【ROMAN02】ペケーニョとラストファイト??!! 日沖発「ここまで来られたことが嬉しいです」
【写真】言うて、あの頃と同じ動きを見せてくれる。その期待感ばかりです (C)SHOJIRO KAMEIKE
本日27日(日)、東京都新宿区GENスポーツパレスで開催されるROMAN02で日沖発が、アレッシャンドリ・フランカ・ノゲイラと戦う。
Text Manabu Takashima
正式に引退という言葉は聞かれることはなかったが、MMAの試合から離れて6年以上となる日沖。41歳になった彼が、ペケーニョと道着MMAを戦う。修斗で戦っていた時も、戦極、UFC、その後も日沖にとって格闘技は生活を豊かにするため、幸せになるために存在していた。
自らのジムstArtの経営と指導が人生の中心になり、「今も強い」という声が聞かれ続けるなかで、ついにこの時を迎えた。戦うことで、日沖の日常にどのような変化が起きたのか。現役ファイター、日沖発が話していたこととは。
自分の時間を創って、しっかり仕上げる。そんなことは、もうできないかもしれないって思ってきた
──6年8カ月振りの打撃有りの実戦。ライト級契約ですが、減量もされているのですか。
「普段からそれほど体重は増やさないようにしているのですが、それでも73キロぐらいなので体重は落としています。今朝で71.5キロとかでしたね(※取材は23日に行われた)」
──では水抜きは必要ない感じですね。
「水抜きは当日計量なので……」
──あっ、当日計量なのですか。なるほど、失礼しました。いずれにせよ、多くのケガを抱えていた現役時代と比較すると……アッ、試合をするのにこの表現はおかしかったですね。
「アハハハハ」
──ここ最近ジムの経営&指導者の姿を見てきて、MMAを戦ってきたときより凄く健康的に映っていました。
「やっぱり練習量を減らせば、体重は増えてしまうので。増やし過ぎないようにはしてきました」
──打撃有りの試合が近づいて、日常生活に変化はありますか。
「指導とか普段と変わりない生活を送っているのですが、やっぱり緊張しますね。グラップリングの時とは緊張感が違います。ただ打撃有りということだけでなく、試合をするということは自分の練習もしっかりとしないといけないので。そこも普段と変わってきます。
あと体が昔と比べて耐久力がなくなっているので、ケアをしっかりとしないといけない。そこに時間をかけていますね」
──日沖選手本人は気づいていないかもしれないですが、笑顔以外の表情はやはりいつもの温和な表情とは違ってきています。
「えっ、本当ですか(笑)」
──これは下手なことを言って、怒らしたらダメだって緊張しています。
「アハハハハハ。でも良い練習はできてきたので。ただ、以前より明らかに打たれ弱くはなっているはずです。結果はどうなるか分からないですけど、試合に向けて創ることができた。それは嬉しいです。
自分の時間を創って、しっかり仕上げる。そんなことは、もうできないかもしれないって思ってきたので。それが皆の協力のおかげで、創ることができました。本来は試合前にこんなことを言っていてはダメなのですが、ここまで来られたことが嬉しいです」
──ということは、どこかに戦いたいという気持ちがあったのを抑えてジムに専念してきたという部分もあったのかと。
「う~ん、どうですかね。続けたいというか、まだ試合で自分のパフォーマンスを出せてはいないという想いはありました。でも、それって選手をやっていたなら皆が思うことですし。しょうがないといえば、しょうがないことなんです」
──その気持ちがありつつ、試合に出ない選択をしたことで日沖選手のダメージは抜けたかと思うのですが。
「古傷とかはありますけど、動ける感じの体には仕上がったので──そういう意味では健康ではありますね。ただ戦い続けていた頃は若かったし、回復力が今回とは違いました。それこそ皆、痛いところは出てくる。そういう意味では比較的動ける感じではあると思います」
久米のおかげで創れた
──そんな風に格闘家として戦う状態になった日沖選手ですが、そもそもROMANで戦うという話はいつ頃からあったのでしょうか。
「ナオさん(渡辺直由ROMAN CEO)からコンタクトをもらったのは去年の年末ですかね。具体的になってきたのは、今年に入って暫くしてからで」
──バーリトゥードではなく、道着MMAという話で?
「道着MMAでした。柔術もずっとやってきているので、そういう面白さもあるかなって思いました」
──正式に出ることが決まったのと、ペケーニョと戦うことが決まったのは同じタイミングだったのですか。
「試合に出ることが決まった方が早かったです。そこから自分の練習を変えてきました。基本的には打撃と柔術、そしてグラップリングとMMAの練習ですね」
──相手がペケーニョに決まった時、どう感じましたか。
「う~ん、今は修斗のレジェンドで昔のテーマの修斗伝承とう部分で……、かつては憧れた選手の1人なので凄く光栄です。ですけど、決まった時はチョットなというのはありました(苦笑)」
──押忍。では試合が決まってから、プロ練習はどのように?
