【Quintet 01】審判団はJBJJF&D-NET連合、審判委員長に中井祐樹が就任。気になるルールも骨子が発表
【写真】左より安井佑太JBJJF審判員、そして今回発表された新明、片岡、美木、山崎(敬称略)のクインテット審判と中井審判委員長、そして桜庭和志(C)QUINTET
27日(日)、4月11日(水)に東京都墨田区の両国国技館で開催される新グラップリングイベント=QUINTE.1のルールの概要が確定し、日本ブラジリアン柔術連盟(JBJJF)の中井祐樹代表がクインテット審判委員長に就任することが発表された。
桜庭和志率いるグラップリングのチーム戦イベント。HELEOドリームチームとしてその桜庭、ジョシュ・バーネット、マルコス・ソウザ、所英男、中村大介以外にも、英国のノーポイント&サブオンリー・グラップリング大会より──ポラリス・ドリームチームとしてグレゴー・グレイシー、ダン・ストラウス、チャールズ・ネグロモンテ、宇野薫、そしてクレイグ・ジョーンズの出場も決まっている。
さらに柔道ドリームチームからは石井慧、小見川道大、出花崇太郎(キャプテン☆アフリカ)、ユン・ドンシク、チョン・ブギョンの参戦が確定し、サンボ・ドリームチームとしてテオドラス・オークストリス、マリウス・ザロムスキー、ミンダウガス・ベルツビカス、ミキータ・ミフノ、セルゲイ・グレチコのリトアニア勢などが、出場メンバーに名を連ねている。
そんなグラップリング異種格闘技大会の様相を呈しているクインテットの競技運営は中井氏率いるJBJJFから植松直哉、新明佑介、さらに道場連合いうべきD-NETから片岡誠人、山崎剛、美木航という面々が審判団を結成して行うこととなった。
さらに旗揚げ会見で桜庭より発言のあったヒールは禁止など、気になるルール面も今回発表されている。ルール骨子として今回明らかとなったのは以下の通りだ(要約)。
◆失格となる重大な反則
・ヒールフック
・頭部に直接ダメージを与えるスラム及びスパイク(打ち付け)行為
・ネッククランク
・カニばさみによるテイクダウン
・ジャンピング・クローズドガード
◆指導を受ける違反行為
・膠着を誘発するクローズドガード
・攻撃意図の見えないポジションキープ
・スタンドでテイクダウン狙わず、ディフェンシブに動き回る行為
・故意に試合場から転落させようとする行為
・故意の場外逃避
・噛みつき、歯を押し付ける
・頭髪、体毛、鼻、耳を掴む
・一度に3本以下の指を掴む
・相手に触れていない状態でのシッティング・ガード
◆禁止事項
・シューズの着用
・オイルやジェル、クリームを塗る行為
・指輪、ピアスなど貴金属類の着用
◆試合時間
・8分1R
・体重差が20キロ以上ある場合は4分1R
◆勝敗決着
・サブミッション
・失神
・失格(指導3回)
・決着がつかない場合は引き分け
・大将戦のみ、時間切れの場合は指導の少ない方が勝利。指導が同点の場合はチーム戦全体で指導が少ない方の勝利。全く同じ場合は審判の旗判定
◆その他の留意点
・チーム5人の総体重が430キロ以内で、勝ち抜き戦を採用し引き分けは両者退場。勝ち上がりチームは、出場していない選手を優先的に並べるオーダーを組む必要がある。
・主審及び2名の副審が消極的と判断し、指導を受けた選手は12メートル四方のマットの中央でパーテルポジションにより再開となり、両者指導はスタンドで再開。
ヒールが反則と同様に、注目すべき点はジャンピング・クローズドガードが即失格となっている点か。今回発表された骨子から、体重差のある試合を組むうえで、安全性を鑑み、攻防を促すルールであることが分かる。
劣勢でも攻める必要がある点を如何に徹底させるか。攻められないための防御を、膠着誘発といかに線引きするか。この辺りは競技に精通する審判員がどう判断するのか興味深い。ここが曖昧になると、これまでの見る側にハードルが高いとされるグラップリングとの分別がつかなくなるので、クインテットの魅せるグラップリングの確立には──思い切ったレフェリングが必要となってくるだろう。