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【Shooto】山口から世界へ摩嶋一整─02─「年下の選手たちの目標になれるよう」

Mashima & Mouri Bros【写真】左は佐藤裕二、右が毛利昭彦氏。中央が摩嶋。インタビュー後編は無口な摩嶋をフォローするようにり、毛利氏が期待の高さを熱く語ってくれた(C)KAORI SUGAWARA

23日(日)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されたプロフェッショナル修斗公式戦で、4年ぶりに試合復帰をした星野勇二をKOした摩嶋一整インタビュー後編。

柔道からMMAへ。アマ修斗からプロMMAへ。摩嶋のこれまでと、これからを少し訊いた。

<摩嶋一整インタビューPart.01はコチラから>


──摩嶋選手は柔道ベースだそうですね。

「ハイ。3歳くらいから高校3年生までやりましたね。兄について行って自分もやるようになりました。高校ではインターハイとか国体の選手でした。全然勝ってないですけど(笑)」

毛利(昭) お母さんはプロボクサーだよね。 

「10年ぐらいやっていたみたいですね。『死んでも戦え』と言われます(笑)」

──お母様から打撃を習うこともありますか。

「それはないです。ただ文句じゃないですけど、小言は言われますね。『ガードが悪い』とか『ジャブが何とか』とはよく言われますけど、『ああ。ハイ』と、流す程度に聞いています(笑)」

──MMAを始めたのは?

「元々総合は好きだったんですけど、近くに毛利道場があるのは知っていたので、趣味ぐらいの軽い気持ちで始めました。寝技が好きだったのでボクシングに行こうとはそんなに思わなかったですね」

──毛利さんは摩嶋選手が初めて道場に来た時のことを覚えられていますか。

毛利(将) 5年ほど前ですよね。ちょっとB系でオシャレな印象でした。僕は格闘技ではなくて事務専門なんですけど、選手達は最初の頃から『アイツはヤバイ。強い』と言っていましたね。

試合の方は柔道の経験を生かして、アマ修斗ならルール上、有利な部分もあるので『アマ修斗に出てみる?』という軽い流れで勧めました。アマ修斗全日本で3位、その後、2015年にライト級新人王を獲っています。結果がついて来たんで、彼はそれに従って、試合を重ねて来ています。

──プロでは修斗だけでなくパンクラス、そしてGladiatorも経験しています。

「ハイ。プロデビューはパンクラスでしたし、戦う場所に特にこだわりを持っているわけではないです」

毛利(昭) 修斗もそうですし、それだけでなくパンクラスだろうがRIZINだろうが、コイツはどこでも戦える準備はしてます。

──それでは将来的な話ではありますが、修斗でのタイトル挑戦についてはどのように考えていますか。

「チャンスがあればベルトも獲りたいです。その前に海外の試合に出られるなら海外で戦いたいです。それも流れですね」

──海外の試合の映像などもよくチェックしているのですか。

「UFCはネットとかで見ますね。良さそうな技があれば練習してみることもあります。後輩とか教わったりすることもありますし、年下にも習います」

毛利(昭) 彼はみんなが『ここはこうやったほうがいいよ』とか、『こういう技があるよ』と言うと全部、練習で確かめたりして何でも取り入れています。周りに聞いたことを実践したり、試合でも色んなものを出しますし、練習では下手くそなのに試合ではうまく行っていることもよくあります。

『こういう技を持っていたんだ?!』と試合で見て、びっくりさせられることもあります。今後が楽しみですね。僕としては今後、もっともっと強い選手と当たるのを見て見たいです。コイツがそれでまた進化をすると思います。DEEPだろうが、パンクラスだろうが、RIZINだろうが、どこに出しても恥ずかしくない選手です。

本人も目標はUFCだと言っているんで、それを目標にします。必ずUFCに行ける能力を持っていると思いますし、自信もあります。

毛利(将) 素直で何でも吸収して行こうとするし、小さい頃から柔道をやって来たこともあって、とにかく強くなるために格闘技に対して純粋です。だから尚更、それを結果に繋げて行って欲しいと思います。 

「それに応えるのが恩返しになると思うので、この毛利道場の年下の選手たちの目標になれるような選手になりたいです」

──試合とは少し違い、普段は静かな話口調なのですね。

「試合中と普段は全然違うとはよく言われます(笑)」

毛利(昭) 他の若手もいっぱいいますが、彼は練習でも誰よりも早く時間に遅れずに来て基礎からやっています。口数は少ないですけど、たまに若いヤツにも子供達にも声かけてくれたり、一緒に話しているのを遠くから見て、『優しいヤツやな』と嬉しく思います。

「練習はやっぱりウォーミングアップからするのが基本というか、基本が1番大事だと思うんで、そこはこれからも大事にしていきたいです」

毛利(昭) だからなのか、成長が早いですね。今思えば柔道ではないところや技が得意だったりするので色んなことを取り入れて、進化しています。摩嶋のこれからに期待してほしいです。

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