ここのクリンチ合戦で組み勝ったクローズが、離れて右ミドルを放ったところで初回が終わった。

2R、バンターナは前に出てきて圧力を強めるクローズの攻撃を、上半身を振ってよける。後ろ回し蹴りを見せたクローズは、組んでエルボーを入れる。リラックスした動きを通す、バンターナは遠目の位置からアッパーなどを放って制空権を作りにかかる。組まれてエルボーを打ち込むクローズが、ケージにバンターナを押しこむ。ここでもエルボーを見せたクローズは、バンターナの力技=払い腰を潰してトップへ。

滑っとした動きで横にずれ、立ち上がったバンターナが右ロングフックを当てる。ここで前に出たバンターナに対し、クローズはスピニングバックフィストを当てる。制空権を作りながら、自らの攻撃にカウンターを被弾するケースもあるバンターナが、あくまでも待ちの姿勢からロング・オーバーハンド、蹴りを繰り出す。

クローズのローで体が一回転したバンターナ、クローズとともに主導権を取り切れないまま試合は最後の5分を迎えた。

3R、ワンツーで下がらせ後ろ回し蹴りを見せたバンターナ。さらに左ミドルを入れる。スピニングバックフィスト、バックハンドブロー、変則的なパンチを繰り出したバンターナだが、待ちの姿勢にもペースを乱さないクローズがスーパーマンパンチを当てる。直後に組みついたクローズが、シングルでテイクダウンを狙いつつ細かいパンチを打っていく。

残り2分、両ワキを差したクローズに対し、バンターナはケンケンで防御。持ち上げてテイクダウンを狙ったクローズだが、バンターナがこれを許さない。と、レフェリーはここでブレイクを命じ、再開後にバンターナがシングルレッグでテイクダウンを決め、即バックに回り込む。

両足をフックしていながら、亀のクローズの体を跨ぐように離れたバンターナは、直後にテイクダウンを奪われ──立ち上がってケージに詰められた状態でタイムアップを迎えた。

相手の良さを消す打撃の間合いと、手数を見せつつテイクダウンを取り合った両者。こうなると、裁定はもうジャッジの主観が絶対的になる。結果、クローズがフルマークで下馬評を覆す勝利を手にした。甲乙つけがたい時、米国のジャッジはキックボクシング&レスリングの選手を取る傾向になるようだ。

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