【JBJJF】大阪国際にダブルエントリー、白石勝紀 「グレイシーバッハのカリキュラムにそって練習するだけ」
【写真】全日本オープンではライト級優勝、無差別級で3位だった白石 (C)TAKAO MATSUI
3月3日(土)、大阪市立修道館で日本ブラジリアン柔術連盟(JBJJF)主催の「大阪国際柔術選手権2018」が開催される。東京、広島に続いてJBJJF主催の国際大会となった大阪国際は、関西地区の柔術をさらに広める意味でも重要な大会となる。
大阪国際のアダルト黒帯ライト級&オープンのW出場となる白石勝紀に大会への意気込みを訊いた。
Text by Takao Matsui
――全日本オープンのアダルト黒帯ライト級の優勝おめでとうございます。
「ありがとうございます。今年1月のフルフォースカップに出場したんですけど、ライト級で負けてしまったので(準優勝)、なんとか結果を残したいと思っていました。全日本オープンで優勝できてよかったです」
――ライト級は、世羅智茂選手、高橋良治選手、高本裕和選手、奥田照幸選手と強豪が揃っていました。
「そうなんですよね。僕が色帯だった頃から知っている方ばかりだったので、ドキドキしながら戦っていました。しかも、初戦の相手がいきなり変わっていたので驚きました」
――誤って同門の選手同士の試合が、一回戦で組まれていたようですね。結果、奥田選手との対戦となりました。
「僕の先輩が奥田選手と戦って苦戦していたことを覚えていたので、強い選手だなという印象がありました。勝てて良かったです」
――15-0の圧勝でした。決勝は世羅選手を予想していましたが、高橋選手は逆転の好勝負を展開しての勝ち上がりでしたね。
「高橋選手、メッチャ強いなと思ってビックリしました。昔からやられている選手なんですよね!?」
――8年ぶりの復帰だったようです。対戦してみていかがでしたか。
「ほんま、強かったです。僕、最近トップゲームを重視していて、ガードに自信がない時期やったんで。あとは柔道ベースの選手だと思ったので、下を選択してスパイダーをとってという感じでした。最後は得意の形で一本勝ちができたので、すごく嬉しかったです」
――それこそバッハらしい、スパイダーから三角での勝利でした。
「スパイダーからの三角の形で一本を取れたのは、紫帯以来だと思います。もともと得意の形だったんですけど、茶帯くらいから攻略されてきて、なかなか一本が取れなくなっていたんです。今回、勝てて良かったです」
――オープンにも出場されていましたね。
「大塚選手は強かったですね。僕が青帯くらいから活躍されている選手なので、対戦できればなと思っていました。やはり上手な選手でした」
――勝負はレフェリー判定でしたが、攻める場面は少なかったかもしれません。
「まだまだ僕は、うまい相手に対応できていませんね」
――神戸から遠征して、今回、東京オープンに出場してきた理由を教えてください。
「昨年は結婚したので、式の準備やら忙しくて全日本選手権とアジア選手権くらいしか出場できなかったんです。だから今年は出られる大会は、どんどんエントリーしていこうと思っています」
――黒帯になったのは、いつですか。
「昨年の12月です。黒帯になって結婚もしたので、今年は大会に出まくるつもりです」
――次は大阪国際への出場になりますね。
「僕はグレイシーバッハのコンペクラスを指導させていただいていますけど、自分が率先して試合に出ていないと説得力がないかなと思っています。グレイシーバッハは、試合の強さだけではなく、試合に出ない一般の会員さんと混在している道場なんですけど、自分が出てバランスを取っている感じですかね」
――グレイシーバッハは柔術の総本山、道場の雰囲気はどのような感じですか。
「みんな、すごく応援してくれています。試合に出る人も出ない人も、うまく一緒になって盛り上がっています」
――会員さんのトーナメント出場の有無はどのように考えていますか。
「そこは強制しないようにしています。それぞれの立ち位置がありますし、コンペクラスも興味のある方は参加してみてくださいという感じでお誘いしています。大会に出ろ出ろと言って、それで負けてもうたら怖くて一生出なくなると思いますからね。
興味を持たれた方が出場して柔術の面白さが増したらいいなあとは思いますが、そこは自然の流れに任せたいですね。もちろん、試合に出たいと言ってコンペクラスに参加していただける瞬間は、メチャクチャ嬉しいですけど(笑)。」
――白石選手は、どこを目標にして大会へ出場しているのでしょうか。
「紫や茶帯の時は調子に乗っていて、絶対に黒帯でも行けるやろと思っていましたけど、そんなことはなかったですね(苦笑)。みなさん強い選手ばかりですから。ただ紫と茶帯の頃は、勝手に追われる立場になっていて苦しかったんです。その点、黒帯になったばかりの今は、挑戦者の気持ちで戦えているので楽ですね。捨てるものがない者の強みはあります。
目標としては、やはりIBJJFの大会で結果を残してポイントを獲得して世界選手権に出場したいです」
――ライト級は岩崎正寛選手、細川顕選手という海外で活躍する選手が日本のトップで層が厚いです。
「そうですね。まずは国内で一番になることしか考えていません」
――同じ階級に選手の動向は気にならない?
「僕はトーナメントが発表されても、研究はしないタイプなんです。研究すると緊張して寝られなくなるからです(笑)」
――研究を始めると、気になって寝られない、だからやらないと。潔いというか、無謀というか(笑)。
「ぶっつけ本番の方が楽ですよ」
――東京だと道場が違っていても技術交流がありますが、神戸ではどうなのでしょうか。
「うちは、ないですね。グレイシーバッハのカリキュラムにそって練習をしていくだけです。それで問題になるようなことはありません。たしかに外部の人と交わっていくことも方法のひとつですが、根本的な技術の幹は一緒だと思います。いくら技術が発展しようが進化しようが、対応できるようにグレイシーバッハのカリキュラムに組まれています」
――新しい技を仕掛けられても対応はできるものですか。
「できないものもあります。今回、大塚選手にやられた技がそうでしたが、練習していけば問題ないかと思います。出稽古はしませんが、動画で技術を見てアップグレードはしています」
――新婚とお聞きしましたが、柔術にのめり込む夫への理解はありますか。
「ありません(笑)。まったく興味を示しません。なんで、そんなにやってんのと言われますよ」
――では、今回、金メダルを持って帰っても……。
「へえー、そうなん、おめでとうくらいです(爆)。でも、このくらいの距離間でちょうどいいです。緊張してしまう性格なので」
――分かりました。奥さまが柔術を始めてくれることを祈ります(笑)。では、最後に大阪国際への意気込みをお願いします。
「自分から攻めたいですね、へんに守りに入らずに。でも黒帯は、そんなに甘くないので、アドバン差で勝てるくらいの勝負もしてみたいです(笑)。大阪国際の後は、4月の関西オープンにも出場する予定なので、結果を残したいです」