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【Pancrase290】日沖発から逆転KO勝利、髙谷裕之─02─「オールドスタイルのガチガチなファイトで」

Hiroyuki Takaya【写真】髙谷といえば髙谷軍団、応援団も大人になった(C)KAORI SUGAWARA

8日(日)、東京都江東区のディファ有明で行われたPancrase290で14年振りに再戦した日沖発にKO勝利を収めた髙谷裕之インタビュー後編。

四十路を迎えた髙谷のトレーニングの変化と、気の持ちよう。喧嘩番長時代のファイトの復活は、日々の激しいトレーニングとリラックスタイム──オン・オフから生まれる。

<髙谷裕之インタビューPart.01はコチラから>


──23歳から続けてきた筋トレも、長年続けて来たことで今の寝技や打撃にプラスになっていると感じる点はありますか。

「そうですね。体のバランスも見てもらって、それに合わせたトレーニングもしています。パンチ力というのは筋トレをして付くものではないから、ブレたりした時でもちゃんと打てるような感じになっているから、パンチ力を活かせるようになっていると思います」

──新たなランキングも日付で発表されました。

「チェックしてないです。何位になりましたか?(笑)」

──髙谷選手は6位です。5位ISAO選手、4位田中半蔵選手、3位カイル・アグオン、2位松嶋こよみ選手、そして1位が中原由貴選手です。(※10月11付ランキング)

「そうですか。意識はしますね。試合をするんだったらランキングが上の選手とやりたいとは思います」

──1位の中原選手はテレビで見て憧れていた『DREAMの髙谷選手』の試合順の1つ前の試合順で、自分が試合できる事を喜んでいました。

「そういうベテランになったというか、位置付けになった事が意外というか、不思議な感じですね。DREAMは良い思い出です。ちょっと毛色が違うような気もしますけど、今でいうRIZINみたいな感じですかね」

──あの頃のビッグショーの経験は今にも活きていますか。

「いろんな選手と戦って来た事が良い経験になっていると思います。HEROE’Sの時なんて70キロで試合をしていましたからね。ブラック・マンバとかもデカかったし、下手したら190センチのヤツとかいるじゃないですか。相手が体重を落としてくるからみんな身体がデカイですよね」

──対して、パンクラスではフェザー級でランキングのあるなかで試合をしています。

「年間のスケジュールが立てやすくなりましたね。定期的に大会をやってくれているので安心して出られる。『何月に試合がしたい』と思ったら大体その時期にいくつか大会があるので調整もしやすいし、1番安定しているなと思います。

そういうところが凄く助かっていますね。修斗もこの前、来年の年間スケジュールが出ていたから、これから日本の格闘技も段々とそうなって来ているのかなと思います」

──12月でSWAでデビューして17年、プロ修斗デビューからは来年の2月で15年目を迎えます。

「ここ数試合は例えばUFCだの色んな最先端のMMAを考えながら戦っていたんですけど、今回は14年前のテンションに戻して戦った感じですかね。それで良かったんだと思います。ラウンド毎にポイントを取りに行ったりとか、あまりそういう事は考えなくて良いんだなと思いました。

元々応援してくれている先輩からも最新のMMAスタイルでした試合では『つまらない。テンション上げて試合をしているの?』と言われたりして、『俺はそういう感じではないんだろうな』と思ったんですよね。

ポイントゲームをやったりするのが僕には合っていないと分かったので、オールドスタイルのガチガチなファイトで納得出来るように試合をしようと思いました」

──ガチガチ・スタイルも北米スタイルもハードなトレーニングに支えられていることには変わりないと思います。そして、今度についてはどのように考えていますか。

「しばらくはゆっくりします。敢えて今月は筋トレだけしかしないくらいに、めちゃくちゃゆっくり過ごして試合の疲れを抜きます。去年、半年で3試合やったんですよ。そしたら、全然緊張しなくなってしまって、テンションも上がっていなかったんだと思います。

今回はジムをオープンしたというのもあるんですけど、無理に急いだりオファーが来たらすぐに試合を決めるとかではなく、ちゃんと準備ができてテンションが上がる状態で試合をしようと思っていたので、そうした方が自分には良いんだなあと思いました。

あまり先のことを考えないで、1試合ずつしっかりとやって行く事にしました。前は海外でどうのこうのとかも考えていたんですけど、ぶっちゃけ考えたってしょうがないし、ベテランにもなって来たし、1試合ずつ好きなように戦って納得できるように試合をしたいなと思いました。自分のジムでも選手が育っているし、恥ずかしくしない試合をして行きたいです」

──では最後にファンに一言お願いします。

「今回は応援してくれたおかげで良い結果で勝つことができました。凄く練習をして良い試合をするので、また応援してください。よろしくお願いします」

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