【UFC】ベラトール中継の顔、良識派解説者=ジミー・スミスがUFC実況に合流!!!
【写真】試合後、計量でも選手にインタビューするなど、ベラトール中継の顔だったジミー・スミスがUFCに転出することが決まった (C)BELLATOR
12日(金・現地時間)、UFCより実況チームに長らくBellatorのカラーコメンテイターを務めていたジミー・スミスが加わることが発表された。
3日前にビッグ・ジョン・マッカーシーがBellatorの実況陣に加わることが発表されたばかりの北米MMAワールド。そのビッグジョンがレフェリーからの解説者への転身だったのに対し、スミスは2010年4月のベラトール12より同大会の解説者を務めてきた、ある意味中継の中心を担う人物が移籍を果たすことになる。これはマイク・ゴールドバーグなどUFCの顔を引き抜いたきたSpikeに対し、FOXが逆襲に出たといっても良い。
そもそもスミスがベラトールで解説を始めた頃のベラトールはFOX配下のFOX Sports Netで中継されており、後にバイアコム配下のMTV2、そしてSpikeと中継媒体が変わってもスミスは躍進ベラトール中継の核となる解説者であり続けた。
1977年9月生まれのスミスは、まだカリフォルニアでMMAが合法化される前の2003年からKOTCなどでMMAを戦うようになり、2006年5月までの現役生活で5勝1敗4つの一本勝ちというレコードを残している。
現役を退いた彼を一躍有名にしたのは、2007年の年末から2月まで10週に渡りディスカバリーチャンネルで放送されたFight Questというドキュメンタリー番組だった。ダグ・アンダーソンとともに世界各国を回り、各地の土着格闘技を実際に体験しつつ各国の文化を伝える番組内で、ボクシングと柔術、そしてMMAの経験を活かした体当たりの実演と明確に言葉にして伝えることができるタレントの持ち主スミスの評価は上々だった。
中国からは嵩山少林寺、フィリピンでカリ、インドネシアでペンチャクシラット、韓国でハップキドー、イスラエルでクラブマガ、メキシコでボクシング、フランスではサバット、そして米国でカジュケンボー、さらにはリオでホイラー・グレイシーも出演しブラジリアン柔術が詳細されたた。そんなファイトクエスト時代にスミスは日本を訪れ、郷田勇三師範の下で極真空手(松井派)の稽古にも参加している。
ベラトール中継でもラウンドごとに自らのスコアを発表し、ジャッジの正式裁定と違いが生じるとハッキリとその差異を説明し、さらにはファイターへの積極性を求めたスミスの実況解説は正統派かつ良心的であった。
古くからUFC実況でおなじみのジョー・ローガンとの親交もあり、ローガン自身が以前からスミスがUFC実況チームに加わるよう口説いていたことは公然の事実だ。今回のUFCへの転身は古巣FOXへの里帰りでもあるスミスは、「世界一のコンバットスポーツ・ブランドに参加できてとても光栄だ。この世界で生きている人間にとって特別な名誉、UFCの実況として世界のベストファイトを皆に届ける日が待ちきれない」とコメントしている。
元ファイター、現役ファイター、寝技に精通したローガンに加え、博識のスミスの投入はライブ中継のみならず、UFCの煽り番組もさらに充実させていくだろう。持論を譲らないドミニク・クルーズとの掛け合いなど、今から楽しみだ。