「MMAの選手練習は週に1度ぐらいで。出稽古をしたり、プロ選手をstArtに集めたりということではなくて、久米に相手をしてもらってきました。今日もついさっきまでマススパーとミットをしてもらって、久米がトレーナーになってくれた感じです。久米のおかげで創れたというのはあります。セコンドも久米がついてくれます」
──えっ、なら久米選手は××××をしないということですね。
「えっ、×××××があったのですか」
──その予定があることは、かなり前に聞いたことがあります。
「いや、あいつは僕にその話はしてこなかったですね……本当ですか……。知らなかったです」
──その後立ち消えになったのかもしれませんし……。でも両者の関係……久米選手の日沖選手へ想いが伝わってきて涙モノです。その久米選手は、ずっと「発さんは強い。練習でやられる」と言い続けてきました。
「あれはリップサービスですよ(笑)」
──この間の練習も時々見せてもらっていましが、人のための練習で自分のための練習ではなかった。自分のための練習をすると、あのオラオラ感が戻っていたのかと。
「アハハハハ。でも、全然動けんですね。やっぱり。昔のようにはいかない」
──コーディネーションもあれだけやって、自在に体を操れるようになってきていても?
「やっぱり、ばてます。疲れて動けない。そこは絶対です。だから昔のように量でこなすのではなくて、中身を考えてきました」
──以前とは違い、41歳の現役ファイターは珍しくなくなっています。それでも日沖選手はブランクもあり、徐々に落ちるのでなく35歳の時から一気に今を感じたということもあるかと思います。
「そうですね。昔と同じ練習はこなせない。息上げもしましたけど、昔ほどはできないです。やりすぎると、コンディションを崩してしまうので。そうなるとケガに直結してしまいますからね。それでも久米がミットとか付き合ってくれて、創ることできました。動き時代は戻せた。だいぶ、戻ってきました。本当に久米のおかげです。僕のために時間を割いてくれミット、マススパーの相手をしてくれて」
──それこそ鶴の恩返しでなく、鷹の恩返しですよ。
「フフフ。久米には本当に感謝しています。昔と比べると量は少ないです。でも今やれることはやってきました。メチャはできないので」
──メチャをやるのは本番だけと。
「メチャは……そうですね、やるしかないです。気持ちも創ってきたつもりです。ただ気持ちに体がどこまでついていくかは、本番になってみないと分からないです。体がついてこなくて、一発もらうと動けなくなる。そういうことも起こりえると思いますけど、気持ち的には失神しない限りやるつもりでいます。
でも相手を殴る限り、殴られる覚悟を持たないといけないですし。相手を絞めるということは、絞められる覚悟も必要で。格闘技って、そういうものですからね。やられる怖さがあるので、そこに立ち向かっていきたいです」
自分のMMAの強みをぶつけるつもりでいます
──そこまで創ってきた日沖選手に、本当に試合前にこういうことを申し上げるのは空気が読めないということかもしれませんが、ペケーニョではOB対決。バリバリとは言わなくても、現役との試合が見たかったです。ペケーニョ✕日沖が絶対に見たいという思いとは別に。
「最先端のMMAを僕が見せることはできないです。だからOB戦という目で楽しんでもらえれば良いです。でも最先端を追ってきたし、ずっと自分のなかでベストは探してきたので」
──直さんやROMAN首脳の想いも十分に伝わってきます。ROMANの在り方でなく日沖発のMMAファイター人生として最後になるかもしれない一戦。世界最強を目指してきた時と同じ出で立ちを見たかったという気持ちは正直あります。スミマセン、水を差すようなことを口にして。
「いえ、普通のMMAの感覚ではいるので。僕も道着を着てということでなく、ちゃんと自分のMMAの強みをぶつけるつもりでいます」
──ハイ。今最強のペケーニョが、日沖発を殺しにいく。そこを迎え撃つ日沖発の姿がみたいです。
「今できるベストを尽くします。結果はどういう風になるか分からないですけど、自分の距離で戦って、自分のペースで組みます。これまでやってきたことを出します。ROMANにこういう機会をいただいたので緊張しつつも、楽しみます」
■視聴方法(予定)
4月27日(日)
午後12 時00分~Twit Casting LIVE
<R.O.M.A. RULES無差別級/時間無制限>
関根秀樹(日本)
ゲイ・ババカール(セネガル)
<ROMAN COMBATライト級/15分1R>
日沖発(日本)
アレッシャンドリ・フランカ・ノゲイラ(ブラジル)
<ROMAN COMBATウェルター級/15分1R>
大浦マイケ(ブラジル)
ウィル・チョープ(米国)
<ROMAN柔術無差別級T決勝/7分1R>
──()
──()
<ROMAN COMBATフェザー級/15分1R>
松本大輔(日本)
門脇英基(日本)
<ROMAN COMBATフェザー級/15分1R>
大村友也(日本)
清水俊一(日本)
<ROMAN COMBAT94キロ契約/15分1R>
中山賢一(日本)
瓜田幸造(日本)
<ROMAN COMBATバンタム級/10分1R>
江崎壽(日本)
江木伸成(日本)
<ROMAN柔術無差別級T1回戦/7分1R>
ランジェル・ロドリゲス(ブラジル)
白木アマゾン大輔(日本)
<ROMAN柔術無差別級T1回戦/7分1R>
森戸新士(日本)
柳井夢翔(日本)
<ROMAN柔術フェザー級/7分1R>
大脇征吾(日本)
鍵山士門(日本)
<ROMAN COMBAT75キロ契約/10分1R>
押木英慶(日本)
高橋孝徳(日本)
<ROMAN COMBAT95キロ契約/10分1R>
中里謙太(日本)
田馬場貴裕(日本T)
<ROMAN COMBAT95キロ契約/10分1R>
テイラー・ラング(カナダ)
関澤寿和(日本)